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2011年1月31日 (月)

ウラジロの葉の展開

 ウラジロの芽が伸びる様子(1月29日出題)の答です。

Urajiro020427_1    葉の中央にある芽が伸びだしてきました。

Urajiro020427_2    市販されている渦巻き蚊取り線香のように重なっていた二つの渦巻きが
   左右に分かれ
ます。
   右の渦巻きを組み込んでいた左の渦巻きは少し大きいですね。

Urajiro020427_3    羽片が広がっていきます。
   中央には来年延びる褐色の芽が既にできています。

 4月下旬、実際のウラジロで確かめてみてくださいね。

 ところで、このように“大胆に”葉を展開できるのは、前年度に貯えた栄養分があるからです。 では、芽生えたばかりのウラジロの幼植物は、どのような姿で、どのように葉を展開しているのでしょうか。 その様子はこちらに載せています。

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2011年1月30日 (日)

キイロテントウの越冬(林の中で考えたこと)

 冬でも里山を歩けば、あちこちで鳥の声が聞こえてきます。 鳥たちが生活していくためには食べ物が必要です。 恒温動物である鳥たちは、体温を維持するだけでも、かなりの量を食べ続ける必要があります。 つまり、それだけの食料が鳥のいる地にはあるはずです。 鳥の食べ物は、植物の果実や種子、虫たちなどでしょう。 そんな鳥たちの気持ちになって鳥たちの食べ物を探してみます。 しかし、冬も後半になると、果実なども残り少なくなり、餌になるような虫たちはなかなか見つけられません。 やはり命を賭けて餌を探す鳥たちの熱心さにはかなわないようです。

 そんなことを考えながら近くの林を半日歩いていて、キイロテントウの越冬を2ヶ所で見つけました。 1ヵ所は咲きかけているモチツツジの花に目を引かれたところ、その下にいました(下の写真)。

Kiirotentou110129_1

Kiirotentou110129_2

 2ヶ所目はアラカシの葉の裏でした(下の写真)。 クモの糸がついていますが、小さなクモでは昆虫の外骨格には歯が立たないのでしょうか。

Kiirotentou110129_3

 大きさからしても目立ち方からしても、キイロテントウは鳥の餌には適しているように思います。 が、キイロテントウは、あちこちに食べられずに残っています。 ほんとうのところはどうなのでしょうか。
 ナナホシテントウなど肉食性のテントウムシは体にアルカロイドを持ち、目立つ模様は警戒色だといわれています。 キイロテントウの食べ物は、ウドンコ病菌などの菌類です。 肉食と菌類食、食べ物は違っていても、艶のある目立つ色である点では、ナナホシテントウなどとキイロテントウとは共通点があります。 キイロテントウもアルカロイドを持っていて、鳥たちに嫌われているのでしょうか。

 もうひとつ、おもしろいことに気付きました。 上の写真、どちらも2頭で越冬していますが、互いに頭を寄せ合っています。 このブログで以前キイロテントウの集団越冬の様子を記事にしましたが、家に帰ってこの時の写真を改めて見てみると、5頭が3頭と2頭に分かれ、やはり頭をつき合わせています。
 集団になる意義はよく分かりませんが、頭部をつき合わせることに何か有益なことがあるのでしょうか。 それとも、視覚に頼って仲間の方へ向かった結果にすぎないのでしょうか。

 虫が少ないと、歩いている途中で、いろんな考えが浮かんできます。 仕事を離れて考えながら歩くことも、なかなか楽しいものです。

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2011年1月29日 (土)

ウラジロの芽

 熱帯や亜熱帯など暖かい地方に見られる木性シダを除けは、私たちが見る多くのシダでは、茎は地下もしくは地表を這っていて、地上に立ち上がっているのは1枚の葉です。 ウラジロも地表から立ち上がっている1本の中軸から分岐している全体が1枚の葉(複葉)です。
 下は胞子から前葉体を経て2~3年目と思われる若いウラジロですが、ウラジロはこのように左右に羽片が分かれています。

Urajiro100213_1

 ウラジロは成長するにしたがって、地下茎から大きな葉を出すようになります。 そのような大きな葉の中央には、今の時期、ぜんまいのような芽を見ることができます(下の写真)。

