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2010年4月22日 (木)

イカリソウ

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 イカリソウは東北地方南部以南の山の木陰に生える多年草です。 もっとも、私たちが目にするのは、園芸用や薬用に栽培されているイカリソウである場合が多いのですが・・・。
 イカリソウは生薬としては淫羊霍(いんようかく)という名で、全草を精力剤として用います。

 1本の茎に多くは1枚の葉がつくのですが、この葉は複葉で、中軸は2回3方向に分かれ、その先に小葉がつきます(2回3出複葉)。 複葉の中軸も小葉の向きも立体的に配置されるので、複葉のようには見えないのですが、これが1枚の葉である証拠には、この途中から芽が出ることは決してありません。

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 イカリソウの名前は、もちろん花の形が錨(いかり)に似ているからです。
 ガク片は4枚ずつ2重にあるのですが、外側の4枚は少し小さく、早落性です。 下の写真の左のツボミで、少し黄緑色をしているのが、その4枚のガクです。

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 内側の4枚のガクは大きくなり、花弁と似た色になります。 そしてそのガクの内側に、ガクと重なるように4枚の花弁があるのですが、花弁の先は長い距(きょ)になっていて、ここに蜜を蓄えています。 上の写真では、この蓄えられている蜜が、透けて見えています。

※ この複雑なつくりの花の花粉媒介については、コメント欄を見てください。

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コメント

①内側の4枚のガク
②ガクの内側に、ガクと重なるように4枚の花弁
③花弁の先は長い距(きょ)になっていて、ここに蜜を蓄えています。
④この蓄えられている蜜が、透けて見えています。
これらはどれ?って?
順番に照らし合わしたらナルホドOkです。

その蓄えられた蜜は虫はどんなふうに?

投稿: わんちゃん | 2010年4月22日 (木) 22時18分

> その蓄えられた蜜は虫はどんなふうに?

イカリソウは日本に自生している植物ですから、受粉して種子を作ってきたはずです。
しかし、イカリソウのように花のつくりが複雑で、かつ花の奥にある蜜を吸う事ができる昆虫は、非常に限られています。
それはマルハナバチの仲間です。
マルハナバチの舌は長く、舌を伸ばしながら距の蜜を吸おうと頭を花に突っ込み、花粉媒介を行います。
こちらのトラマルハナバチの1枚目の写真には、その長い舌の一部が写っています。

投稿: そよかぜ | 2010年4月23日 (金) 06時59分

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