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2010年4月30日 (金)

ツバメの巣立ち

 ツバメの巣立ちに出会いました。 巣の近くの電線のあちこちにとまっていて、少し飛んでは電線に戻ります。 そしてその飛ぶ距離が次第に伸びていきます。

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 1時間後に戻ってみると、みんないなくなっていました。 でも待っていると、時々巣の近くの電線に戻ってきます。

 下の写真、とまっている幼鳥に親鳥が餌を与えるのではなく、とまっている親鳥に幼鳥が飛びながら餌をねだっています。 もう飛んで自分で餌を取らなけりゃならないのに、親の姿を見ると餌をねだりたくなるのでしょうか。

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 でも、親は無視。 自分で餌を取ることを促しているのでしょうね。 幼鳥はしかたなく親鳥の側にとまります。 でもなんだか不満そうな顔つきに見えます。

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※ よく見るツバメの仲間、ツバメ、コシアカツバメ、イワツバメの違いはこちらに載せています。

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2010年4月29日 (木)

春のネズ

 ネズは東北以南の日当たりの良いやせ気味の丘陵地などに自生しているヒノキ科の針葉樹です。
 別名ネズミサシとも言い、尖った3輪生の硬い針葉がネズミ除けになるところから「鼠刺し」で、「ネズ」の名前もそれが縮まったものでしょう。 盆栽にもされ、この場合はトショウ(杜松)という名で呼ばれています。

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 そのネズが、大阪府南部の丘陵地でも花の時期を迎えています。 と言っても風媒花ですので、そんなに目立ちませんが・・・
 下は雄花です。 左は花粉を出し終えており、右はまだ花粉を出していません。

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 そして下が雌球果です。

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 雌球果の鱗片は3で、中には3つの胚珠があります。 下は1つの鱗片を取り除いて胚珠を見たところです。

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 下は昨年に受粉した球果です。 秋になると黒紫色の肉質の球果となり、針葉樹には珍しく、果実食の鳥に食べられることとなります。

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2010年4月28日 (水)

クリハラン

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 クリハランは関東以西の、森林内の湿った場所で、根茎が長く這い、まとまった群落を作るやや大型のシダで、よく目立ちます。
 名前はクリの葉に似ていて、姿が美しいので「ラン」なのでしょう。 葉は薄いのですが硬い紙質です。 胞子のう群はほぼ円形です。
 藤原岳あたりまで行かなくては撮れないような珍しいシダではありませんが、撮りやすい場所に美しく並んでいました。 近くでは杉林の林床にも群落をつくっていました。

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2010年4月27日 (火)

ハルトラノオ

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 ハルトラノオが藤原岳でも咲いていました。 金剛山頂でも見ることのできる花ですが、斜面に咲いていたので、横から撮ることができました。
 ハルトラノオは山地の樹林下に生える多年草で、花茎の高さは20㎝前後になります。 葉は全縁で、根生葉には長い柄があります。
 タデの仲間には花弁が無くガクが宿存して果実を包むものが多いのですが、ハルトラノオの花でも、目立つ白いものは花弁ではなくガクで、5深裂します。 8本のオシベの赤い葯が目立ちます。

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2010年4月26日 (月)

ヒロハノアマナ

 ヒロハノアマナは日当たりのいい草原に生える多年草です。 藤原岳でも、石灰岩のために深い土壌が無く、深く根を張る木が育たない場所では、たくさん見ることができました。
 下は2株がくっついて咲いています。

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 根出葉は2枚です。 写真を見ても「どこが広葉だ!?」と言いたくなりますが、「広葉」はアマナに比較してのこと。 アマナの葉の先が尖るのに対し、ヒロハノアマナの葉の先は鈍頭で、中央に沿って白線があります。
 花は多くは1本の花茎の先に1つで、2~3枚の線状披針形の苞葉を伴います。

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2010年4月25日 (日)

コバイモ

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 バイモは中国原産ですが、コバイモは日本に自生しています。 ただし分布は限られていて、近縁のコシノコバイモは少し目にする機会が多いものの、コバイモの自生地は近畿地方では比良山や藤原岳などの限られた場所のみです。 また、自生地によって少しずつ形質が異なり、区別する場合は、アワコバイモ(阿波小貝母)、ミノコバイモ(美濃小貝母)、イズモコバイモ(出雲小貝母)、カイコバイモ(甲斐小貝母)、トサコバイモ(土佐小貝母)などと称しています。

