ウバユリ
ウバユリは関東地方以西の山地に多く自生していて、花は7~8月に見られます。
葉は、ユリ科としては珍しく、幅の広いハート形の葉を輪生状につけるのですが、この葉は、花の時期には枯れかけてきます。
ウバユリの語源については、いろいろな説があり、なかなか楽しいものです。 いくつかの説を書いておくと、「ウバ」は「姥」であり、(人生の)花の盛りに葉(歯)を無くす、つまり昔「お歯黒」で姥のような見かけにした風習からの洒落で名をつけたとする説もあります。 また別の説では、「ウバ」は「乳母」であり、乳母のように植物を育ててきた大きい葉は(娘が)花盛りになる頃には衰えてくるところからだとする説もあります。
花のつくりを見ると、オシベの葯は花の奥から手前へと配置されています。 そして花の横にはスリット状の隙間があります。
上の写真で、虫たちは矢印のように、花の正面(①)から花に入って奥に進み、花の横にある②の隙間から出る間に花粉媒介を行うしくみになっています。
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コメント
土屋文明 の 短歌
『 うばゆりの しどろに落つる 花片に
ほのかなるみどり 誰か嘆かむ 』
松村英一 の 短歌
『 うば百合の 立ちひらきたる 花二つ
露によそほふ 清しかりけり 』
投稿: S.ひでき | 2010年7月30日 (金) 16時16分
特に美しい色でもなく、整った形でもないようにみえるウバユリの花の内包された美しさが滲み出た瞬間を捉えた歌と言っていいのでしょうか。
私もウバユリの持つ気付きにくい何かを引き出せないかと、少し通常とは違ったアングルで写してみたのが1枚目です。
投稿: そよかぜ | 2010年7月31日 (土) 00時07分
初めてウバユリに出会ったとき
ユリ?と思いました
葉っぱもユリらしからぬ・・・といったカンジ
その時
前からとか、横からとか結構いろんな角度から
撮ってるんです。
ウバユリの花のつくりと交互に眺めてナルホドです。
投稿: わんちゃん | 2010年8月 1日 (日) 16時40分
こんにちは。
ウバユリの構造が良くわかりました。
ちゃんと虫の出口があるんですね。
投稿: 多摩NTの住人 | 2010年8月 1日 (日) 16時55分
虫の入り口と出口を“意識した”花のつくりと共に、オシベの配列も他の多くのユリには見られない“工夫”です。
地味ですが、なかなかおもしろい花ですね。
投稿: そよかぜ | 2010年8月 2日 (月) 06時50分