ミヤマコアザミ
アザミの仲間は日本では100種以上あるとされており、種間の雑種も多く、研究者によって一致しない部分もあり、分類が難しいグループです。
伊吹山にも複数のアザミがあるようで、少し調べてみたのですが、なかなかきちんと書かれたものには出会えませんでした。
写真は伊吹山山頂付近で'10.7.31.に撮影したもので、ミヤマコアザミだと思います。 なお、伊吹山に多く見られるアザミについては、今の私の理解では次のようになります。
ミヤマコアザミ(Cirsium japonicum var. ibukiense)
ノアザミが石灰岩地に適応した変種で、高原のノアザミは花柄が長くなるのが一般的ですが、ミヤマコアザミでは逆に花柄は短く、トゲや白毛が多くなっています。 伊吹山では山頂部に分布しています。 ノアザミ同様、開花時期は早く、7月から咲きます。
コイブキアザミ(Cirsium confertissimum)
伊吹山特産で、山頂付近で多く見られます。 花期は8月中旬以降で、小さな頭花を密集させてつけます。 花柄はほとんどありません。
ヒメアザミ(Cirsium buergeri)
近畿地方以西から四国・九州の野原や山地に分布し、1~2mの高さになります。 茎や茎葉は細く、葉は羽状に浅裂~中裂し、基部は茎を抱きます。 花は8月から10月頃、頭花の下には苞葉があります。
イブキアザミ(Cirsium confertissimum var. herbicola)
コイブキアザミとヒメアザミの中間型と考えられています。 伊吹山では中腹に多く見られ、花は8月下旬~9月に咲きます。
なお、はじめに書いたようにアザミの種類はたいへん多く、保育社の『原色日本植物図鑑(改訂版)』にはミヤマコアザミの名もイブキアザミの名もありません。
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コメント
うちの近所で咲いてるアザミとどこが違うのかな?って・・・
見比べるのがクセになってしまいました。
同じようにトゲがあります。
葉っぱが違うのかな?
ぐらいです。
投稿: わんちゃん | 2010年8月16日 (月) 23時54分
今わんちゃんの近所で咲いているのは、たぶんノアザミでしょうから、ノアザミの変種のミヤマコアザミと似ていると思うのは正しい認識でしょう。
葉と頭花との間にある茎の長さはどうですか? また、ミヤマコアザミの方が、何となく水分が少ないような気がしませんか?
投稿: そよかぜ | 2010年8月17日 (火) 18時40分
2007.8に撮ったノアザミがありました。
ノアザミのお花の首からの茎のだいぶんと下に葉っぱがついてるように見えます
それが、違いでしょうか?
>また、ミヤマコアザミの方が、何となく水分が少ないような気がしませんか?
う~~ん そうであるような、そうでないような
投稿: わんちゃん | 2010年8月18日 (水) 21時50分
> ノアザミのお花の首からの茎のだいぶんと下に葉っぱがついてるように見えます。それが、違いでしょうか?
そうですね。
変種というのは同種の中でのタイプの違いといった意味です。
それぞれの株ごとに“個性”の違いがありますが、たくさんの株を平均すると、そのような違いがあります。
投稿: そよかぜ | 2010年8月19日 (木) 00時51分