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2010年6月 9日 (水)

ササユリ

 ササユリは本州中部から四国・九州に分布します。 古事記や万葉集にもみられる日本特産のユリで、淡いピンクの大きな花を咲かせます。 上品な美しい花ですが、近年はササユリが減少し、あちこちにササユリを増やそうと活動しているグループができています。

Sasayuri100606_1

 名前は葉がササの葉に似ているところからで、下の写真のようにササと混じって生えていると、花が無いと見過ごしてしまいがちです。

Sasayuri070617_1

 これだけ大きな花を咲かせるには十分な光合成が必要ですが、ササユリは日のよく当たる場所でみられる植物ではありません。 明るい林や、他の草たちと競合する山地の草原などで花を咲かせます。 このような環境は、芝刈りや薪炭林としての伐採など、少し前までは盛んに行われていた人の営みで作られる環境でもあります。 ササユリの減少は、採られてしまう以外にも、林が放置されてきたこととも関係があるのではないでしょうか。
 ササユリの育つような環境では、種子から発芽したササユリの上には他の植物の葉もあることでしょう。 当然光は十分ではありません。 種子から発芽したササユリは、数年間は花をつけることもなく、何年もかかってじっくりと光合成で得た養分を球根に貯め込み、花を咲かせることのできる“体力”をつけてから、やっと花を咲かせることができるのです。
 6月に咲いた花は種子をつくり、種子は秋に散布されますが、この種子は翌春に発芽するのではありません。 発芽時期を間違えないように“慎重に”発芽調整が行われているらしく、冬の寒さと夏の暑さを“体験”し、発芽するのは1年後の秋になります。 ただし、発芽と言っても、地上部には現れません。 種子に蓄えられた栄養分で根を伸ばし、小さな小さな球根を作った段階で冬を迎えます。
 葉が地上に現れるのは、種子が散布されてから1年半後の春です。 それからは毎年少しずつ球根を太らせていき、生育条件が良ければ、5年目に花をつけることができます。

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コメント

笹百合・・・可憐ですね~。
花が咲くにはそんなに長い営みがあるのですね。
幼い日の記憶にこの笹百合が咲いた情景があって・・あの時にもっと味わっておけばよかったと、タイムスリップしたい心境です。

投稿: ひとえ | 2010年6月10日 (木) 22時51分

その情景とはいちめんのササユリだったのでしょうか。昔はそんな場所があちこちにあったようですね。

投稿: そよかぜ | 2010年6月11日 (金) 07時08分

ササユリを懸命に護ってはるところを知りました
童仙房
自然に育つようにと・・・・・

投稿: わんちゃん | 2010年6月19日 (土) 10時00分

童仙房にもササユリがいっぱい咲けばいいのにね。

投稿: そよかぜ | 2010年6月19日 (土) 23時28分

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