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2010年10月31日 (日)

ハイイロチョッキリ

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 犬鳴山でハイイロチョッキリのオスをみつけました(10月17日撮影)。 オスには、胸部前方の左右に、棘状の突起があります。 さすがにこの時期のハイイロチョッキリは、ほとんど動きません。
 ハイイロチョッキリは、その長く伸びた口吻でドングリの殻斗の上から穴を開け、卵を産み付けます。 産卵の前には予めドングリのついている枝に切れ目を入れておいて垂れ下がらせ、産卵後に完全に枝を切り離す場合が多いようです。 これらの行為は、ドングリのついている枝をしおらせ、ドングリが犠牲になることを防ぐために植物がつくる防衛物質の生産能力を低下させるためだと考えられています。
 長い口吻を持つその姿はシギゾウムシの仲間に似ているのですが、シギゾウムシなどゾウムシの仲間とは触角の様子が異なり、これらの仲間の触角が途中で折れ曲がっているのに対し、チョッキリゾウムシの仲間の触角はストレートです。
 シギゾウムシの仲間では、コナラにはコナラシギゾウ、クヌギにはクヌギシギゾウというふうに、植物とそれにつくシギゾウムシとは深い関係にあります。 ところがハイイロチョッキリの場合は、この関係が曖昧で、ハイイロチョッキリは少なくともコナラとクヌギの両方に産卵します。 アラカシのドングリにも産卵するとも言われているのですが、もしかしたら常緑のドングリに産卵するのは別種かもしれないということです。(勝田恭好ら.1999) 犬鳴山はウバメガシの多い所なのですが、このハイイロチョッキリは何のドングリに依存して生きているのでしょうか。

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2010年10月30日 (土)

キハギ

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 キハギはマメ科ハギ属の落葉低木です。 漢字で書くと「黄萩」ではなく「木萩」、マルバハギやミヤギノハギなど他のハギの仲間も、もちろん草ではなく木なのですが、それらのハギの仲間よりも枝垂れ方が少なく、より木っぽい、ということなのでしょうか。
 花は淡黄白色の部分が多いのですが( でも「黄萩」ではありません、って、くどいですね・・・ )、旗弁の中央部と翼弁は紫紅色で、この部分は古くなると青みを帯びてきます。 
 花期は7月~9月と言われているのですが、この写真は10月17日の撮影、今年は夏の花が遅くまで咲いています。

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2010年10月29日 (金)

ツゲノメイガ

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 ツゲノメイガの翅は、黒褐色と白い半透明の部分からなる、シンプルで美しい模様を持っています。 でも、名前のとおり、幼虫は庭の植え込みなどに使うツゲやマメツゲなどを食害する害虫です。
 成虫は6~7月と8~9月に見られる( 6~9月と書かないのは、2回以上の発生だからです )と言われているのですが、写真は10月17日に撮ったものです。

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 写真を撮っていると、急に口を伸ばしました。 数秒で元に戻しましたが、これは何? あくび? 屈伸運動?

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2010年10月28日 (木)

アキノミチヤナギ

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 アキノミチヤナギは海浜に生える1年草で、タデの仲間( Polygonum属 )です。 花期は9月から10月です。
 他のタデの仲間の多くでは、花は枝の先にまとまって穂状や頭状などになる場合が多いのですが、アキノミチヤナギや、これによく似ていて背の低いミチヤナギでは、花は小さな葉の葉腋にまとまってつきます。

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 タデの仲間には、葉の基部に、茎を包む「葉鞘」と呼ばれる鞘(さや)状の部分があるのですが、アキノミチヤナギの葉鞘は、短く、多数に裂けています(下の写真)。

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 花は花弁がなく、ガク片のみで、花の時は白い色ですが、花の後も残り、次第に赤みを増してきます。 このあたりは、他のタデの仲間にも見られることが多くありますし、ミチヤナギにも共通なのですが、ミチヤナギと違って、アキノミチヤナギでは果実が花被から突き出ます(上の写真)。

