バイカモ
写真は滋賀県醒ヶ井のバイカモです。 ニュースなどで見て一度行ってみたいと思っていたのですが、実際に見て思っていた様子といちばん違ったのは、水中に咲く花が断然多いということでした。
水中に咲く花をきれいに撮ろうと思えば、カメラを水中に沈めなければなりません。 簡単にきれいな花を撮ろうと思えば、水面から顔を出している花を狙うことになります。 つまり、少し大げさに言えば、事実と違った形で紹介されることになります。
私も防水のコンデジを持っているのですが、報道された映像を信じ、普通のカメラしか持って行かず、結果として私も水面から顔を出している花を狙うことになってしまいました (^_^;
水中に咲く花と水面上に咲く花が混じるということは、受粉のしくみについて疑問を抱かせます。 水中に花が咲き、受粉するというのなら、花粉が水によって運ばれる「水媒花」でしょうし、水面上の花が受粉するというのなら、花のつくりからして昆虫によって花粉が運ばれる「虫媒花」であろうと思われます。 水媒花なら水媒花として、虫媒花なら虫媒花として進化してきたはずです。 バイカモが両方の受粉様式を兼ねているとは思えません。
本やネットで調べてみると、水媒花であると書かれてあるものが多いのですが、具体的に詳しく受粉の様子について書かれてあるものには出会うことができませんでした。 また、虫媒花と水中の閉鎖花に近い繁殖様式による種子生産を行っているのではないかと書かれてあるものもありましたが、これも確認が必要なようです。
水中に咲く花と水面上に咲く花の比率は、水量や季節などによって変化するのかもしれません。 しかし、醒ヶ井の場合は湧水ですので、そんなに水量の変化は無いでしょうし、ライトアップのために水中にライトを設置してありましたから、花期を通して水中に咲く花が多いのでしょう。
いずれにしても、バイカモの種子生産に関しては、今の私にとっては謎です。 近くにバイカモが生育していれば詳しく調べることもできるのですが・・・。
このバイカモの間にはトゲウオ科のハリヨが住んでいます。 といっても、下の写真は水槽内のハリヨですが・・・。
このハリヨ、年間の水量が一定した湧水地や、そこから流れ出る水のきれいな川にのみ見られる魚で、現在では滋賀県東部と岐阜県西濃地方でしか生息が確認されていない貴重な魚です。
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コメント
水の流れに身をまかせ・・・
白いちっちゃな可愛いお花。
悩める小さな白い花・・・
投稿: わんちゃん | 2010年8月26日 (木) 20時05分
「悩める」ではなく、「悩ませる」小さな花です。
水中でめしべにくっつくことができるような花粉なんでしょうか。
投稿: そよかぜ | 2010年8月26日 (木) 22時09分
>水のきれいな川にのみ見みられる魚ハリヨ
バイカモも水のきれいな川にのみ・・・
水のきれいな川って特別なんですね。
投稿: わんちゃん | 2010年8月31日 (火) 22時47分
「白河の清き流れに魚住まず、もとのにごりの田沼ぞ恋しき」というのは松平定信の政策を批判した狂歌ですが、清き水をも田沼をも、好む魚はおるようですね。
投稿: そよかぜ | 2010年8月31日 (火) 23時31分