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 私たちの見慣れている種子植物では、芽は枝の葉の付け根(腋芽)か枝の頂(頂芽)に見られます。
 上に書いたように、ウラジロは、地表から立ち上がる中軸が茎ではなく、中軸を含め、そこから分岐する全体が1枚の葉であり、ウラジロでは葉の中央に芽があることになります。 これはどのように理解すればいいのでしょうか。

 下は'09年5月25日のイヌガンソクの記事に載せた、展開しつつあるイヌガンソクの葉です。 多くのシダの複葉は、このように左右へ先端へと短期間に葉を広げていきます。

Inugansoku090510_1

 ウラジロの葉では、1年に左右1対の羽片のみを広げ、その先は翌年まで展開せずに、じっくりと翌年展開する予定の羽片の充実を図っているようです。 つまり何年もかかって少しずつ1枚の葉を展開していることになります。
 では、この記事の2枚目の写真に戻って、これからこの芽の“ぜんまい”が解けて、どのように伸びていくのか、想像してみてください。 伸びていく様子を図にしてみると、あれ?、という場合を含め、上に書かれてある内容が理解できているか、確認していただけると思います。
 正解は春に、というのでは間延びしてしまいますので、こちらに以前撮った写真を載せておきます。

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2011年1月28日 (金)

ウラジロ

 私の住む大阪付近では、ウラジロは、鏡餅に敷いたり、しめ飾りなどに用いたりと、正月飾りによく用いられ、ワラビやゼンマイのような芽を食用にするシダ植物を除けば、最も身近なシダ植物かもしれません。 しかし、ウラジロの分布は本州中部以南ですので、日本全体を見れば、ウラジロを身近に見ることのできない地域も多いはずです。

Urajiro081104_1

 ウラジロは地下茎がよくはい回り、大きな群落を作ります(上の写真)。 その分、胞子はそんなにたくさん作りません。
 シダ植物の胞子は「胞子のう(嚢)」と呼ばれる袋の中で作られ、この胞子のうが破れて胞子が飛び散ります。
 胞子のうは集まって「胞子のう群」を作っていますが、他の多くのシダ植物と比較すると、ウラジロの胞子のうは大きく、胞子のう群は数個の胞子のうが集まっているだけです(下の写真)。 以前記事にしたノキシノブの胞子のう群と比較してみてください。

Urajiro110123_2

 胞子のうを破り、胞子を飛散させる装置として「環帯」というものがあります。 この環帯についてもノキシノブの所で書いていますが、ノキシノブを含む多くのシダ植物では、環帯が胞子のうの周囲を完全に1周せずに「不完全環帯」と呼ばれています。 胞子のうは、この環帯の無い部分で破れ、環帯は胞子を効率よく飛散させることができます。 つまり名称は「不完全」であっても、機能的には優れています。
 ところがウラジロなどでは、この環帯が完全に胞子のうの周囲を1周しており、「完全環帯」と呼ばれています。 この場合、環帯は不完全環帯の場合ほどうまく機能していないようです。 下はウラジロの胞子のうを拡大したものですが、ウラジロでは環帯と他の胞子のうの部分との色の違いもほとんど無くて判別し難く、機能的にもうまく分化していないようで、胞子のうの破れる位置も、環帯との関係がよく分かりません。 こんなことからも、ウラジロの繁殖戦略は、胞子よりも地下茎を重視しているのだと思われます。

Urajiro110123_3

 明日はウラジロの葉のおもしろい特徴を記事にする予定でいます。

 

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2011年1月27日 (木)

マサキ

 マサキはニシキギ科の常緑低木です。 マユミやニシキギなどと同じ属の植物で、常緑か落葉かは違いますが、果実の様子はよく似ていて、熟すと裂開し、仮種皮におおわれた種子がとび出してきます。
 この種子がまだ鳥に食べられず、残っていました。 水分が減って少し皺が目立ちますし、寒さで葉の緑も薄くなっていますが、寒い中でこのような色を見ると、何かホッとします。

Masaki110123_1

 マサキは海岸近くの林に自生する木です。 この木は公園に植えられていたものですが、刈り込みに強くて葉は密生しますので、生け垣などにも使われています。
 花は、主役としての扱いではありませんが、こちらの記事に写真があります。