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2010年10月27日 (水)

オンブバッタ

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 オンブバッタは、細長い体型をしたバッタで、体色は緑色と淡褐色の二通りがあり、体の側面を1本の白い線が走っています。 幼虫は5月頃から出現し、成虫が見られるのは8月~11月頃です。
 バッタ類の多くは草原に住み、イネ科やカヤツリグサ科の葉を食べていますが、オンブバッタはクズ、カラムシなどの双子葉植物の葉や、園芸植物や野菜の葉まで食べますので、分布範囲は広く、都市部の緑地帯や空き地でも見ることがあり、目にする機会が多いバッタといえるでしょう。
 よくショウリョウバッタと混同されますが、ショウリョウバッタのスマートな体を少し短くしたような体型です。 ショウリョウバッタはキチキチバッタとも呼ばれるようによく音を出して飛翔し、またコメツキバッタとも呼ばれるように後脚を持つと体を縦に振る動作をします。 しかしオンブバッタは、ジャンプはしますが、たまにいる長翅型を除くと翅を広げて飛ぶことはほとんどしません。 また“米つき行動”もほとんどやってくれません。 何よりも、オンブバッタの成虫は、その名のとおり、よく大きい個体が小さい個体をおんぶしています。

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 「おんぶ」には親が子を背負うイメージがありますが、オンブバッタをはじめ多くの昆虫は、卵を産んで死ぬことになりますので、寿命は1年で、親と子が共に元気で行動するという姿は稀です。
 このおんぶしている姿、じつは大きい方がメスで、小さい方がオスです。 昆虫の世界では、メスがオスより大きいことはよくあります。 精子より卵の方が体内に貯えておくのに大きなスペースが必要だということでしょうか。
 交尾時にメスの背中にオスが乗ることは昆虫の世界ではよくあることです。 しかし、オンブバッタの世界では、交尾時以外にも、オスがメスを占有し続けようと、メスの背中に乗り続けようとします。

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2010年10月26日 (火)

ウスキツバメエダシャク

 このブログの10月19日のシロツバメエダシャクの記事で、この仲間にはたいへんよく似たものが何種類かいることを書きました。 そのうちの1種、ウスキツバメエダシャクがいましたので載せておきます。 シロツバメエダシャクと比較してみてください。

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 ウスキツバメエダシャクの顔は橙褐色、尾状突起は比較的長く、かなり尖ります。 翅は全体的に“さざ波”が多く、黄色っぽく、すじは茶色っぽい色をしています。
 シロツバメエダシャクのすじは前翅の前縁近くで曲がることがありますが、本種のすじはストレートです。

 こちらには後翅の縁毛の赤褐色のはっきりしたウスキツバメエダシャクを載せています。

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2010年10月25日 (月)

ハマサジ

 ハマサジはイソマツ科の2年草です。 種子から発芽した1年目には、たくさんの葉がロゼット状に根生して冬を越し、このロゼットの中心から花茎が出て、2年目の秋に花をつけ、種子を散布して枯れます。 この花の時期には根生葉は枯れてしまっています。

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 10月中旬の大阪湾の海岸では、ロゼット状のものと、上の写真のようにほとんど花の咲き終わった株が混生していました。 なかには下の写真のように、今頃花茎を伸ばし始めている株もありました。 花茎を伸ばし始めるのが遅れたのか、早過ぎるのか、いずれにしても周囲には他の植物もほとんど育っていませんから、本来の生活環とはタイミングが異なってしまったのでしょう。

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 上の写真ではロゼット状の葉を見ることができますが、ハマサジの名前は、このへら形の根生葉を匙に見立てたものです。

 下は花の咲き残っている部分を撮ったものです。 この花の様子を見ると、花屋さんで売られているスターチスとよく似ています。 じつはハマサジとスターチスは同じ属で、花屋さんで売られているスターチスには「ハナハマサジ」という和名が付けられています。

