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2010年10月 9日 (土)

イヌビエ

 ヒエという穀物があります。 昭和期に米が増産されるまでは日本でも主食穀物でした。 現在では小鳥の餌などの飼料用としての利用が中心ですが、健康食品として、また、米や小麦に対する食物アレルギーの患者のための主食穀物としても、見直されつつあります。
 このヒエはイヌビエを栽培化したものです。 しかし、イネを育てる田にとっては、イヌビエはイネによく似ているために除草しにくい、やっかいな雑草です。
 イヌビエは変異性に富む植物です。 特にノギの長いものは、ケイヌビエと呼ばれています。 イネによく似ているのはノギの短いタイプで、田植えとほぼ同時期に芽生え、イネの傍で芽生えたものは、草形がイネと似ているために見つかりにくく、8月頃に開花結実し、稲刈りが行われる前に種子散布を済ませてしまいます。
 下は少し背が高くなりすぎたためによく目立ってしまいましたが、イネに混じって育ったイヌビエです。

Inubie100919_1

 上の田の隣は休耕田です。 ここに育っているのは、ほとんどがケイヌビエでした(下の写真)。

Inubie100919_2

 下はケイヌビエの穂の一部を拡大したものです。

Inubie100919_3

 そして下がノギの短いタイプのイヌビエです。

Inubie100919_4

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コメント

稲以外のモンが全く見当たらない田んぼと
稲よりも背が高く伸びて、目立ってる田んぼと・・・
はぁ~イヌビエというんですか?

散歩道の田んぼで稲よりも高く伸びてるのんがいっぱいまざってるところがあるんです、稲刈りがタイヘンやろなぁって思ってたんです。一緒に刈ってしまうのかなぁ・・・って。

投稿: わんちゃん | 2010年10月12日 (火) 23時02分

イヌビエの種子は稲刈りの前に落ちてしまっているので、一緒に刈り取っても、お米にイヌビエの種子が混じることはほとんど無いと思います。
でもその田にはたくさんのイヌビエの種子が落ちていますから、来年もたくさんのイヌビエが生えてくるのでしょうね。

投稿: そよかぜ | 2010年10月13日 (水) 07時16分

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