シロツバメエダシャク(オス)
10月11日、この日は全く別の場所で、シロツバメエダシャクに3度出会いました。 上の写真と下2枚の写真は別個体ですが、どちらもシロツバメエダシャクのオスです。
どちらのケースも葉の表にいて、動きませんでした。 こんなに目立つ色で、逃げようともせず、鳥の餌食にならないのか、心配になってしまいます。
この仲間には翅の模様のたいへんよく似た5種類がいます。 下は大きさの順に、この5種についての記載を「みんなで作る蛾類図鑑V2」から引用したものです(一部変更しています)。
フトスジツバメエダシャク
ウスキツバメエダシャクより大型のことが多い。また、顔の色が違い、本種は白、灰色。前翅は全体にさざ波が強い。すじは灰色っぽい。山地で少ない。ウスキツバメエダシャク
フトスジツバメエダシャクに似るが、顔の色で区別でき、本種の顔は橙褐色。大~中型で前翅は黄色っぽく全体にさざ波が強い。すじは茶色っぽい。平地~山地に普通。尾状突起が比較的長く、かなり尖る。シロツバメエダシャク
帯が茶色っぽくて、前翅の2本の帯の間にさざ波がなく真っ白。中型。顔面背中側半分橙色、半分白。尾状突起は長いが、尾状突起というよりは脈M1なので横のこぶが突出傾向。平地~山地でやや普通。触角に櫛歯があるのは仲間の中では本種の♂のみ。ノムラツバメエダシャク
亜高山性。翅が黄色みが無く、さざ波状の影も弱く、尾状突起が長い。中型。顔面橙色。前翅は純白に近い。すじは灰褐色。山地上部~亜高山に多い。コガタツバメエダシャク
ウスキツバメエダシャクより一回り小さめ。顔面ほぼ白。前翅は純白に近い。すじは灰色で茶色味がない。平地~山地に多い。
翅のすじの色は微妙に違うのですが、写真でこの色の違いをちゃんと再現できているのかといえば、微妙です。
上に載せた写真の場合は、顔の背中側の半分が橙色で、下半分が白色です(口の周囲は、また橙色です)し、触角に櫛歯があるので、問題なくシロツバメエダシャクのオスだと同定できましたが、この仲間の写真を撮る場合には、顔面の様子を撮っておく必要がありそうです。
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コメント
>この仲間の写真を撮る場合には、顔面の様子を撮っておく必要がありそうです。
ホンマにそうですね、
背中から撮ってて、一枚目の写真と比べて
バッチリなんですが、顔面のが無い!
(オス)かどうか解らないです。
知ってて撮るのと知らなくって撮るのと
エライ違いやなぁ・・・と思いました
でも、基本は顔、背中、横、まれに腹ですよねぇ
投稿: わんちゃん | 2010年10月20日 (水) 23時10分
> 基本は顔、背中、横、まれに腹ですよねぇ
あまり気を使いすぎないで撮りましょう。
一般的な言い方をすると、昆虫の分類では、生殖器のつくりが種の同定のポイントになる場合が多くあります。
生態的な写真を撮っている場合は、所詮は生殖器の様子など、なかなか撮れませんからね。
投稿: そよかぜ | 2010年10月21日 (木) 07時28分