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 ハマサジの花の様子をもう少し詳しく見ていきます(下の写真)。 数個の花が1枚の苞葉でまとめられています。 白く見えているのはガク筒です。 カサカサした膜状で、花後も遅くまで残ります。 このガク筒の基部には緑色の小さな小苞葉がついています。 黄色い花冠は深く5裂します。 なお、写真には写っていませんが、オシベは5本で、花柱も基部まで深く5裂します。

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2010年10月24日 (日)

ハママツナ

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 ハママツナは海岸に生える多肉質の1年草です。 昨日のホソバハマアカザに混じって育っている緑色の植物も、その大部分がハママツナです。
 名前を漢字で書くと浜松菜、浜に生える松の葉のような菜、通常「菜」という言葉を使う場合は食用にする場合が多いのですが、ハママツナに関しては、食用にするという話は聞きません。 毒ではないようですが・・・。
 姿はオカヒジキとも似ているのですが、オカヒジキの方が少しゴチャゴチャしたイメージで、オカヒジキの葉の先が刺になるのに対し、ハママツナの葉の先は尖りますが刺にはなりません。

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 花期は9~10月、ハママツナもアカザ科で、花はたいへん小さいものです。 花のついている所を拡大した上の写真のように、花は2~5個が葉の基部にかたまって付きます。 花柄はなく、5裂したガクがあり、オシベは5本、花弁はありません。

 最初の写真で、黄色くなった葉が混じっています。 古い葉はこのように花の時期に落ちるのですが、新しい葉はもう少し緑を保ち、11月中旬には見事な赤色に紅葉します。

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2010年10月23日 (土)

ホソバハマアカザ

 10月中旬の海岸ではホソバハマアカザが美しく紅葉していました。 下の写真で、赤いのがホソバハマアカザです。(緑はハママツナ、明日の記事にします。) 写真をクリックし、拡大してお楽しみください。

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 ホソバハマアカザは多肉質の1年草で、海岸や、時には内陸の砂地にも分布します。 花期は8~10月、花穂には雄花と雌花が混生します。 雄花には苞や花弁は無く、(4~)5個のガク片を持ち、5本前後のオシベがあります。 雌花は2個の苞の間にメシベがあるだけで、ガク片も花弁もオシベもありません。
 下の写真で、赤っぼいのは雄花のガク片で、その間からオシベの黄色い葯が出ています。 またカニのハサミのように見えているのは雌花の苞です。 いずれにしても、雄花のガクも雌花の苞も多肉で、表面には毛がありますので、ほんとうに分かりにくい花です。

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2010年10月22日 (金)

ハマゴウ

 ハマゴウは、砂浜などに生育するクマツヅラ科の常緑または落葉の小低木です。 対生の葉の裏面は白い毛で覆われています。
 砂浜の砂は風で移動します。 ハマゴウの茎は砂の地面を這って伸び、砂に埋もれても、砂が飛ばされて枝が露出しても大丈夫という海浜植物です。 そして次第に枝が混んでくると、砂の移動は制限されることになります。
 花期は7~9月、10月中旬に行った時には、花はほとんど終わり、たくさんの果実をつけていました。 しかし、砂の上を伸びたばかりの新しい枝には、まだどうにか花が残っていました(下の写真:クリックで拡大します)。

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 花は青紫色で芳香があり、4本のオシベは花柱と共に花の外に飛び出しています。

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 丸い果実はコルク質が発達し、水に浮き、海流に運ばれて分布を広げることができます。 この果実は漢方では蔓荊子(まんけいし)と呼ばれていて、鎮痛、鎮静、消炎などの作用があります。

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 ハマゴウに漢字をあてる場合は「浜栲」と書き、「栲(たく)」はコウゾの古名なのですが、ハマゴウの名前は、枝葉に芳香があるために「浜香」に由来するとも、枝が砂上を這うことから、「浜這(はまごん)」からきているのではないかとも言われています。

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2010年10月21日 (木)

