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2010年12月12日 (日)

カマツカにタケノアブラムシ

 カマツカは葉が硬く、条件によっては葉の表と裏の色が異なる美しい紅葉を見せてくれます。 その紅葉の様子を撮ろうとカメラを向けると、何やら葉の裏に黒い点々が・・・。

Kamatuka101205_1

 拡大してみるとタケノアブラムシでした。

Takenoaburamusi101205_1

 アブラムシ類の生活環はたいへん複雑で、環境の変化に対応して、単性生殖/両性生殖、胎生/卵生、無翅形/有翅形などを組み合わせて変化するのですが、これが種類によって様々です。
 越冬形態も、卵態のものや胎生雌虫で行うものなどがありますし、寄主植物を季節的に変えるもの(移住型)や、寄主を変えないもの(非移住型)もあります。
 タケノアブラムシは、その名のとおり、夏の間は竹や笹の葉に寄生している( こちら )のですが、冬季にはカマツカに寄主転換するものが出てきます。 もっとも、有性生殖はカマツカで行われるので、竹や笹が中間寄主ということになります。
 もう少し詳しく、以下、宗林正人氏の論文( 昆蟲30(4),221-229.1962.)にあるタケノアブラムシの生活環の部分のみの要旨を簡単に書くと、次のようになります。
 タケノアブラムシの生活環には、完全生活環と不完全生活環の2型があります。 まず完全生活環について書くと、次のようになります。
 カマツカに産みつけられた卵は、冬を越し、3月下旬にふ化し、4月中旬に幹母の成虫(第1代)が現われます。 そこから生まれる第2代には全て翅があり、竹や笹などの中間寄主に移住します。 中間寄主上では翅の無い胎生雌虫の世代をくり返し、よく繁殖しますが、10月下旬には有翅雌虫が現われ、カマツカに戻り、両性雌虫(産卵雌虫)を産みます。 11月になると雄虫が現われ、カマツカで両性雌虫と交尾し、両性雌虫は11月中旬から産卵を始めます。 下の写真の中央が、その両性雌虫なのでしょう。

Takenoaburamusi101205_2

 一方、不完全生活環は次のようになります。 10月下旬から11月上旬に竹や笹上に現われる翅のある胎生雌虫は他の竹や笹に移り、翅の無い胎生雌虫を産みます。 この翅の無い胎生雌虫は、冬も子を産み続けながら冬を越します。

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昆虫03 カメムシ・セミ」カテゴリの記事

コメント

葉脈とタケノアブラムシを見て
これはちっちゃい虫!
うじゃうじゃと動いてるような・・・
様子が解るような・・・
撮るのは難しそう。
このアブラムシの解説はそれ以上に難しいです

カマツカの紅い実を撮ってました
お花の写真を見せていただいて
実の生り方が解るような気がしました。
生のお花に出合ってみたいモンです。

投稿: わんちゃん | 2010年12月13日 (月) 21時41分

 こんばんは。
 両性雌虫という言葉に?
 文面では雄にはなれないようですが,なぜ両性なのか。両性雄虫もいるのか。何か深い意味があるのだろうと思いますが,調べられませんでした。

投稿: kuwachan | 2010年12月13日 (月) 22時48分

アブラムシの生活環、単純そうに見えて、ほんとうに複雑で、種ごとに少しずつ違いますから、難しいですね。

でも、わんちゃん、アブラムシはそんなに動きませんから、撮るのは楽ですよ。

kuwachanさんが疑問をもたれている両性雌虫ですが、単性生殖に対して両性生殖をする雌虫、つまり受精する雌虫という意味ではないでしょうか。
間違っているかもしれませんが・・・。

投稿: そよかぜ | 2010年12月14日 (火) 07時13分

 こんばんは。
 この場合は,両性が雄と雌の両方の形質を持つではなく,2つの性があるという意味ですね。勉強になりました。

投稿: kuwachan | 2010年12月15日 (水) 22時27分

 民主党役員会だかで、小沢一郎元代表の政治倫理審査会への招致が決まるのかと思っていたところ、またも先送りとかですね?そんな事より、我がブログを読んでやって下さい。日本には多くの食物ありますが賞味期限で、世界で一番、食べ物を無駄に捨てているそうです。食べ物を無駄にしてない多くの生物たちの生き続けていく為の愛の営みを紹介しました。地域猫も写真で貼りました。いつもの"おもしろ写真"は「今の日本をダメにした人:1位=小沢一郎の呪いかかった写真」「多くの虫たちの愛の営み写真」「プロサッカー選手の本田圭佑さんの愛?喜びの体位写真?」「地域猫のモモとダイちゃんの昨日の写真」です。面白かったら幸いです。よかったら遊びに来て下さい。 (*^。^*)  トラックバックをさせて戴きたく思っております。

投稿: 智太郎 | 2010年12月16日 (木) 14時56分

kuwachanさん、私がそう思っているだけで、きちんと確かめたわけではないので、眉に唾をつけておいてくださいね。

智太郎さん、ごめんなさい。
このブログはもう少し学究的に身近な生物を見つめることと、何かを感じていただけるような生物関連の写真を載せていきたいと思います。

投稿: そよかぜ | 2010年12月16日 (木) 22時24分

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