カキツバタ
梅雨に入り、カキツバタの落ち着いた花が似合う季節になりました。
カキツバタも江戸時代の前半には既に多くの品種が作られていて、野生のカキツバタを身近に見ることは稀です。 しかし、湿地に群生することや花のつくりなど基本的なところは、本来の性質を受け継いでいます。
カキツバタの花の上にいたアズチグモ
花は5月から6月に咲きます。 外花被片(ガク片)がいちばん大きく垂れ下がり、中央付け根付近から白い線状の模様が伸びています。 また、内花被片(花弁)は細く直立し、3裂した柱頭は外花被片の上に位置しています。
アヤメ、カキツバタ、ハナショウブは一見よく似ています。 特にハナショウブは品種改良が進み、様々な花の形や色があり、中にはカキツバタにそっくりな品種もありますが、基本的にはカキツバタの外花被片の模様の色が白であるのに対し、ハナショウブの外花被片の模様の色は黄色です(下の写真)。 なお、葉の様子も違うのですが、今回は触れません。 また、アヤメは湿地を好むことは無く、外花被片の模様は網目状です。
| 固定リンク
« ケリの繁殖 | トップページ | 婚姻色のアマサギ »
コメント
アズチグモの画像、久しぶりに見ました。実際には…去年からお目にかかっていない…。
さきごろ、アリグモを自宅庭で見つけて、ちょっと興奮。
投稿: 七里 | 2010年6月16日 (水) 03時57分
アズチグモ、いつ見てもいい顔してますね。
七里さんの庭のアリグモはオスですね。
メスはもっとアリにそっくりですよ。
私も最近脱皮したばかりのアリグモを見ました。まだ色が完全に黒くなっていなくて、クモらしさが残っていました。これも機会があればブログに載せるつもりです。
投稿: そよかぜ | 2010年6月16日 (水) 07時00分
カキツバタ
昔 古文の授業で習った在原業平(古今集・伊勢物語)の 折り句
『 唐衣 きつつなれにし 妻しあれば
はるばるきぬる 旅をしぞ思ふ 』
が思い出しますが…。
太田水穂の短歌に
『 かきつばた 水のみぎはに 紫の
ひと花さくを あはれがりゆく 』
もありました。
投稿: S.ひでき | 2010年6月16日 (水) 07時40分
やんま工房にUPしたアリグモは最初に発見したものです。翌々日だったか、メスを見つけました。画像がひどいのでこれはUPしていません。そのごオスもメスも見つけられません。そよかぜさんのアリグモを心待ちにしています。
投稿: 七里 | 2010年6月16日 (水) 07時42分
カキツバタの凛とした姿がダイスキです。
杜若(とじゃく)高校の校章はこのお花です
「凛と咲くかきつばたのように気高くあれ」
との願いが込められているそうです。
ちなみに花言葉は
「幸運は必ず来る」
投稿: わんちゃん | 2010年6月16日 (水) 22時57分
S.ひできさん、在原業平の、五・七・五・七・七の頭文字に「かきつはた」を折り込んだ歌、何度見ても見事ですね。
カキツバタの花姿は端正ですから、太田水穂の短歌のように、「ひと花さく」もなかなかいいものですね。
七里さん、アリグモは小さいですから探しても見つかるものではないですが、そんなに遠くへは行かないような気がしています。
わんちゃん、最近はカキツバタもいろんな品種が見られてハナショウブに似たカキツバタもありますが、やはりカキツバタは凛とした姿であってほしいですね。
投稿: そよかぜ | 2010年6月17日 (木) 07時01分