キアシシギ(幼鳥)

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 今年は9月に入っても暑い日が続き、日陰の無い海辺へ出かけるのはもう少し涼しくなってからと思っているうちに、少し仕事が忙しくなり、気がつけば10月も半ばを過ぎてしまっています。 慌てて17日に大阪府南部の海に行たのですが、たぶん日長で季節を測っている渡り鳥たちは、あまり気温とは関係なく例年とほぼ同じ時期に移動し、シギやチドリなどの旅鳥の移動のピークは既に過ぎてしまっていて、河口にいたのは、よく見るキアシシギのみでした。
 写真はキアシシギの今年生まれた幼鳥です。 キアシシギの幼鳥は成鳥の冬羽に似て、夏羽の胸などに見られた波状の横斑は無く、その部分は一様な灰褐色になっています。 また、体上面の各羽の羽縁に小さな白と黒の斑がありますが、これは冬羽の成鳥には見られない斑です。

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2010年10月20日 (水)

ミヤマタニソバ

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 ミヤマタニソバは、タニソバと同様な水分の多い場所に生育するタデ科の一年草ですが、名前のとおりタニソバよりは山林中で見られます。 葉は薄く柔らかく、三角形で基部がやや張り出しています。 7月から10月に、茎の先端にごくまばらに白い花をつけます。 上の写真のミヤマタニソバは、かなり明るい所で育っていましたので、花の数はかなり多くなっています。

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 茎は細く、下向きの刺が目立ちます(下の写真)。

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 この植物を見ていると、樹林下の光が十分で無い条件にうまく適応している様子が窺えます。 少ない光を効率よく受け止めるために葉面積は広く、しかし光合成における生産量は限られていますので、“消費”を抑えるために葉の厚さも薄く、その葉を支える茎も細く、しかしそれでは立ち上がりにくいので、刺で絡み合い、互いに支えあっています。 そして、生産と消費という点からは消費の場所である花は、一年草ですので種子を作っておかないと来年は無いのですが、その数を光の量に合わせて調節する、ということになります。

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2010年10月19日 (火)

シロツバメエダシャク(オス)

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 10月11日、この日は全く別の場所で、シロツバメエダシャクに3度出会いました。 上の写真と下2枚の写真は別個体ですが、どちらもシロツバメエダシャクのオスです。
 どちらのケースも葉の表にいて、動きませんでした。 こんなに目立つ色で、逃げようともせず、鳥の餌食にならないのか、心配になってしまいます。

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 この仲間には翅の模様のたいへんよく似た5種類がいます。 下は大きさの順に、この5種についての記載を「みんなで作る蛾類図鑑V2」から引用したものです(一部変更しています)。

フトスジツバメエダシャク
 ウスキツバメエダシャクより大型のことが多い。また、顔の色が違い、本種は白、灰色。前翅は全体にさざ波が強い。すじは灰色っぽい。山地で少ない。

ウスキツバメエダシャク
 フトスジツバメエダシャクに似るが、顔の色で区別でき、本種の顔は橙褐色。大~中型で前翅は黄色っぽく全体にさざ波が強い。すじは茶色っぽい。平地~山地に普通。尾状突起が比較的長く、かなり尖る。

シロツバメエダシャク
 帯が茶色っぽくて、前翅の2本の帯の間にさざ波がなく真っ白。中型。顔面背中側半分橙色、半分白。尾状突起は長いが、尾状突起というよりは脈M1なので横のこぶが突出傾向。平地~山地でやや普通。触角に櫛歯があるのは仲間の中では本種の♂のみ。

ノムラツバメエダシャク
 亜高山性。翅が黄色みが無く、さざ波状の影も弱く、尾状突起が長い。中型。顔面橙色。前翅は純白に近い。すじは灰褐色。山地上部~亜高山に多い。