 このかわいいスプリングエフェメラル、コバイモ(区別すればミノコバイモ)に会いに藤原岳に登ってきました。

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 コバイモの葉は2段で、下の葉は対生、上の葉は細く、3輪生です。 いずれの葉もバイモのように巻きひげとはなりません。
 花は茎の先に1個のみで斜め下向きに咲きます。

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2010年4月24日 (土)

バイモ

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 バイモは中国原産の多年草で、江戸時代・享保年間に薬用植物として日本に入ってきています。 効能は咳止め・解熱・去痰などで、球茎を使います。 ですから注目されたのは地下の鱗茎の方で、バイモは漢字で貝母と書きますが、これは鱗茎が2個の鱗片からなり、その様子が二枚貝に似ているところからということです。
 観賞用に栽培される場合もあり、この場合はアミガサユリという名前もよく使われ、この名前は花の姿からきています。
 葉は細長く、その先端は巻きひげ状になり、他のものに巻きついて体を支えるのに役立てます。

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 バイモも花後に地上部が枯れてなくなり、スプリング・エフェメラルと言ってもいいような植物です。

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2010年4月23日 (金)

ツツジトゲムネサルゾウムシ

 モチツツジの花が咲き出しています。 ツボミもたくさんありますので、これからどんどん咲いていくことでしょう。
 そのモチツツジにツツジトゲムネサルゾウムシがいました(下の水色の円の中央)。

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 ツツジトゲムネサルゾウムシの大きさは2~3mm、前胸背板基縁中央が鋭いトゲになって上翅方向に伸びていることや、そのトゲのすぐ下付近の上翅の合わせ目が黄色くなっていることなどが特徴です。

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 モチツツジにはたくさんの腺毛があり、そこから分泌される物質のせいで「モチ」の名のとおりネバネバしていて、最初の写真でもたくさんの虫が犠牲になっています。 でも、ツツジトゲムネサルゾウムシはそんなネバネバ環境の中でも、腺毛をかき分けるようにしてちゃんと歩くことができ、モチツツジのツボミに穴を開け、産卵します。

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 モチツツジにすれば、ツツジトゲムネサルゾウムシの幼虫にツボミを食い荒らされれば、花を咲かせて種子を作ることができません。
 モチツツジの最もネバネバしている場所はツボミの外側です。 たぶんモチツツジはこのツツジトゲムネサルゾウムシの被害を防ぐためにネバネバ物質を分泌するようになったのでしょう。 そしてツツジトゲムネサルゾウムシはモチツツジのツボミに産卵できるように、ネバネバ環境の中でも移動できるように体のつくりを進化させ、モチツツジはそんなツツジトゲムネサルゾウムシから防衛のためによりネバネバした物質を作ろうとし、ツツジトゲムネサルゾウムシはそんなネバネバの中でも動けるように体のつくりを変え、・・・
 この話、どこまで行っても終りません。 つまりモチツツジがモチツツジになったのはツツジトゲムネサルゾウムシという“敵”がいたからで、ツツジトゲムネサルゾウムシがツツジトゲムネサルゾウムシになったのはモチツツジを子孫を増やす場所にしてしまったからではないでしょうか。

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 生物が互いに影響しあって互いが特殊化していく現象を「共進化」と呼んでいます。 共進化はいろんな生物で見られます。
 植物と昆虫が互いに利用しあう共進化としては、このブログでもカラスウリの所でも書いていますし、イヌビワとイヌビワコバチとの関係についてはこちらから始まる3つの記事にまとめています。
 モチツツジとツツジトゲムネサルゾウムシとの関係は攻防です。 でもこんな関係も共進化としてとらえられるのでしょう。

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2010年4月22日 (木)

イカリソウ

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 イカリソウは東北地方南部以南の山の木陰に生える多年草です。 もっとも、私たちが目にするのは、園芸用や薬用に栽培されているイカリソウである場合が多いのですが・・・。
 イカリソウは生薬としては淫羊霍(いんようかく)という名で、全草を精力剤として用います。

 1本の茎に多くは1枚の葉がつくのですが、この葉は複葉で、中軸は2回3方向に分かれ、その先に小葉がつきます(2回3出複葉)。 複葉の中軸も小葉の向きも立体的に配置されるので、複葉のようには見えないのですが、これが1枚の葉である証拠には、この途中から芽が出ることは決してありません。

