« マダラアシナガバエ | トップページ | ヒメクロオトシブミの揺籃作り(Chap. 1) »

2010年6月 4日 (金)

ヤマボウシ

Yamabousi100529_1

 ヤマボウシの“花”の美しい季節です。 最近は北アメリカ原産のハナミズキ(=アメリカヤマボウシ)が公園や庭などによく植えられていますが、ヤマボウシは本州から九州に自生する落葉高木です。
 最初に“花”と“”で囲んだのは、もちろん白く目立つのは実際の花ではなく、総苞だからです。 ハナミズキの総苞は先が窪んでいますが、ヤマボウシの総苞は先が尖っています。
 実際の花は小さくて、4枚の総苞に囲まれて集団で咲きます(下の写真)。 1つの花の花弁は4枚、雄しべは4本で、ガクは筒状になっています。

Yamabousi090606_1

 下は花が終わり、花弁もオシベもなくなり、メシベとガクのみが残っています。 白い総苞にも赤褐色の斑点が目立ってきています。

Yamabousi100605_1

 花が終わり子房が膨れてくると、筒状のガクは癒合し、サッカーボールのような集合果になります。 下は9月7日に金剛山で撮ったものです。
 ハナミズキの果実はくっつかず、それぞれが独立していますので、かなり違った印象になります。

Yamabousi080907_1

 果実と果実の境目は亀甲模様になり、その中心には柱頭の跡が残っています。 写真の集合果はまだ少し熟しきっていませんが、もう少し赤くなると、スカスカしてはいますが、甘くておいしく食べられます。

Yamabousi080907_2

|

« マダラアシナガバエ | トップページ | ヒメクロオトシブミの揺籃作り(Chap. 1) »

木2 落葉樹」カテゴリの記事

コメント

  
 ヤマボウシの短歌なんてないだろうと、思ったのですが
 鹿児島寿蔵の短歌に
   『 夏ごとに 木の暮れまぎれ 見過ぐしし
       花やまぼうし 白白しろし 』
が、ありました。

別命; ヤマグワ とも言うらしいですね。 

投稿: S.ひでき | 2010年6月 4日 (金) 19時09分

ちょうど今頃の時期に金剛山で出合ってます

ウ~~ン
知らなかったぁ・・・
真っ白なヒラッとしてるのが花弁とばっかり

そんなカラクリがあるンですね。

そしてこんな実が生るなんて・・・

投稿: わんちゃん | 2010年6月 4日 (金) 23時19分

ヤマボウシは大好きな花なのに、こんな花の集合体だなんて初めて知りました。
そよ風さんならではの画像ですね~。
ヤマボウシの実、ちょっとグミにも似た甘酸っぱい味でした。

投稿: ひとえ | 2010年6月 4日 (金) 23時49分

S.ひできさん、鹿児島寿蔵を調べると、「子規の短歌論を信奉したアララギ派のひとり」とありました。アララギ派の写実的、生活密着的歌風がよく出ていると思います。
これも時間がある時に「そよかぜ日記」に回します。

わんちゃん、ひとえさん、この記事を書いていて、2枚目と3枚目の間の写真があれば良かったのに・・・と思いました。まだ間に合うので、ヤマボウシに出会ったら撮っておくつもりです。

投稿: そよかぜ | 2010年6月 5日 (土) 07時30分

2枚目と3枚目の写真の間に、1枚写真を追加しました。

投稿: そよかぜ | 2010年6月 5日 (土) 22時24分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ヤマボウシ:

« マダラアシナガバエ | トップページ | ヒメクロオトシブミの揺籃作り(Chap. 1) »