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2011年1月25日 (火)

イダテンチャタテ

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 1月23日、近くの公園のケヤキの幹を、数匹のイダテンチャタテが、タタタタと走っては立ち止まり、また走り始めることを繰り返していました。
 写真のイダテンチャタテの体長は4mm、イダテンチャタテのことは既にこちらで記事にしていますが、複眼の飛び出ている様子がよく分かる写真が撮れましたので、改めて載せておきます。
 写真は家に持ち帰って撮ったものですが、持ち帰りに使った容器が汚れていて、せっかくのイダテンチャタテのあちこちに小さなゴミがついてしまいました。
 下は私の中指の先にとまらせて撮ったものです。
※ 写真はクリックで拡大します。

Idaten110123_1

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2011年1月24日 (月)

ムクドリの飛翔

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 ムクドリは日本国内ではほぼ全域に分布する留鳥で、人家付近や田畑などでもよく見られます。 ムクノキの実を好んで食べるところからムクドリ(椋鳥)と呼ばれるようになったと言われていますが、植物の果実や種子の他、虫なども食べる雑食性です。 こちらでは田起こしに集まるムクドリを載せています。
 繁殖期は春から夏にかけてで、この時期は雌雄の番単位で分散します(こちら)が、その他の時期は、下の写真のように群を形成しています。 特に夜は大きなねぐらを形成しますので、その鳴き声が騒音として問題になったりすることもあります。

Mukudori110123_2

 今回はムクドリの飛んでいる所を撮ってみました。 飛んでいる所をみると、腰の白い部分がよく目立ちます。
 ムクドリは尾が短いので、羽ばたかずに翼を広げて滑空(かっくう)している姿所をみると、直角二等辺三角形の三角定規を連想させるところから、「空飛ぶ三角定規」などと言われています。 その様子を撮ろうと思ったのですが、“三角定規”も横から見るとよく分かりませんね (-_-;

Mukudori110123_3

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2011年1月23日 (日)

ピラカンサのトゲ

Pyracantha091121_2

 前に植物には様々な由来のトゲがあり、ユズのトゲは枝であることを書きました。 このような枝に由来するトゲを持つ植物は他にもたくさんあり、ピラカンサのトゲも枝です。
 ピラカンサのトゲが枝であることを証明することは簡単です。 葉の付いているトゲがあるのですから。

Pyracantha091121_1

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2011年1月21日 (金)

ヨツモンホソチャタテ

 寒い冬をじっと冬眠して乗り切る虫たちもいれば、小さくても寒い中を元気に動き回っている虫たちもいます。
 写真は近くの公園のソメイヨシノの幹にいたヨツモンホソチャタテ(ホソチャタテ科)です。

Yotumonhosochatate101227_1

 チャタテムシについてはこちらに書いています。

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2011年1月20日 (木)

アシダカグモの越冬

 アシダカグモは屋内で見かける大きなクモで、1年限りの命ではなく、5年前後の寿命だとされています。 このブログでもアシダカグモについて記事にしたところ、長期にわたって左の「人気記事ランキング」に載る記事となり、たくさんの方からコメントをいただいています(今日現在のコメント数は79)。 そのうちのお一人である「み。」さんこと Millet.K さんからは、アシダカグモの越冬中の様子を写真で送っていただきました。
 アシダカグモのことは、あちこちのブログやHPに載せられています。 しかしそのほとんどは、暖かい時期に動き回っているアシダカグモです。 越冬中のアシダカグモはそんなに動き回らないでしょうから、目立ちません。 どのような場所で、どのような姿で越冬しているのかを紹介した記事は、ほとんど目にすることはありません。
 今回送っていただいた越冬中のアシダカグモの写真を見ると、越冬場所は変えていないものの、けっこう動いていることが分かります。
 場所は2重になっている窓の間で、写真の下の木枠側に室内側の窓があり、写真の上に室外側の窓があるとのことです。 この窓は天井近くにあり、暖かい空気は上に昇りますから、一定の温度は保たれているようです。