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 イカリソウの名前は、もちろん花の形が錨(いかり)に似ているからです。
 ガク片は4枚ずつ2重にあるのですが、外側の4枚は少し小さく、早落性です。 下の写真の左のツボミで、少し黄緑色をしているのが、その4枚のガクです。

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 内側の4枚のガクは大きくなり、花弁と似た色になります。 そしてそのガクの内側に、ガクと重なるように4枚の花弁があるのですが、花弁の先は長い距(きょ)になっていて、ここに蜜を蓄えています。 上の写真では、この蓄えられている蜜が、透けて見えています。

※ この複雑なつくりの花の花粉媒介については、コメント欄を見てください。

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2010年4月21日 (水)

コクサギの花

 コクサギは谷沿いなどに見られる落葉高木です。
 「コクサギ」の名前は「小さな臭い木」で、葉に触れたり、花の時期には側を通るだけでも特有のにおいを感じます。 この揮発成分には虫除けの効果があるらしく、昔は生ゴミの上に葉を置いてハエの発生を減らすなど、ライフプランツ(生活密着型植物)として使われていたようです。
 コクサギの葉には光沢があって目立ちますが、葉の付き方にも特徴があって、よく伸びた枝では、右、右、左、左、右、右、・・・と、2枚づつの互生になっていて、コクサギ型葉序と呼ばれています(下の写真)。

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 なお、クサギとは、どちらも強いにおいがするものの、においの質はかなり違っていますし、クサギがクマツヅラ科であるのに対し、コクサギはミカン科で、花のつくりもかなり違っています。

 そのコクサギが花の時期を迎えていました。
 コクサギは雌雄異株です。 雌花は1つずつ枝につき、1本のメシベと退化した4本のオシベがあります。子房は4つにくびれていて、果実になるときには分離します(分果)。

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 雄花は軸に複数の花がつき(総状花序)、1つの花には4本のオシベが見られます。

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2010年4月19日 (月)

ヤマウグイスカグラ

 ヤマウグイスカグラは北海道~四国の山野に生える落葉低木です。 スイカズラの仲間(Lonicera属)なのですが、両者の花の印象はかなり違います。 ヤマウグイスカグラには長い花柄がありますし、スイカズラの花が左右対称であるのに対し、ヤマウグイスカグラの花は一見放射相称のようにも見えます。 しかしヤマウグイスカグラの花も、下に書くように、左右対称的要素を持った花です。 また、スイカズラの仲間の多くは、花が2つセットで咲き、その下部が合生するケースが多いのですが、ヤマウグイスカグラの場合は、それぞれの葉腋につく花はふつうは1つです。

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 花をもう少し詳しく見ていくことにします。 花の付け根には披針形の苞があります。 子房下位で、ガクは短く、長さ0.3mm程度で、ほとんど分裂しません。 花冠は基部で片側に膨れていて、子房から急に折れ曲がっているようにみえます。

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 これまで、ヤマウグイスカグラという名前で書いてきましたが、枝や葉、花などの毛に関しては変異の多い木です。 全体無毛のものをウグイスカグラ、枝・葉・花に毛があるものをヤマウグイスカグラ、腺毛のあるものをミヤマウグイスカグラと呼んでいますが、これらは変種の関係にあります。

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2010年4月18日 (日)

ケスハマソウ

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 スハマソウはやや湿った林床に咲く常緑の多年草です。 葉の先端が尖っているものをミスミソウ、葉の先端が丸いものをスハマソウ、そのうち特に葉の両面に毛のあるものをケスハマソウと呼んでいますが、この3者、亜種なのか変種なのか品種なのか、いろいろ意見のあるところのようです。
 3者を区別すれば、写真のものは、下の写真のように葉の両面に毛があり、ケスハマソウになります。

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 花の色は、白やピンクや紫がかったものもあります。

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 花のつくりについては、ミスミソウの記事を見てください。

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 スハマソウの名前は葉の形が州浜形であるところから来ています。 州浜とは海に突き出た洲のある浜辺のことで、州浜を上から見おろしたような出入りのある、円を三角形に三つ組み合わせたような形を州浜形と呼んでいます。 江戸時代には「みつわがた(三つ輪形)」とも呼ばれ、平安時代の貴族の間では、慶事や催しで、この州浜形の台に岩木・花鳥・瑞祥のものなどを載せて飾っていたようです。 この州浜形は家紋にも用いられています。

