カナムグラ
カナムグラは雌雄異株の1年性のツル植物です。 この時期、雌株では種子ができていて(下の写真)、苞が赤紫色を帯びて、なかなか美しいものです。
葉も表面はざらつきますが、遠めには端正な形をしていて、アメリカで園芸的に導入されたというのも分かります。 しかし、アメリカではエスケープしたものが野生化し、困り者の外来雑草となっています。
カナムグラは好窒素的な植物で、富栄養化した土壌では、1年草とは思えないほど、たいへんよく繁ります。 「鉄葎」と書く名前のとおり、ツルは強靭なうえに、茎にも葉柄にも鋭いトゲがあり、そのトゲを利用してツル同士が絡まりあい、素手ではとても引き剥がしたりすることはできません。
カナムグラの花は8月~10月に咲きます。 雌株は、苞は緑色ですが、最初の写真と形態的にはあまり変りません。(下の写真の背景にボンヤリと写っています。) 雄株ではたくさんの淡緑色の花をつけます。 雄花はガク片5枚と5本のオシベだけの花です。 下は10月20日撮影の雄花です。
雌花・雄花の様子からも想像できるように、カナムグラは風媒花で、花の時期には花粉症の心配もしなくてはなりません。
万葉集に出てくる「やえむぐら(八重葎)」は、歌に詠まれた様子から、アカネ科のヤエムグラではなく、このカナムグラだと考えられています。
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コメント
雌花も雄花もよ~く詳しく観察できるように見事に撮れてますね(芸術性もありぃの)
散歩道のカナムグラはハイやっぱり両方居ました
雌花の方はまだ緑色です
赤紫色に変化していくのが楽しみです。
投稿: わんちゃん | 2010年11月10日 (水) 22時01分
美しく撮れる期間は短いのでがんばってくださいね。
投稿: そよかぜ | 2010年11月10日 (水) 22時51分
こんにちは。
カナムグラの様子が良くわかってとても参考になります。私はこの花粉には反応しませんが、突くと結構花粉が飛びますね。
投稿: 多摩NTの住人 | 2010年11月12日 (金) 08時21分
ありがとうございます。
花の最盛期には風が吹くだけでもけっこうな花粉が飛びますね。
投稿: そよかぜ | 2010年11月12日 (金) 23時51分