Asidaka101126_1    2010年11月26日

Asidaka110118_1    2011年01月18日

Asidaka110119_1    2011年01月19日

 特に後ろの2枚は、1日で向きを変えています。 いつもこれくらい動いているのか、写真を撮られることが刺激になって眠りが浅くなったのか、とにかく冬眠中も全く動けないということではないようです。

 この後の様子はこちらで紹介しています。

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2011年1月19日 (水)

ユズ

Yuzu100103_1

 ユズは耐寒性の強い柑橘類で、冬の寒い時期にも、その果実を見ることができます。 果実は酸味が強く、普通は直接食べることはしませんが、砂糖や蜂蜜に漬け込んだり、香味や酸味を加えるための香辛料や薬味として使用されたりもします。
 柚子湯は冬至に限られたものではありません。 果実全体または果皮を布袋にいれて湯船に浮かべると、血行を促進させて体温を上昇させ、風邪を引きにくくさせる効果があるとされています。

 ところで、トゲを持つ植物はたくさんあるのですが、このトゲの由来は様々です。 ミカン科の木にはトゲを持つものがよく見られ、ユズもそのうちの1種なのですが、ユズのトゲの場所を見ると、明らかに葉腋の芽があるべき場所です(下の写真)。
 芽は伸びて生長すると枝になります。 つまり、ユズのトゲは少しだけ伸びた短い枝だと理解できます。 下の写真でもトゲの先端部分が褐色に、つまり枯れて硬くなっていますが、トゲになる「枝」は伸びだすや否や先端の細胞から死んで硬くなり、木を守る役割を担うようになります。

Yuzu100103_2

 上の写真で、ユズの葉の葉柄には幅広い翼が見られます。 この葉柄に翼が見られることも、ミカン科によく見られる特徴です。

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2011年1月18日 (火)

モンギンホソキバガ

Monginhosokibaga110108_1

 モンギンホソキバガは、体長は約1cmですが、これだけ細いと、たいへん小さく感じます。 でもよく見ると、なかなか美しい蛾です。 頭を下げ、腹部を持ち上げ、その腹部に後脚をくっつけてとまります。 写真はソメイヨシノの幹の地上40cmほどの所にとまっていたものです。
 キバガ類は、長く伸びた下唇鬚が反り返り、頭の上にまで達していて、これを牙に見立てての名前です。 下唇鬚は小蛾類やアツバ類でも発達している蛾がいますが、キバガ類では、体の大きさの割に、特によく発達しています。
 幼虫の食餌植物ははシラカシの葉とされています。 成虫は夏に数回発生し、10月頃に成虫になったものがそのまま越冬するようです。
 こんなに小さな体で、よくこの寒さに耐えられるものです。

Monginhosokibaga110108_2

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2011年1月17日 (月)

四季点描(1)

 この土日は、急ぐ仕事のため、ほとんどPCの前に座っていました。 仕事をしながら外を見ていると、庭にヒヨドリが来て次々とロウバイの花を食べていました。
 昨日の冷え込みはきつく、夕方イヌの散歩に出かけると、周囲の山々も麓近くまで白く見えていました。 それでも、以前にこのブログに載せたことのある近所の紅梅は既に咲き始め、水仙もちらほら花をつけていました。

 写真は1月8日に撮ったメジロです。 この柿も今頃はもう食べつくされていることでしょう。 鳥たちも残された食べ物のある限られた場所へと、次第に集まってきているようです。

Mejiro110108_1

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2011年1月16日 (日)

ツワブキの種子

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 寒くなる頃に咲きだし、寒さに強いツワブキも、さすがに今は種子形成も終わり、褐色を帯びた冠毛を広げています。

Tuwabuki100109_2

 ツワブキって、果実(痩果)にも毛が生えているんですね。

 花の時期にはいろんなアブが来ていました。 結実率は高いようです。

Tuwabuki101211_2    ホソヒラタアブ

Tuwabuki101211_1

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2011年1月15日 (土)

樹皮下のヤマギシモリノキモグリバエ(?)