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2010年4月17日 (土)

マツバトウダイ

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 マツバトウダイは地中海沿岸が原産の帰化植物です。 ただし写真のものは少し園芸的に改良が加えられているかもしれません。 葉が松葉のように細いところからの名前でしょう。

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 腺体は、ちょうどトウダイグサナツトウダイの中間のような、少し三日月形をしています。

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2010年4月16日 (金)

ナツトウダイ

 

 トウダイグサが日当たりの良い場所に咲く2年草であるのに対し、ナツトウダイは林の中に咲く多年草です。

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 ナツトウダイは早春の山に咲き、夏に咲くのではありません。 早く咲くところから「初(ハツ)トウダイ」が訛って「ナツトウダイ」になったと言われています。

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 トウダイグサ属( Euphorbia属 )の植物はよく似た形態をしているものが多いのですが、腺体の形と子房の表面の毛や突起の有無が見分ける良いポイントになります。
 ナツトウダイの特徴は、何と言っても三日月形の腺体です。 形だけでなく、この腺体は次第に色が薄くはなりますが、花の若いうちは赤い色をしていて、よく目立ちます。 なお、ナツトウダイの子房には、毛も突起も無く、平滑です。

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 花のつくりについては、基本的にトウダイグサの所で書いた内容と同じですが、トウダイグサに比較すると、ナツトウダイの方が1つの杯状花序を構成している花の数が少なく、それぞれの花も少し大きいので、少しは花のつくりも分かりやすいようです。

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 上の写真では雄花(1本のオシベのように見えます)の途中で色が変わっています。 黄色い部分が花で、緑の部分が花柄ということになります。

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2010年4月15日 (木)

トウダイグサ

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 写真は畑の畦に広がるトウダイグサです。

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 トウダイグサは本州以南の暖地に分布し、トウダイグサ科トウダイグサ属( Euphorbia属 )に分類されている2年草です。
 トウダイグサの姿を横から見ると、茎が真っ直ぐ上に伸び、あるところで急に左右に広がっています。 トウダイグサの名前は、時代劇などで皿に入れた油で灯りをともしているのをよく見ますが、この灯明を置く灯台に見立てたものです。

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 トウダイグサの花のつくりについては、いろいろ議論されましたが、現在はほぼ次のような考え方に落ち着いています。
 下の写真ではメシベが受粉して膨らみ、倒れてしまっていますが、その根元は腺体に囲まれた所から出ています。 ですから、蜜を出す腺体に囲まれてメシベやオシベがあり、これが1つの花のように見えます。 しかし、じつはオシベ1本が1つの花(雄花)、メシベ1本が1つの花(雌花)で、蜜腺を有するカップ状の総苞がその内側に複数の雄花と1つの雌花を包んでいると理解し、このような花序を杯状花序と名付けています。 つまりそれぞれの花は非常に退化傾向にあると考えるわけです。

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 腺体に囲まれた全体を1つの花ではなく、花の集まりである花序とみる理由のひとつは、次のとおりです。 もしこれが1つの花なら、中央にメシベがあり、オシベはその周囲を一定のルールに従って取り巻いているはずですが、トウダイグサ(の仲間)では、オシベの数も配列もでたらめです。

 トウダイグサ(の仲間)の子房は3室です。 上の写真ではメシベが膨らんできていますので、そのことがよく分かります。 また、これに対応して柱頭も3つに分かれています。
 このようないわゆる3数性は、単子葉植物には共通する特徴ですが、双子葉植物には珍しく、トウダイグサ科の特徴の1つとなっています。

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2010年4月14日 (水)

ケヤマウツボ

 岩湧山で咲いていたヤマウツボです。

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 ヤマウツボはハマウツボ科に分類されている多年生の寄生植物です。 自らは光合成を行わず、全体が白っぽい色をしています。
 花は4~5月、膜質の苞があり、ガクは4裂、筒状の花冠は2唇形で、上唇は幅広く、それより小さな下唇は3裂しており、それらに包まれるように4本のオシベがあります。

