マヒワの個体数変動
色続きで、昨日のアオゲラに続いて今日はマヒワについてです。
今年はマヒワの大きな群が、あちこちで観察されています。 マヒワについては、以前にも記事にしましたが、撮るのに苦労した鳥が、今年は町の中の公園にも群でいて、簡単に撮ることができます。 この記事の写真は、堺市にある大泉緑地で撮ったものですが、大阪城公園などにも大きな群が見られます。 そしてこのマヒワの群にベニヒワが混じっているケースもあるようです。
鳥の渡りの様子は年ごとに多少の特徴が見られるものですが、渡り鳥の中にはその変動幅がたいへん大きなものも知られています。 このような渡りは、英語では irruption または invasion と言われています。
1985年に出版された「 A Dictionary of Birds 」( B.Campbell and E.Lack )の irruption の項によれば、このような irruption には、次の3つのケースがあるようです。
① ノネズミやノウサギの個体数は年による変動がとても大きく、これらを主な餌としているタカやフクロウの仲間で渡りをする種の中には、どの地域にどれくらいの個体数が南下するかが大きく違う場合がある。
② 樹木の種子も木の種類ごとに年によって変動の幅があり、これらの種子を餌にする小鳥類の中には、種子が不作の年には餌を求めて大挙して南下するものがある。
③ 乾燥地帯の鳥で、干ばつが長引いた場合に、餌を求めて南下する。
日本での irruption の例としては、2008年のケアシノスリが①のケースではなかったかと言われています。 今年のマヒワやベニヒワは②のケースにあてはまるのかもしれません。
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コメント
エサを求めて幾千里?
その年によってエサになる実の実りにも差がありますものねぇ。
投稿: わんちゃん | 2010年12月 5日 (日) 17時49分
一方では毎年同じように移動する種類も多く、渡り1つとってみても、なかなか複雑です。
投稿: そよかぜ | 2010年12月 5日 (日) 21時34分