 樹皮の下では、小さなハエの仲間もよく見つかります。 いろんな種類がいるようなのですが、ハエの仲間の分類は遅れていてよくわかっていないうえに、一般向けの書籍も少なく、調べるのがたいへんです。 下もヤマギシモリノキモグリバエだとは思うのですが・・・。

Kurotuyashoujoubae110102_1

Kurotuyashoujoubae110102_2

 ヤマギシモリノキモグリバエなら、冬季にも葉の表に集団で集まることがよく知られていますが、温度が低い時には樹皮の下に潜り込むのでしょうか。

shine

 樹皮の下には、まだまだいろんな虫たちがいるのですが、1月6日からはじめた今回の「樹皮の下で越冬する虫シリーズ」は、とりあえず終わりにします。

Qq101227_1     クサカゲロウの一種の幼虫(?)

 なお、樹皮の下で越冬する虫たちについては、今回のシリーズ以前にも、ウスキホシテントウプラタナスグンバイなどについて記事にしています。

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2011年1月14日 (金)

樹皮の下で越冬するカメムシたち

 樹皮の下では成虫越冬するカメムシたちもいろいろ見つかります。

camera ウシカメムシ

Usikamemusi110102_1

camera クロハナカメムシ

Kurohanakamemusi101227_1

 下にいるのはアカアシノミゾウムシです。

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2011年1月13日 (木)

キンイロエビグモ(ハラジロ型)

 キハダエビグモに続いて、冬季に樹皮の下に潜むエビグモの仲間をもう1種、たぶんキンイロエビグモのハラジロ型だと思います。

Siroebigumo110102_1

 キンイロエビグモにはキンイロ型とハラジロ型があります。 キンイロ型は黄褐色をして、白色や茶褐色の斑紋があり、ハラジロ型は、腹部背面が白くて、その周囲の暗褐色との境界の濃色の部分が波型をしています。 ただ、キンイロエビグモのハラジロ型と似たものにシロエビグモがいますので、もしかしたらそちらかもしれません。
 写真のクモは、剥がした樹皮の裏にくっついていました。 写真を撮ろうとレンズを交換しているうちに冬眠から覚めて動き出しました。 動き出すとよく動くこと! 樹皮を離れてしまいましたので、掌に載せてこの1枚を撮るのが精一杯。 私の掌もお気に召さなかったようで、ジャンプして飛び出し、地面の枯葉に紛れ込んでしまいました。

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2011年1月11日 (火)

キハダエビグモ

 1月6日の写真にもクモの糸が写っていますが、樹皮の下にはいろいろなクモも越冬しています。 今日の記事の写真は、12月27日にケヤキの樹皮の下にいたキハダエビグモです。
 キハダエビグモは、暖かい時期でも、太い樹木の樹皮面や枝葉間を歩き回って獲物を探すクモで、年間を通して木の上で生活しています。 キハダエビグモの「キハダ」は、「黄肌」ではなく、「木肌」なのでしょう。 下の写真では脚を立てていますのでそれほど扁平な感じはしないかもしれませんが、 樹皮の下に潜り込むのに都合の良い扁平な体をしています。

Kihadaebigumo101227_2

 エビグモの仲間は、カニグモに近い蜘蛛です。 これまでに、ハナグモアズチグモヤミイロカニグモなどのカニグモの仲間を記事にしてきましたが、体つきが扁平なのは、エビグモとカニグモに共通の特徴です。 カニグモは大きな第一脚と第二脚を左右に広げている姿がカニを連想させるところからの名前ですが、エビグモの場合は、それほど第一も第二脚も発達していませんし、脚を左右に広げて構えることもしません。 つまり「カニ」より細長い印象の「エビ」なのです。

Kihadaebigumo101227_1

 エビグモの仲間はカニグモの仲間より動きは速く、カニグモの仲間が待ち伏せに徹しているのに対し、もう少し積極的に餌を求めて行動する蜘蛛かもしれません。

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2011年1月 9日 (日)

ヒレルクチブトゾウムシ

Hirerukuchibutozoumusi091223_2

 樹皮の下で越冬する虫シリーズ、第2回はヒレルクチブトゾウムシです。 学名は Oedophrys hilleri で、「ヒレル」はこの種小名から来ているのでしょう。
 ヒレルクチブトゾウムシはゾウムシの仲間ですが、長い口吻は持ちません。 また冬眠中は、長い触角を2つに折りたたみ、それをさらに胸の横にくっつけています。