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 このヤマウツボは花茎の上方に軟毛が多く、亜種のケヤマウツボになるのでしょう。

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 生え際の土を取り除いてみると、分枝し長く伸びた根茎がありました。 根茎には肉質の鱗片葉が密についています。

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2010年4月13日 (火)

ふきのとう

 ふきのとうは早春にフキの花茎が葉の伸出より先に伸びだしたもので、山菜として知られています。
 山菜として利用する場合はツボミの状態で利用するのですが、もう少し時間が経って咲き出した花をルーペで見ると(眼のいい人はルーペがなくても)、フキには雄株と雌株があるのがわかります。 下の写真、1枚目が雄株で2枚目が雌株なのですが、その違いが分かっていただけるでしょうか。

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 フキはキク科の植物です。 キク科の花は複数の小さな花(小花)が集まり、まるで1つの花のように見える(頭状花序=頭花)のですが、キク科の小花には舌状花と筒状花があり、種類によって舌状花のみのもの、筒状花のみのもの、両方が混じったものがあります。

 キク科の筒状花では、花弁が5裂しており、5本のオシベは互いにくっつき筒状になっていて、花粉はその筒状の内側に出し、その筒の中を伸びだしてくるメシベが花粉を押し上げて花を訪れる昆虫に花粉を渡し(雄性期)、次にメシベの柱頭が割れて受粉できるようになる(雌性期)という経過を経るのが、よく見られるケースです。 このあたりのことについては、このブログでも、例えばツワブキの記事でなど、いろんな所で書いています。

 下はフキの雄株の花を拡大したもので、たくさんの筒状花が見えます。 5裂した花弁の中央に棍棒状のメシベが伸びだしてきて、その周囲にはたくさんの花粉がついています。 この花粉は、花を訪れた昆虫によって運ばれるのでしょう。 ところがこのメシベは、この後柱頭が開かず、自らは受粉しないメシベなのです。
 なお、フキの受粉能力のある花粉は通常は黄色で、なかなかさんのブログによれば、この写真のような白い花粉は不稔性の花粉かもしれません。

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 下は雌株の花です。 たくさんの小花からメシベが伸びてきていますが、上の雄株のメシベに比べるとたいへん細く、花弁もはっきり確認できず、この小花は糸状花とも呼ばれています。 このメシベの周囲に花粉はついていませんし、メシベの先端の柱頭は2裂しています。 この2裂した内側で受粉するのでしょう。

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 フキの糸状花は、進化的に言えば、舌状花の名残のようです。 つまり、フキの頭花は周辺部の舌状花と中心部の筒状花がそろった頭花から進化し、舌状花がなくなった頭花が雄株の花となり、ほとんど舌状花のみとなった頭花が、小花の花弁を退化させて雌株の頭花となったと考えられます。
 太くて丈夫そうなメシベの方が雄株のメシベだというのは、逆のようですね。

※ この記事を書くにあたっては、なかなかさんのHP「なかなかの植物ルーム」のフキの記事がたいへん参考になりました。 このHPにはフキの花に関するもっといろんなことも書かれています。

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2010年4月12日 (月)

メスのツマキチョウ

 ツマキチョウが飛び始めました。('10.4.10.堺市南区畑で撮影)
 このブログの昨年の4月21日の記事で、ツマキチョウがたくさん飛んでいたが、オスしか確認できなかったことを書きました。
 今回、メスを確認できましたが、ツマキチョウのメスはオスほど飛び回らないことが分かりました。 下がそのメスですが、オスの前翅の先端近くにある橙色の部分が、メスでは白色です。

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 前回は飛び回ってなかなかとまってくれないツマキチョウを目で追い、たまに吸蜜のためにとまったところを狙って撮ったのですが、オスはこのようにメスを求めてか飛び回っていて、目立つのはオスばかり、ということのようです。
 これに対してメスは吸蜜のために訪花する以外は、草陰にじっとしているようです。(幼虫の食草の多い場所での産卵時には、そうでもなさそうです(こちら)。: 2014.4.10.追記)
 この記事の1枚目の写真は、ツマキチョウのメスが飛び立とうと翅を動かし始めたところですが、下はこのチョウが草陰で休んでいるところで、前翅を後翅の内側に完全に隠しています。 この姿勢を取ると、後翅の緑色の迷彩模様がいい保護色になっているようです。

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2010年4月11日 (日)

