マダラアシナガバエ
この写真、写っているのは体長5~6mmのマダラアシナガバエです。 虫の前から撮っているのか後ろからかもよく分からない写真(じつは後ろから撮っています)ですが、小さな虫の飛翔の瞬間によくピントが合っている・・・たぶんこの写真を見た多くの人はそう思われるのではないでしょうか。
この写真が撮れたいきさつを理解していただくには、カメラのストロボの話におつきあいいただかなくてはなりません。
私のデジカメをはじめ、多くのデジカメの内蔵ストロボは発光量を自動的に調整してくれています。 この調整のしくみは、シャッターボタンを押すと、シャッターが開く前に「モニター発光」(または「プリ発光」)を行い、その時の明るさを解析し、その情報に基づいて本発光時の光の量を決め、シャッターが開き、本発光を行う、ということを瞬時に行っています。 私たちの目にはよほど注意して見ないと2回発光していることは分からないのですが、モニター発光に続いて本発光と、連続して2回発光しています。
このマダラアシナガバエは、ハエというよりも肉食性のアブの一種です。 動きは俊敏で、他の虫を捕えて餌にしています。
このマダラアシナガバエを内臓ストロボを光らせて撮ろうとシャッターボタンを押し、液晶モニターで撮った写真を確認すると・・・マダラアシナガバエが写っていません。 最初は何が起こったのか、よく分からなかったのですが、どうやらマダラアシナガバエはモニター発光の光に反応して飛び上がってしまうようです。
それならばと、予め飛び上がることを予測し、マダラアシナガバエのいる上方にピントを固定してストロボを発光させて撮ったのが最初の写真、というわけです。 それにしても、瞬時にこれだけの高さにまで飛び上がっているとは思いませんでした。
上記のような理由から、静止しているマダラアシナガバエを撮ろうとすると、内臓ストロボは使えません。 小さな虫を撮る時はできるだけ絞り(F値)を絞り込んで体の隅々までピントが合うようにしたいのですが、ストロボが使えないとなると、F値を大きくするとシャッター速度が遅くなり、ブレブレの写真になってしまいます。
下はISOを1600まで上げて、F11で撮ったものです。 手持ち撮影のため、シャッター速度は1/125秒にしました。 きっちりピントの合っているのは眼だけですが、仕方ありません。 でも、体が美しい金緑色であることや、翅にはまだら模様があることなどは確認できます。
帰宅してカメラの使用説明書を確認すると、私のカメラはマニュアル発光が可能で、マニュアル発光ではモニター発光を行わないことが分かりました。(-_-;
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コメント
>ISOを1600まで上げて、F11で撮ったものです。
この部分は理解できます
>手持ち撮影のため、シャッター速度は1/125秒にしました。
この部分も半分、解ったようなそうでないような・・・・・
他はチンプンカンプンです。
こんなことでは良いのが撮れるワケないしぃ
って思ってしまいます。
5~6mmのマダラアシナガヤセバエ
葉っぱにちっちゃな黒点?としか見れない
けど、写真に撮ったらこんなにキレイって
解るんですね
チンプンカンプンを乗り越えなくっちゃね。
投稿: わんちゃん | 2010年6月 3日 (木) 21時05分
普通ストロボは2度光る
その0.0何秒の光でパッと反応できる虫がいる
書いている主な内容は上の2つです。
投稿: そよかぜ | 2010年6月 4日 (金) 06時44分
>普通ストロボは2度光る
ハイ!やってみました。
>その0.0何秒の光でパッと反応できる虫がいる
ハイ!スゴイ虫がいるんだなぁって・・・・
投稿: わんちゃん | 2010年6月 5日 (土) 20時30分
マダラアシナガバエは小さい上に、なかなかすばしこくて難物ですね!
内臓ストロボは使いにくい場面も多々あったりしますので、クリップ式のLEDライトでもくっつけてみようかと思案中です・・・
投稿: デルレイッチ | 2011年6月16日 (木) 22時48分
デルレイッチさん、クリップ式のLEDライト使用の成果、また教えてください。
明暗が斑になりませんか?
投稿: そよかぜ | 2011年6月17日 (金) 00時24分