コガタツバメエダシャク
 ウスキツバメエダシャクより一回り小さめ。顔面ほぼ白。前翅は純白に近い。すじは灰色で茶色味がない。平地~山地に多い。

 翅のすじの色は微妙に違うのですが、写真でこの色の違いをちゃんと再現できているのかといえば、微妙です。

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 上に載せた写真の場合は、顔の背中側の半分が橙色で、下半分が白色です(口の周囲は、また橙色です)し、触角に櫛歯があるので、問題なくシロツバメエダシャクのオスだと同定できましたが、この仲間の写真を撮る場合には、顔面の様子を撮っておく必要がありそうです。

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2010年10月18日 (月)

ハリカメムシ

 オオイヌタデにハリカメムシが来ていました。

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 ハリカメムシは、胸部の左右が鋭く針状に尖る、よく見るカメムシです。
 よく似たカメムシに、名前のとおり少しほっそりしたホソハリカメムシがいるのですが、ハリカメムシの方が体色は暗めで、触角第1節外面に暗い色の条があります。 また、腹部腹板の黒い点の並び方も異なり、ホソハリカメムシの方が黒点がたくさんあります。

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 オオイヌタデにはハリカメムシの5齢幼虫もいました(下の写真)。 触角が幅広くなっています。

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 下は近くのヨモギにいたハリカメムシの4齢幼虫です。(実際の体のサイズは、もちろん5齢幼虫より小型です。)

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 トゲがいっぱいの若齢幼虫はこちら。(2013.10.10. 書き換え)

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2010年10月17日 (日)

オオイヌタデ

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 オオイヌタデは、節がふくれ、枝分かれも多く、成長がよければ高さが2mほどにもなる1年草です。
 葉も大きく、側脈は20~30対もあり、葉の先端は長くとがります。 托葉の縁には毛はありません。
 花期は夏から秋、花序の先端は垂れ、色は淡紅色~白色です。

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2010年10月16日 (土)

ボントクタデ

 ボントクタデは湿地に生える1年草です。 茎は多くの場合、伏せ毛を散生し、葉の表面には八の字状の黒斑があるのが普通です。
 ボントクタデについては、花の様子を中心に、既にこちらに載せていて、この時の写真は9月下旬に撮ったものです。
 10月中旬になり、種子を包む赤い色のガクが目立ち、美しくなっていましたので、再度載せることにしました。

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 なお、この赤いガクに包まれているそう果は、普通は3稜形で、レンズ形のそう果が普通であるヤナギタデとは、この点でも識別できます。

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2010年10月15日 (金)

タカネハンショウヅル

 キンポウゲ科センニンソウ属( Clematis属 )の植物には、園芸的に改良されてクレマチスという名で栽培されているものをはじめ、ボタンヅルやセンニンソウなど、私たちになじみのある植物が多くあります。 タカネハンショウヅルも Clematis属の植物です。
 「タカネ」といっても高山に咲くわけではなく、山林の林縁に生えるツル植物で、写真の花も、岩湧山の中腹で撮ったものです。 葉は1~2回3出複葉で、小葉にはきょ歯があります。

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 花は今年伸びた枝から出る花柄に1個つきます。 つまり、枝を伸ばしてから花が咲くわけで、ハンショウヅルの仲間には珍しく、秋(9~10月)に花を咲かせます。 花には花弁がなく、ガクが発達しているのはセンニンソウなどと同じですが、クレマチスやセンニンソウなどのガクがほぼ水平に開くのに対し、ハンショウヅルの仲間の4枚のガクは、開かずに鐘状の花となり、下向きに咲きます。
 下のタカネハンショウヅルの写真には2個のツボミと1つの花が写っていますが、ツボミも花もかわいい植物です。

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 下は終りかけの花の内部を見たものですが、たくさんのメシベの周囲にたくさんのオシベが配置されています。 花柱に毛があるばかりでなく、花糸にも密毛があります。

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2010年10月14日 (木)

