カワラケツメイ
カワラケツメイは原野に群生する1年草です。 ハブ茶の材料となるエビスグサやハブソウの仲間で、「ケツメイ」もエビスグサの生薬名が「決明子(ケツメイシ)」と呼ばれていることに由来します。 カワラケツメイの果実も煎じてマメ茶とされます。
名前からすると河原に生えていそうですが、特に水辺が好きということでもなさそうです。 1年草は一般的には安定した環境では多年草に負けます。 カワラケツメイは河川の氾濫などで他の植物がなくなった場所にいちはやく入り込んでくる植物のような気がします。
ところが河川は改修されて安定し、頻繁に撹乱される原野も少なくなり、カワラケツメイは少なくなってしまいました。 結果として、カワラケツメイを食草としているツマグロキチョウもたいへん少なくなりました。
カワラケツメイは夏ごろから黄色い花を咲かせ始め、今の季節には、下の写真のように、花とマメのような果実の両方を見ることができます。
上で「マメのような果実」と書きましたが、花を見ると、なんとなくマメ科の花に似てはいますが、マメ科の蝶形花ではありません(下の写真)。 このようなカワラケツメイなどの仲間は、広くマメ科に含める考え方もありますし、マメ科とは別のジャケツイバラ科の植物としてまとめる考え方もあります(ジャケツイバラの項参照)。
植物全体の様子がカワラケツメイによく似た植物にクサネムがあります。 しかしクサネムの花は蝶形花ですし、カワラケツメイの果実が上を向いているのに対し、クサネムの果実は垂れ下がります。
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