ホテイアオイ
ホテイアオイは南アメリカ原産のミズアオイ科に分類されている水草です。 葉柄が膨らんで浮き袋となり、水面に浮きますが、和名は、この浮き袋が布袋(ほてい)様の腹のようだというところから来ています。
花が美しいので、日本でも明治時代に観賞用に持ち込まれていますが、気温が高ければどんどん増えるので、困った状態になる事もあります(こちら)。 世界的に見ても、あちこちの熱帯・亜熱帯域で増えすぎ、「青い悪魔」と呼ばれ恐れられています。
水に浮いたままでも花を咲かせますが、水中に伸びた根が土に接すると、土の中に根を伸ばし、十分な肥料分を吸収し、たくさんの花をつけます。 土に接して水に浮く必要のなくなったホテイアオイの“布袋の腹”は痩せ始めます。
下は琵琶湖で撮ったホテイアオイですが、土に接してたくさんの花をつけていました。
花茎は葉の間から高く伸び、大きな花を数個~十数個つけます。
花は青紫色で花被片は6枚、上に向いた花被片は幅広く、虫を誘導する黄色の蜜標があります。
オシベは6本あるのですが、うち3本は長く、他の3本はたいへん短くなっています。 下の写真では、この短いオシベは重なっていて、3本確認することはできません。
花糸や花柱にはたくさんの腺毛が生えています。
花は大きいのですが、花穂全体が1日で開花してしまい、次の日には花茎は曲がって先端を水中につっこむ形となり、果実は水中で成長することになります。 しかし、日本で種子ができることはめったに無く、あちこちで増えているホテイアオイは冬の寒さを生き残った株から増えたものです。
ちなみに種子から育つ場合は、水中にばら撒かれた種子から発芽した実生は、最初は浅い水中や水辺の泥の上で土中に根を下ろさないと成長できません。 そこで大きく育った株は水平に茎を伸ばし、その先に芽が生じて新しい株を作り、水面に生活の場を広げていくことになります。
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コメント
規則正しく、み~んな花弁に黄色いマークをちゃんとつけてはるわ~
って、ずっと前、眺めてました。
今では、虫に蜜のありかを教えるための
マーケだと・・・学習しました。
暑い暑い夏の日に水辺に青いお花たち、
観てるだけで涼しさカンジる?かな?
投稿: わんちゃん | 2010年9月24日 (金) 14時27分
そのマークを目立たせるために周囲を青くしている所など、なかなかの演出ですね。
投稿: そよかぜ | 2010年9月25日 (土) 08時14分