ヒロバネヒナバッタ

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 ヒロバネヒナバッタは、低山地から山地に生息するバッタです。 バッタの仲間としては、触覚は長いほうです。 たたんだ翅の先端近くが幅広になっていて、翅を広げると、黒くて長い後翅があります。 後肢は膝関節が黒く、脛節は赤味を帯びています。
 腹は黄色く、腹部先端付近も赤味を帯びているのですが、腹も腹部先端も、なかなかちゃんと見せてくれません。 下の写真でなんとか分かるかどうか・・・。

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 上から見ると、背中に「く」の字の模様があります(下の写真)。

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2010年10月13日 (水)

ハダカホオズキ

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 ハダカホオズキの赤くツヤのある実はヒヨドリジョウゴなどの実に似ていますし、植物体全体から受ける印象は、イヌホオズキの仲間を大きくしたようです。 これらはみんなナス科で近縁ですので、似ている点があるのは当然ですが、ヒヨドリジョウゴやイヌホオズキの仲間がナス属( Solanum属 )つまり野菜のナスと同じ属であるのに対し、ハダカホオズキはハダカホオズキ属( Tubocapsicum属 )です。
 これらの属の違いは、ナス属の葯は先端に孔がある(ヒヨドリジョウゴの項を参照)のに対し、ハダカホオズキ属の葯は縦裂し、互いに離れています。 この違いは、ハダカホオズキの花期が既に過ぎていて写真を載せることができませんが・・・。
 また、ナス属のガクは5(~10)裂するのに対し、ハダカホオズキのガクは浅く、先はほとんど水平で、分裂しません。

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 「ハダカ」というのは、ガクが伸びて袋状になったものに果実が包まれているホオズキと比較して、果実がガクに包まれていないところからつけられた名前でしょう。 ちなみに、ホオズキ(下)は同じナス科のホオズキ属( Physalis属 )の植物です。
 だれですか、「裸体抱好き」なんて漢字を当てはめているのは!

【参考】ホオズキ
 下のホオズキは、ガクの表面が失われ中が見えているのですが、果実は残念ながら見えていないようです。

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2010年10月11日 (月)

レモンエゴマ

 レモン( lemon )は英語からきていますが、レモンエゴマは日本に自生している1年性草本です。 シソにたいへん近い植物で、和名は果実から油を絞るエゴマに似て、レモン様の香りがあるところからです。
 葉には大きさのよく揃ったきょ歯があり、脈上には軟毛があります。

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 花は8~10月で、10月11日撮影の上の写真の花穂には花は残っていませんでした。 下の花の写真は、根ぎわの葉腋から出ていた、かろうじて花が残っていた花穂を撮ったものです。
 ガクには長軟毛がたくさん生えています。 花冠は長さ4~5mm、色は淡紅色から写真のようにほとんど白に近いものまであります。 オシベは4本、花の中にも毛が生えています。

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2010年10月10日 (日)

ナタマメ

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 鉈(なた)とは林業や狩猟などで使う片手で持つ大型の刃物ですが、その鉈に似た形の大きな豆果(豆のさや)をつけるのがナタマメです。 上の写真では大きさが分かるように私の手を入れて写しておきましたが、これでもまだ小さい方で、大きなものでは長さが50cmほどにもなります。
 ナタマメはアジアもしくはアフリカの熱帯地方の原産とされていて、日本には江戸の初期に中国より伝わってきています。 若い鞘を食用としたり、豆を薬用とする目的で栽培されます。
 薬効としては血行促進や免疫力の向上の他、膿を出す効能に優れていると言われています。 しかし毒と薬は紙一重、毒性の強い品種もあり、食用とされるのは、白ナタマメといわれる品種です。 ナタマメは花も豆も赤っぽいものも白いものもあるのですが、白ナタマメは花(下の写真)も豆も白い色をしています。

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Nata  ナタマメを食用とする場合は、若い鞘を輪切りにし、炒め物、煮物、胡麻和えなど、いろんな料理に使えますが、有名なところでは福神漬けに入れられています(右の写真)。