Hirerukuchibutozoumusi091223_1

 体長は約4㎜ です。 下は、大きさがよく分かるように、10円硬貨と並べて写してみたものです。

Hirerukuchibutozoumusi091223_3

 越冬した成虫は春に卵を産み、そこからの成虫は5~7月に現れ、ナシ、ウメ、サクラなどを食害します。 そしてこの成虫が産んだ卵からは、10月頃に成虫が現れ、この成虫がそのまま越冬します。

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2011年1月 8日 (土)

アカアシノミゾウムシ・ニレノミゾウムシ

 樹皮の下で越冬する虫シリーズ、第1回は前回の「樹皮の下で越冬する虫たち」で、個体数がいちばん多く写っていたノミゾウムシです。

Akaasinomizoumusi110102_2

 アカアシノミゾウムシは、成虫・幼虫とも、ケヤキの葉を食害します。 成虫の体長は2~3mmで、体色は、昨日も書いたように、全身が黒色のもの、脚だけが赤く他は黒色のもの、頭部と胸部が黒く他は赤いものなど、変異が大きいのですが、少なくとも頭部は黒色のようです。
 上の写真で、赤い地色に黒色の模様が入っているものは、他のものよりほんの少し体のサイズが小さいようですし、頭部の色も真っ黒ではないようで、ニレノミゾウムシだろうと思います。 ケヤキもニレ科ですので、両者が混じっていたのだと思います。
 ニレノミゾウムシを横から撮ったものを、下に載せておきます。

Akaasinomizoumusi110102_1

 これらのノミゾウムシは「ゾウムシ」の名前がついているように、長い口吻があるのですが、この口吻は体の下にくっつけていてなかなか見えません。 数頭を掌の上に落とし、裏返して写真を撮ろうとしたのですが、私の暖かさが伝わったのでしょうか、次々と20cmほども飛び上がり、みんないなくなってしまいました。 つまり大きさが蚤のように小さいというだけでなく、蚤のようにジャンプするゾウムシです。

Akaasinomizoumusi101227_1

 やっと撮れたアカアシノミゾウムシの口吻の様子はこちらに載せています。

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2011年1月 6日 (木)

樹皮の下で越冬する虫たち

 樹皮の割れ目の下で、多くの虫たちが越冬しています。 下はケヤキの樹皮をめくったところですが、何種類の虫がいるでしょうか。(写真はクリックで拡大します。)

Underbark110102_1

 木は年々太くなります。 太くなるにつれ、樹皮ははちきれ、隙間ができてきます。 このことを、昨日の記事「樹皮」で書きました。
 樹皮の剥がれ落ち方は木によって違いがあり、虫たちにとって都合のいい隙間ができる樹種では、虫たちのいい越冬場所になります。
 剥がれ落ちかけている樹皮を剥がすことは、越冬中の虫たちには少し気の毒ですが、木にとっては、「樹皮」の記事の内容からしても、そんなに悪影響は無いでしょう(注1)。 「樹皮」の記事はその“言い訳”のために書いたものです  ^m^  虫たちも新たな越冬場所を求めて移動してくれることでしょう。
 ただし、樹皮をめくっている所を見た人は、木を傷つけていると思う人もいるでしょう。 樹皮めくりは人目を避けて行いたいものです。

(注1) 柿も樹皮に隙間ができやすい木ですが、柿の生産農家は、その隙間に柿の害虫が入り込むのを防ぐために、毎年柿の樹皮を削り落とすという作業を行うくらいです。

 さて、上の写真に何種類の虫がいるのかですが、私も自信は無いのですが、たぶん6種類だと思います(下の写真)。
 ①と②は種類の異なるゴキブリでしょう。 ③はグンバイムシの仲間(ナシグンバイ?)、④は黒い個体、赤い個体、頭が黒く他は赤い個体、模様のある個体など、いろいろいますが、みんなノミゾウムシの仲間でしょう。 ⑤はクモの一種、⑥はヒレルクチブトゾウムシだと思います。

Underbark110102_2

 次回からはこれらの樹皮の下で越冬している虫たちの何種類かを、個別に取り上げていきたいと思います。

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2011年1月 5日 (水)

