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2010年6月13日 (日)

タマシギ

Tamasigi100612_1    タマシギのメス
※ 写真は全てクリックで拡大します

 タマシギは淡水の水辺に住むタマシギ科の鳥です。 名前は、オスにもメスにも目の周囲に白い勾玉(まがたま)のような模様(アイリング)があるところからでしょう。 日本では、本州中部以南に分布する留鳥なのですが、一部は冬季に南方へ渡ります。
 主に夜に活動し、日本での繁殖期は4~10月なのですが、大阪府東大阪市の水田には毎年田植え時に営巣を始め、田に水のある時期に伸びる稲に隠れて子育てを行うタマシギが見られます。 地域の人たちに見守られ、タマシギも人に慣れ、人に見られていても平気で抱卵を続けたり採餌を続けたりしています。
 特に今年はどういうわけか、タマシギの営巣開始が早く、田植え前から水を張った田に営巣するものもいて、よく目立ち、タマシギの行動が観察し易い年です。
 営巣場所は昨年とほぼ同じ所が多く、田が連続している場所でも、特定の田に複数の巣が見られたりします。 その場所で育ったタマシギが戻ってきているのでしょうか。

 タマシギは鳥類としては珍しい一妻多夫です。 繁殖期になるとメスの嘴が赤っぽくなり、オスに対して求愛ディスプレイを行います。 番いになり交尾を行った後、メスはオスが作った巣に、1日に1個程度の卵を産みに通いますが、普通4個の卵を産み終わると、メスは巣を離れてしまい、別のオスに対してディスプレイを行います。 後に残されたオスは、1羽で抱卵と子育てを行います。 抱卵や子育てを行うオスは目立たないように、メスよりもずっと地味な色をしています。

Tamasigi100612_2    抱卵中のオス

Tamasigi100612_3    子育てもオスの仕事
   3羽のヒナを連れていましたが、1羽しか写っていません

 これはタマシギの生息地である水辺という環境は、増水などで巣が壊される危険性が高いため、メスが生んだ卵をあちこちで分散して育てることで、種の保存を図るという戦略だと考えられています。 今年は東大阪の田でも、田植えの作業のために巣を壊されたオスの所にはすぐにメスが戻ってきたことが観察されています。

Tamasigi100612_4    採餌中のメス
   体力をつけて卵を産み続けなければなりません

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コメント

クリックすると、実際に見ているような鮮やかな画像ですね~。
田んぼの中で営巣ってなんだかのどかですね。
案外田んぼを根城にする鳥って多いのでしょうか。

投稿: ひとえ | 2010年6月13日 (日) 22時21分

田という環境は、水が張られたり無くなったりなど、変化が激しく、そのサイクルに順応できる生物しか住むことができません。
多くの生物は、冬の何も植えられていない田、水の張られた田、イネの茂った田など、それぞれの時期を利用することになります。

投稿: そよかぜ | 2010年6月14日 (月) 07時21分

鳥の世界もいろいろなんだなぁ・・・って。

田植え前に巣を作って田植えのときは
どうなるのかなぁ?って思いながら読んでいったら、ちゃんとメスが・・・ね。

別に離婚というモンじゃないんだけれど
オスのその様子がクレイマークレイマーを
思い出しました。

投稿: わんちゃん | 2010年6月17日 (木) 00時52分

人の社会では、現在は一妻多夫制を法的に採用している国は無いようですが、チベットなどでは、妻が複数の兄弟を夫とする慣習があるようですよ。

投稿: そよかぜ | 2010年6月17日 (木) 07時17分

え~~っ
です。

投稿: わんちゃん | 2010年6月17日 (木) 23時12分

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