ひとくちメモ
 福神漬けは、今も上野池之端にある「酒悦」が明治の始めに考案したもので、上野不忍池の弁財天にちなみ、種々の野莱を七福神に見立てて命名されたということです。
 福神漬けといえばカレーを連想するくらいですが、これは、大正時代に日本郵船の海外航路の一等客室に出すカレーに、日本人向けにピクルスに代え、福神漬けを添えたのが始まりとされています。
 福神漬けはナタマメの多い方が高級なようですが、一昨日食堂で食べたカレーの福神漬けにはナタマメが入っていなかったような・・・。

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2010年10月 9日 (土)

イヌビエ

 ヒエという穀物があります。 昭和期に米が増産されるまでは日本でも主食穀物でした。 現在では小鳥の餌などの飼料用としての利用が中心ですが、健康食品として、また、米や小麦に対する食物アレルギーの患者のための主食穀物としても、見直されつつあります。
 このヒエはイヌビエを栽培化したものです。 しかし、イネを育てる田にとっては、イヌビエはイネによく似ているために除草しにくい、やっかいな雑草です。
 イヌビエは変異性に富む植物です。 特にノギの長いものは、ケイヌビエと呼ばれています。 イネによく似ているのはノギの短いタイプで、田植えとほぼ同時期に芽生え、イネの傍で芽生えたものは、草形がイネと似ているために見つかりにくく、8月頃に開花結実し、稲刈りが行われる前に種子散布を済ませてしまいます。
 下は少し背が高くなりすぎたためによく目立ってしまいましたが、イネに混じって育ったイヌビエです。

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 上の田の隣は休耕田です。 ここに育っているのは、ほとんどがケイヌビエでした(下の写真)。

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 下はケイヌビエの穂の一部を拡大したものです。

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 そして下がノギの短いタイプのイヌビエです。

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2010年10月 7日 (木)

モロコシ

 収穫の秋、近所の田でも稲穂が重く垂れ、間もなく稲刈りでしょう。 もう既に新米が販売されているのも見ました。
 先日、富田林市にある錦織公園の「河内の里」で、下の写真のような作物を見ました。 高さは2.5mほどで、ラベルを見ると「キビ」と書いてありましたが、イナキビ(稲黍)とも言われるキビはこんなに高くなりません。 これがモロコシと呼ばれている作物ではないかと思います。 自信はありませんが・・・。

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 モロコシ(蜀黍、唐黍)は、タカキビ(高黍)とも呼ばれ、現代の中国では高粱(こうりゃん、カオリャン)と呼ばれています。 なお、こちらをキビと呼ぶ場合もあるようで、この場合は本来のキビを「コキビ」と呼んでいるようです。

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2010年10月 6日 (水)

ニホンイシガメ

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 日本固有のカメで、頭部の色彩は黄褐色や褐色です。
 生息地が開発や水質悪化によって失われたり、ペット用に乱獲されたなどの理由により、数は減少しています。

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2010年10月 5日 (火)

クサガメ

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 大阪市立自然史博物館で特別展「みんなでつくる淀川大図鑑-山と海をつなぐ生物多様性-」が開かれています。 といっても、10月8日までなんですが・・・。 この特別展では、たくさんの市民による淀川水系調査グループの調査結果を中心に、いろんな興味ある展示が行われています。 でも、このブログでは生きているものを中心に写真で紹介しているので(少し飛躍)、特別展で撮ったカメの顔を紹介することにします。 まずはクサガメです。
 クサガメは日本の川や池などで最も普通に見られるカメで、頭部は暗褐色や灰褐色で、黄緑色の不規則な斑紋があります。 漢字で書くと「臭亀」で、脇の下にくさい臭いを出す腺があります。 そのために私の子供の頃は、イシガメ(ニホンイシガメ)はいい亀だが、クサガメは無視!でした。 ペットショップなどで「銭ガメ」として売られている小ガメも、以前はニホンイシガメでした。 ところが最近では、ニホンイシガメが減少し、銭ガメとして売られているカメのほとんどはクサガメです。 でも、クサガメは成長するとかなり大きくなるので、そのつもりで飼わなければなりません。