樹皮

 木の幹のいちばん外側は樹皮で覆われています。 つまり、樹皮が木の内部を守っていることになります。 この樹皮は死んだ細胞からなります。
 木は年々太ります。 これは樹皮から少し内側にある形成層で細胞分裂を行い、内側に木部が、外側に師部が形成されることによるのですが、木部の細胞はすぐに死んでしまいます。
 とにかく、幹が太れば幹の表面ははちきれてしまいます。 内部を保護している樹皮がはちきれて隙間ができ、内部を保護できなくなるといけないので、樹皮の直下にはコルク形成層があり、幹が太くなることにあわせて新しい樹皮をコルク形成層の外側に作っていくのですが(注1)、死んだ細胞からなる外側の樹皮がはちきれていくことには変わりはありません。
 はちきれた外側の樹皮は、木の種類や樹齢にもよるのですが、剥がれ落ちていく場合もありますし、内側の樹皮にくっついている場合もあります。

 下は剥がれ落ちようとしている樹皮です。

Juhi090321_1

 伐採されたマツの木がありました(下の写真)。 マツの幹の特徴的な様子は、はちきれた樹皮がくっついて残っていくことで作られます。

Juhi020106_1

 下は上のマツの切り株を、上から見たものです。 盛んに細胞分裂をしていた形成層の部分は、細胞の周囲が硬いと細胞分裂できませんから、柔らかく腐りやすく、隙間ができています。 それはともかく、樹皮も毎年作られ、それが年輪のように積み重なっていることが分かります。
 この枯れたマツの株では、年毎に作られる樹皮と樹皮の間に、菌類の白い菌糸と思われるものが入り込んでいますので、たいへん分かりやすくなっています。

Juhi020106_2

 次回はこの樹皮の隙間で越冬する虫たちについて書くつもりです。

(注1)
 コルクガシは特にこのコルク形成層の働きが活発で、どんどん樹皮を作っていきます。 私たちはこの厚い樹皮を剥ぎ取り、コルクとして利用しています。

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2011年1月 4日 (火)

マンリョウ(2)

 昨日はマンリョウの林の中での様子を中心に記事にしました。 今日はマンリョウの葉(と花)についてです。
 マンリョウの葉は特徴的です。 葉の縁は凸凹していますが、これをきょ歯と呼んでいいのでしょうか。 凹んでいる部分は葉の表側に盛り上がっています。 むしろこの盛り上がりのために平面的に広がれなかったような形態をしています。

Manryou110103_1

 そして、この葉を太陽の光に透かしてみると、褐色と黒色の2種類の小斑点が葉面全体に広がっています(下の写真)。

Manryou110103_2

 下はマンリョウの葉の断面です。 葉縁の盛り上がった所の内部には、球形の部屋がありました。 そして、褐色の点と黒色の点は、いずれも葉肉内に存在します。

Manryou110103_3

 これらについて、本やHPなどで、調べてみました。
 まずは葉縁の“小部屋”についてです。 これだけ明確な構造があるのですから、何らかの機能があるはずです。
 しかし結論から書くと、これがどんな機能を持っている所なのか、分かりませんでした。 1つだけ、(社)大阪自然環境保全協会によるHP「大阪百樹」の「マンリョウ」には、この部分は「内密腺」(内蜜腺の誤り?)と呼ばれ、古い本には空中窒素を固定するバクテリア (葉瘤(ようりゅう)菌)が共生していると書かれているが、この内容には疑問がある旨の記載があります。

 次に、葉全体に分布している褐色や黒色の小斑点についてです。 この部分についても、何らかの物質が何らかの理由で集まっているはずなのですが、これらに関する記載も見つけることはできませんでした。
 しかしこの小斑点は、花の時期を見ると、花柄にもガクにも花弁にもオシベの葯にも、そして若い実の表面にもついています(下の写真:8月上旬撮影)。
※ 花にもいろいろ特長があるのですが、話が広がりすぎるので、今回はこの点には触れません。

