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2010年8月25日 (水)

アサギマダラの雌雄

 伊吹山の山頂付近では、アサギマダラが優雅に飛び回っていました。
 アサギマダラが毒をもつチョウであることや長い旅をするチョウであることは、以前こちらで記事にしましたので、今回はオスとメスに関して書くことにします。

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 アサギマダラのオスとメスは性標の有無で区別することができます。 オスの後翅には黒斑状の性標があり、メスにはこの性標がありません。

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 上のヨツバヒヨドリに来ている2枚のアサギマダラの写真はオスです。 伊吹山の山頂付近でヨツバヒヨドリに来ているアサギマダラは、そのほとんどがオスでした。
 一方、7月31日の伊吹山山頂付近では、メタカラコウの花にも、よくアサギマダラが来ていましたが、メタカラコウに来ているアサギマダラは、ほとんどがメスでした。

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 下はメタカラコウの多い所で飛んでいるアサギマダラで、やはりメスです。 この場所にはヨツバヒヨドリは生えていませんでした。

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 以前、メタカラコウによく似たオタカラコウに来ているアサギマダラの写真を載せましたが、この場合も全てメスでした。

 なぜこのように雌雄で訪れる花が違うのか、その理由は次のように考えられます。
 オスがメスを誘うフェロモンを生成するためには、ヨツバヒヨドリやフジバカマなどのヒヨドリバナの仲間の蜜に含まれるPA(ピロリジディンアルカロイド)という物質が必要になるのです。
 一方、メスは花を選ぶ必要が無く、蜜を吸い易い花を訪れます。 ヨツバヒヨドリなどはアサギマダラにとっては頭花を形成する1つずつの花(小花)が小さすぎ、効率的に蜜が吸えないのでしょう。
 チョウにはそのサイズに応じて蜜を吸い易い花があるようです。 花の少ない所では選り好みはできないでしょうが、いろんな種類の花が咲いている場所では、やはり蜜を吸い易い花に行こうとします。 例えば7月31日の伊吹山山頂付近でも、たくさん咲いていたクガイソウの花に来ていたチョウは、ほとんどがオオウラギンスジヒョウモン、ウラギンヒョウモン、アカタテハなど、サイズのよく似たタテハチョウ科のチョウでした。
 ヨツバヒヨドリとメタカラコウはどちらも同じキク科ですが、頭花を形成する小花の大きさはかなり違い、大型のチョウであるアサギマダラにとっては、メタカラコウの花の方が蜜を吸うには適しているのでしょう。

 伊吹山の花や虫などを約3週間にわたって記事にしてきました。 まだ記事にしていないものもあるのですが、季節の変化も進んでおり、このあたりでいったんは打ち切りとしたいと思います。

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昆虫05 チョウ」カテゴリの記事

コメント

わあ、飛んでる姿の優雅なこと!
雌雄によって選ぶ花が違うのはそういう訳があるのですね。
後で昨年撮ったヨツバヒヨドリに止まったアサギマダラを確認してみま~す。

投稿: ひとえ | 2010年8月25日 (水) 07時24分

飛んでるアサギマダラがパキッと・・・
わぁ~~ステキですねぇ。

幼虫など育ててみて
虫たちってチョー偏食傾向だなぁって感心して、
ここにきて大人の蝶も結構、偏食家
そのワケが解ってナルホドです。

投稿: わんちゃん | 2010年8月25日 (水) 21時29分

飛んでいる姿、翅に少しブレがあると動きのある写真になるのですが、難しいですね・・・

たくさんの種類の花とたくさんの種類の虫たちのいろんな相互作用・・・。自然界の多様性をアサギマダラの雌雄という“窓”を通して見たことになるのかな。

投稿: そよかぜ | 2010年8月26日 (木) 07時19分

こんにちは♪
伊吹山の植物と昆虫、楽しませてもらいました
山の上にある天空花園ですね
花が咲くと昆虫も集まってくる
すごいな~
アサギマダラの吸蜜の花の選び方
そこにも確かな理由があるんですね
次回見かけたらそこのところ観察してみます

投稿: エフ | 2010年8月28日 (土) 12時52分

エフさん、花が選べる場所であることが条件ですからね。

投稿: そよかぜ | 2010年8月29日 (日) 08時39分

フジバカマ畑にアサギマダラが来てて、そこで撮った写真がオスばっかりで・・・
ますます、ナルホドです。

blogにリンクさせていただきました。

投稿: わんちゃん | 2014年10月 4日 (土) 13時33分

リンク元はこちらですね。
たくさんのフジバカマは何の目的で育てられているのでしょうね。観賞のためだけですか?
フジバカマ風呂は皮膚の痒みや神経痛にいいらしいですし、最近はフジバカマのエッセンシャルオイルも販売されているようですね。

投稿: そよかぜ | 2014年10月 5日 (日) 18時55分

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