イシモチソウ
モウセンゴケと同じ属に分類されている食虫植物イシモチソウが花の時期を迎えています。 モウセンゴケの葉は根生葉ですが、イシモチソウの腺毛は茎生葉に付きます。
花は5月から6月にかけて咲き、白い花弁は5枚、オシベは5本、メシベの柱頭は細かく分かれています。 下の写真、花弁の間から見えるガクも縁が細く切れ込んでいます。
上の花は9時54分に撮ったものですが、どの花も新鮮、つまり咲いたばかりです。 イシモチソウの花は、午前10時頃に開花し、午後には閉じてしまう花なのです。
イシモチソウの名前は、葉に生える腺毛の粘液にくっついた小石を、茎が伸びるにつれて持ち上げることができるところからの名前です。 この腺毛に昆虫などがくっつくと、周囲の腺毛もその方向に曲がってきて(傾性運動)、獲物を包み込み、粘液に含まれる消化酵素によって捕えた昆虫などを溶かし、養分とします。
上の写真で、捕えられたハエは盛んに暴れていましたが、逃げ出すことは無理なようでした。 また下の写真では、捕えられたガガンボは既に死んでいましたが、複数の葉でこのような大きな虫も捕えることができるようです。
写真のイシモチソウの傍では、トウカイモウセンゴケがもう花をつけていました。 トウカイモウセンゴケは夏の間中花を咲かせ続け、冬でも葉が丸まったような姿で地上で確認できますが、イシモチソウは夏になると、塊根による休眠に入り、地上からは姿を消してしまいます。
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コメント
ま、生きているのですが、
スッゴイとしか・・・・・
写真に写ってる葉っぱの腺毛がとてもリアル
その辺りはイシモチソウありぃの
トウカイモウセンゴケありぃの
虫たちには近づかないように
教えてあげたいわ~~
投稿: わんちゃん | 2010年5月24日 (月) 06時44分
イシモチソウの短歌は見つかりませんでしたが…モウセンゴケなら
生方たつゑ の短歌に
『 もうせん苔の 秘(ひそか)に虫を殺しをり
ひかりおほかた 草に沈みて 』
がありました。
投稿: S.ひでき | 2010年5月24日 (月) 19時28分
>午後には閉じてしまう花
知りませんでした~。午前中に会えてよかったですね(笑)。
ハエを捕まえているイシモチソウのなんてリアルでおどろおどろしいこと、ちょっとしたSFにでもなりそうですね。
投稿: ひとえ | 2010年5月24日 (月) 22時08分
わんちゃん、ひとえさん、そんなにリアルさに感動(?)してもらえるのなら、ハエのもがいているところを動画に撮るべきでしたね。
S.ひできさん、この短歌の「ひかり」とは何でしょうか。虫の命の意味も含まれているのでしょうか。
投稿: そよかぜ | 2010年5月25日 (火) 07時24分
>ハエのもがいているところを動画に撮るべきでしたね。
キャーとか言いながら、案外しっかり見てたりして・・・
怖いモン見たさって、あるかも?
投稿: わんちゃん | 2010年5月26日 (水) 16時10分
ハエたたきでハエを平気で殺す人が・・・
投稿: そよかぜ | 2010年5月27日 (木) 07時11分
おはようございます♪
食虫植物近くでじっくり見てみたい
思いがけず可愛い花が咲くのも面白いですね
ハエがからめとられてるのが葉ですか?
繊毛の動きは速い?
ヒメカマキリを見つけたのでリンクをお願いします
(サツマヒメカマキリかも)
投稿: エフ | 2010年5月31日 (月) 08時33分
食虫植物、おもしろいですね。
イシモチソウなどの腺毛の動きは、ハエトリグサの葉が閉じるような素早い動きではありません。最初は虫がもがけば周囲の腺毛にも触れてしまってよけいにくっつく、ということから始まるようです。
リンクの件、了解です。
投稿: そよかぜ | 2010年6月 1日 (火) 06時48分