ウラジロの芽
熱帯や亜熱帯など暖かい地方に見られる木性シダを除けは、私たちが見る多くのシダでは、茎は地下もしくは地表を這っていて、地上に立ち上がっているのは1枚の葉です。 ウラジロも地表から立ち上がっている1本の中軸から分岐している全体が1枚の葉(複葉)です。
下は胞子から前葉体を経て2~3年目と思われる若いウラジロですが、ウラジロはこのように左右に羽片が分かれています。
ウラジロは成長するにしたがって、地下茎から大きな葉を出すようになります。 そのような大きな葉の中央には、今の時期、ぜんまいのような芽を見ることができます(下の写真)。
私たちの見慣れている種子植物では、芽は枝の葉の付け根(腋芽)か枝の頂(頂芽)に見られます。
上に書いたように、ウラジロは、地表から立ち上がる中軸が茎ではなく、中軸を含め、そこから分岐する全体が1枚の葉であり、ウラジロでは葉の中央に芽があることになります。 これはどのように理解すればいいのでしょうか。
下は'09年5月25日のイヌガンソクの記事に載せた、展開しつつあるイヌガンソクの葉です。 多くのシダの複葉は、このように左右へ先端へと短期間に葉を広げていきます。
ウラジロの葉では、1年に左右1対の羽片のみを広げ、その先は翌年まで展開せずに、じっくりと翌年展開する予定の羽片の充実を図っているようです。 つまり何年もかかって少しずつ1枚の葉を展開していることになります。
では、この記事の2枚目の写真に戻って、これからこの芽の“ぜんまい”が解けて、どのように伸びていくのか、想像してみてください。 伸びていく様子を図にしてみると、あれ?、という場合を含め、上に書かれてある内容が理解できているか、確認していただけると思います。
正解は春に、というのでは間延びしてしまいますので、こちらに以前撮った写真を載せておきます。
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コメント
先に答えを見てしまった
投稿: わんちゃん | 2011年2月 1日 (火) 14時32分
・・・・・。
投稿: そよかぜ | 2011年2月 1日 (火) 23時44分