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2010年10月 4日 (月)

ルリタテハの幼虫とツマグロヒョウモンの蛹

 ルリタテハの幼虫がホトトギスの葉を熱心に食べていました。 薄暗い条件で、いつものカメラと違い、近距離過ぎてストロボも使用できず、ISO感度を上げての撮影で、画像も荒れて色ももうひとつなのですが・・・。

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 以前、アカタテハの幼虫ツマグロヒョウモンの幼虫の写真を載せましたが、タテハチョウ科の幼虫の体は刺だらけです。もっとも、この刺には毒は無いので安心ですが・・・。
 幼虫の色にしても、成虫の色にしても、色の元になる色素はその昆虫が作ったものです。 以前からルリタテハの成虫と幼虫との間には、同種であるにも拘らず、色彩的な共通点が無さ過ぎるのを不思議に思っていました。 しかし今回、光のぐあいで、幼虫も瑠璃色の色素を持っていることが分かりました(下の写真)。

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 幼虫のすぐ傍のホトトギスの茎にはトゲトゲの蛹。 最初はルリタテハの蛹だと思い込んでいたのですが、ツマグロヒョウモンの蛹だと kuwachanさんに教えていただきました。 ツマグロヒョウモンの幼虫は,食草以外の場所で蛹化するということです。 5つの白斑が2列に並び、他は真っ黒に近い色。 真っ黒に近いのは羽化が近いからとか。 写真は意図的に露出をオーバー気味にしています。

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(以下、2013.8.28.追加)
 蛹になってしばらくは、下のような色をしています。 (わんちゃん撮影)

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2010年10月 3日 (日)

クサネム

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 クサネムは、放棄水田、沼沢地や河川などに生育するマメ科の1年草です。 花は9月頃、黄色い蝶形花を咲かせます(下の写真)。

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 クサネムはカワラケツメイに似ていますが、カワラケツメイよりも、もっと水に依存している植物です。 クサネムの果実(豆果)は、種子が熟しても開裂せず、種子をしまいこんだまま節ごとに離れて落ち(このような果実を「節果」と言います)、これが水に浮かび、水面を漂うことで散布されます。

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 クサネムの名前は、ネムノキの葉に似て草本だからで、ネムノキ同様、夜は葉が閉じて垂れ下がります。 もっとも、このような就眠運動は、カタバミ科やマメ科の多くの植物で見られる現象で、クサネムやネムノキに限ったものではありません。

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2010年10月 2日 (土)

アシグロツユムシ

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 写真はアシグロツユムシのメス、脚の黒いツユムシです。 もう少し正確に言うと、前脚は赤みを帯びていて、後脚の脛節は黒っぽく見えます。
 触角は黒褐色で、節には白い部分があります。 複眼は青みを帯びた灰色です。

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 平地から亜高山帯にまで分布していますが、葉の上で脚と触覚をのばした姿勢でじっとしていることが多いようです。

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 成虫は8月頃から晩秋まで見ることができます。

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2010年10月 1日 (金)

カラスノゴマ

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 カラスノゴマは関東以西に分布するシナノキ科の1年草です。 全草に星状毛が生えており、9月を中心に、葉腋に黄色い花をつけます。

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 花に注目すると、上の写真で中央の黄緑色をした1本がメシベなのですが、そのメシベは、メシベとほぼ同じ長さの5本の仮オシベに取り囲まれています。 そしてその根元に10本ほどのオシベがあります。
 下の写真では、仮オシベがメシベから離れていますので、メシベがはっきりと確認できます。 メシベとくっついたり離れたりしているこの仮オシベ、いったいどんな働きをしているのか、興味があります。

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 秋が深まると、カラスノゴマも紅葉します、 下は10月中旬に金剛山で撮ったものです。

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