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2010年9月25日 (土)

アオバアリガタハネカクシ

Aobaarigatahanekakusi090912_1

 9月の中旬、ホシアサガオにアオバアリガタハネカクシがたくさん集まっていました。
 アオバアリガタハネカクシとは、甲虫の仲間で、
  アオバ → 上翅(鞘翅)が少し青みのある黒色。
  アリガタ → 蟻のような大きさの、とは言いますが、蟻よりはスリムです。
  ハネカクシ → 小さい上翅の中に大きな後翅をたたみ隠している。
 といった、なかなか美しい昆虫です。
 しかし、美しいものには毒があるケースも多く、アオバアリガタハネカクシの場合も、分泌された体液が首筋や太ももなどの皮膚の弱い所に付くと、線状皮膚炎を起こします。 この場合、体液がついてから皮膚炎が起こるまでに時間がかかるため、この虫を見た記憶はあっても、皮膚炎の原因がこの虫だとは気づかない場合もあるようです。

Aobaarigatahanekakusi090912_2

 上に書いたようにハネカクシの仲間の多くは、上翅(鞘翅)がたいへん小さく、腹部が露出していますので、カブトムシやテントウムシなどと同じ甲虫の仲間のようには見えず、ハサミムシなどの仲間のようにも見えます。 しかし大きな後翅が小さな上翅の下にうまく折りたたまれていて、この後翅を広げて立派に飛ぶことができます。 (だから家の明かりなどにも飛来して皮膚炎の原因にもなるのですが・・・。)
 アオバアリガタハネカクシは上に書いたように皮膚炎で注目され、よく知られていますが、ハネカクシの仲間はたいへん種類が多いにもかかわらず、あまり研究されておらず、日本国内だけでも数百種の未記載種がいる可能性もあると言われています。
 ハネカクシの仲間の多くは、他の小さな昆虫などを捕食する肉食性です。 しかしこれだけ種類が多いと、食性も多様で、植物遺骸を食べるものや菌類を食べるものもいるのですが、生きている高等植物の組織をかじることはほとんどありません。 ところがアオバアリガタハネカクシは例外で、雑食性が著しく、肉食をベースにしながらも、高等植物の体もかじるようです。 上のホシアサガオに来ていたアオバアリガタハネカクシは、花の中にも入っていましたが、何の目的で来ていたのでしょうね。

Aobaarigatahanekakusi090912_3

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コメント

 おはようございます。
 前に,アケボノソウの蜜をなめているアオバアリガタハネカクシを見たことがあります。ホシアサガオの中に入っていったこの虫も蜜をなめに行ったのかもしれません。

投稿: kuwachan | 2010年9月26日 (日) 08時33分

コメントありがとうございます。私もその様子から、狙いは蜜か花粉だと思います。
アケボノソウにアオバアリガタハネカクシ、色彩的にはいい写真になりそうな・・・。

投稿: そよかぜ | 2010年9月26日 (日) 10時26分

 色彩はいい感じなのですが,ピントが今一歩の画像はあります。もしよければ御覧ください。

http://blog.ykun.net/?eid=801089

投稿: kuwachan | 2010年9月26日 (日) 17時03分

ちっちゃなホシアサガオの中に居る
ちっちゃそうな、アオバアリガタハネカクシ
毒を持ってるって聞けば、見つければ要注意!!
知らない間に・・・怖い!

それでも、出合えば写真に撮りたいし・・・

投稿: わんちゃん | 2010年9月26日 (日) 21時38分

kuwachanさんの上翅は、ちゃんと青色が出ていますね。
私の写真はフラッシュの光を当てたため、黒い色になってしまいました。

わんちゃん、写真に撮っても毒はつきませんからね。
でも、ファインダーを覗きながら動くと、周囲が見えませんから、近くのヤマウルシなどに気付かないこともありますから、注意しなけりゃなりませんね。

投稿: そよかぜ | 2010年9月27日 (月) 06時58分

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