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2010年7月24日 (土)

シオマネキ

 シオマネキは泥質干潟の泥が固まった区域に生息しています。 シオマネキの分布地は、静岡県以西の太平洋岸に点在していますが、海岸の干拓・埋立や環境汚染などで減少傾向にあり、環境省が発表している無脊椎動物レッドリストでは、2006年の改訂で絶滅危惧II類(VU)となってしまいました。 大きく美しく風変わりな目立つカニであることもあり、自然保護のシンボル的存在ともなっています。
 そのシオマネキが、少数ですが、まだ大阪府下で見ることができます。 場所は以前記事にしたハクセンシオマネキと同じ場所です。 その時にもシオマネキの存在は確認していたのですが、5月ではオスの鋏の色はくすんだ赤色で、あまり美しくはありませんでした。
 梅雨が明けた今頃は、オスの鋏は美しい赤い色をしています。 旅鳥のシギもいなくなり、のんびりと採餌に励んでいました。

Siomaneki100723_2

 シオマネキの甲幅(横の長さ)は 35mmにも達し、日本産のシオマネキの仲間では最大です。 下の写真は側にいたハクセンシオマネキにピントを合わせて撮りましたが、大きさを比較してください。

Siomaneki100723_1

 上の写真で、ハクセンシオマネキは右の鋏が、シオマネキは左の鋏が大きくなっていますが、どちらの種類もどちらの鋏が大きくなるかは決まっていません。 ただ、遺伝的要素もあるらしく、地域によって種ごとにどちらかが多くなっているようです。
 オスが行う「ウェービング(waving)」と呼ばれる求愛行動や、地表にいる時は眼柄を立てて周囲を広く見渡していることなどはハクセンシオマネキと共通ですが、眼柄はハクセンシオマネキに比較すると、中央寄りについています。 これは、穴に潜る時には眼柄は横に倒して眼窩に収めますので、シオマネキの方がハクセンシオマネキよりも眼窩も眼柄も長いということになります。

Siomaneki100723_4

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コメント

梅雨明けの海岸沿いの砂浜
想像するだけでもメッチャ暑い!!のに

キレイな赤い鋏、ゼッタイ撮りたくなりますよね、わっかりマス

>穴に潜る時には眼柄は横に倒して眼窩に収めます

お目目を倒してちゃんと収納してから穴に潜る、、、ようできてますね。
そんな時、鋏から先に?か、
赤いきれいな鋏は最後に?か
そよかぜさんはその様子、ご覧になりました?

投稿: わんちゃん | 2010年7月27日 (火) 17時22分

穴に入る時は、大きなハサミの反対側から入ります。
つまり、大きなハサミは穴の入り口に近い側にあることになり、穴に入ろうとする敵をブロックする形になります。

投稿: そよかぜ | 2010年7月28日 (水) 00時05分

と、思っていたら、私のハクセンシオマネキの写真、大きなハサミを下にして穴から出てきていますね (゚ー゚;

投稿: そよかぜ | 2010年7月28日 (水) 01時23分

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