Manryou090801_1

 若い果実の斑点は、実が熟してくると分からなくなりますが、それは赤い色によって目立たなくなるだけで、よ~く見ると、何となく実にも小斑点があるようです(下の写真)。

Manryou101211_3

 上記のことは、この小斑点に集まっている物質は、葉の機能に限定して関係している物質ではなく、マンリョウ全体に存在する物質であり、マンリョウの特徴の1つとなる物質であるはずなのですが、この物質に関しても結局何も判らずじまいです。

pencil マンリョウ(3)に続く

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チャタテムシに関する記事の変更と追加

 チャタテムシに関して、名前が分からなかったり、疑問を感じていたりしていた下記の記事について、書き改めたり追記したりしています。
  チャタテムシ(2007年12月29日の記事)
  イダテンチャタテ(2008年1月2日の記事)

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2011年1月 3日 (月)

マンリョウ(1)

 センリョウの実のおもしろい特徴については以前書いていますので、お正月らしく、今日の記事はマンリョウにします。 といっても、このブログらしく、庭のマンリョウではなく、林床に自生しているマンリョウです。 写真は近くの雑木林の林床で撮ったものです。

Manryou101211_1

 もっとも、庭に植えられているマンリョウは、自生地のものより実が少し大きいなど、園芸的に選択されている点もありますが、林床に自生しているマンリョウと庭に植えられているマンリョウとは同種の植物であり、本質的な違いはありません。 写真のマンリョウも、庭に植えられていたマンリョウの実を食べた鳥が糞と一緒に林に落とし、“里帰り”したマンリョウかもしれません。

Manryou101211_2

 マンリョウはヤブコウジ科ヤブコウジ属の常緑小低木で、東アジアからインドにかけての温暖な場所に広く分布し、日本では、関東地方以西から四国・九州・沖縄の林床に自生しています。
 美しい赤い実をつけるのですが、この実はあまり鳥などには食べられず、かなり遅くまでよく残っています。 しかし、液果は鳥などに食べられて種子散布してもらうことに意義があるわけで、毒などで食べられることを防御していたのでは意味がありません。 実が残る理由として考えられるのは、実を好む鳥は主に木の高い所で生活し、危険の多い(?)林床にはあまり降りて来たがらないようですし、マンリョウを上から見ると葉ばかりであまり実は見えません。 また、林床にいる鳥は落ち葉の裏に隠れている虫などを食べている動物食性の鳥が多い、ということかもしれません。 それとも単純に、マンリョウの実は鳥にとってあまり美味しくないのかな? ちなみに私が食べてみたところでは、青ぐさみが強く後味も悪く、人にとってはとても美味しいと言える実ではありませんが、とても食べられないといった実でもありませんでした。
(どこかでマンリョウの実を食べた記事を見たことがあると探したところ、夕菅さんが試食しておられました。)
 日本でも鳥に食べられにくいマンリョウの実が、自生地以外の、その土地の鳥にとって未知の実となるケースではどうなるか。 アメリカのフロリダでは、マンリョウにとって環境が良かったのでしょう、日本から持ち込まれたと思われるマンリョウが二次林に広がり、林床のほとんどをびっしりと覆ってしまっている所もあるようで、帰化有害植物に指定されているようです。
(ここで書いた鳥とマンリョウの実との関係は、そよかぜの仮説にすぎません。)

 赤い実をつける植物は多いのですが、マンリョウはすぐ見分けられます。 その特徴は、上の葉の層の下に果実の層があり、その下は枝の無い幹だけの特徴的な姿もそうですが、葉も特徴的です。 明日はこの葉(と花)の(私にとっての)不思議に迫ります。

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2011年1月 1日 (土)

ニホンノウサギ

あけましておめでとうございます

Nousagi100109_1

 卯年の元旦の記事はやはりこのニホンノウサギからでしょう。
 飼われているウサギは、欧州等を原産とするアナウサギを改良したカイウサギ(飼いウサギ)が主ですが、ニホンノウサギは全身が褐色で、耳介の先端は黒い毛で被われています。 もっとも、ニホンノウサギも多雪地帯では冬は耳介の先端の黒い部分を除き白くなりますが・・・。
 以前近所で会ったニホンノウサギを記事にしたことがありますが、この記事のニホンノウサギ、じつは剥製なんです。 自然の中で生きているニホンノウサギをこれだけアップで撮ることができれば楽しいでしょうけれどね。

fuji 本年もよろしくお願いいたします

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