リンゴの花に来ていた虫たち

 堺市南区にあるリンゴ畑に来ていた虫たちです。('10.4.10.撮影)

Togehigetorakamikiri100410_1    トゲヒゲトラカミキリ

Himekurotorakamikiri100410_1    ヒメクロトラカミキリ

Kojimahigenagakobanekamikiri100410_    コジマヒゲナガコバネカミキリ

Aojoukai100410_1    アオジョウカイ

Hiratahanamuguri100410_1    ヒラタハナムグリ

Namihanaabu100410_1    ナミハナアブ

 上の他にも、うまく撮れませんでしたが、ハチの仲間数種などが訪花していました。

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2010年4月10日 (土)

ナシの花

 この記事は、当初「リンゴの花」として書いていましたが、メールでご指摘いただき、どうやらナシの花とリンゴの花を取り違えていたようです。 そこでタイトルと内容を改め、新たにリンゴ(セイヨウリンゴ)については別の記事(こちら)としました。(2013.4.11.)

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 堺市南区の自宅の近くに数本のナシを植えている所があり、その花が間もなく満開の状態です。 虫たちもたくさん来ていました。

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 上の写真、左にヒラタハナムグリのお尻が写っていますが、これは無視して花のつくりを見ていくことにします。
 ナシの花は、花弁が5枚でたくさんのオシベがあり、同じバラ科のサクラモモなどの花とよく似ています。 しかし、サクラやモモの花のメシベは1本であるのに対し、ナシのメシベは5本に分かれています。 さらに、サクラやモモの花ではオシベとメシベの間に隙間があるのに対し、ナシの花のオシベとメシベの間は緑色の花托と呼ばれる部分(下のの部分)で“充たされて”います。
 なお下の写真で、オシベの葯の色は、花粉を出す前は赤褐色ですが、花粉を出してしまうと黒っぽくなっています。

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 花のついでに葉の展開の様子にも触れておくことにします。 新葉の展開のしかたは植物によっていろんなパターンがあります。 サクラの新葉は2つ折りで、モモの新葉は新葉どうしが互いに抱くように出てくるのに対し、ナシの新葉は巻き込んだ縁が広がるようにして葉を広げていきます(下の写真)。

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2010年4月 7日 (水)

モモ

 写真は果実生産用に栽培されているモモの花です。 河内長野市の寺が池公園で撮りました。

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 今年のモモの花は、ほぼソメイヨシノと同時に咲きました。 下はモモとサクラの競演です。

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 モモの花は淡い紅色であるものが多いのですが、色の濃いものから白っぽいものまで、いろいろです。 モモもサクラも同じバラ科で、多くのオシベを持つことなどはよく似ていますが、モモの花柄は短くて、花が枝にくっついて咲いているように見えます。

 モモの生産は、日本国内では福島県、山梨県、長野県、岡山県などの盆地で盛んです。 以前(2009/08/27)日本テレビの「秘密のケンミンSHOW」で、山梨の人は固い桃が好きだと放送していましたが、モモは熟すと傷みやすいので、固いうちから取って店頭に並べます。 しかし、消費地に近いモモの生産地では、糖度が増すまで木で熟させて出荷できますので、おいしいモモが購入できます。 大阪府下の私の家の近くでも、岸和田市包近(かねちか)町や河内長野市小山田町などは、そのようなモモの生産地として知られています。

※ 今日から2泊3日で出かけますので、このブログの更新もありません。

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2010年4月 5日 (月)

イシガケチョウの幼虫

 箕面の昆虫館で見たイシガケチョウです。

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 イシガケチョウの成虫の顔は上の写真のように少しユーモラスなところもあるのですが・・・

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 幼虫にはトゲがあって・・・

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 トゲは幼虫の齢が進むにつれて発達します。

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 イシガケチョウに関しては、金剛山で見た成虫については記事にしましたが、私の家の近くの堺市南区畑でも何度か目撃しています。 自然の中での幼虫の姿も見てみたいものです。

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2010年4月 3日 (土)

カワガラス

 カワガラスは屋久島以北に分布する留鳥です。 水に潜って水底を歩き回ることができる鳥で、水生昆虫などを餌にしています。 巣も滝の裏などに作ります。
 川を生活の場所とする黒っぽい鳥なのでカワガラスという名前をつけられていますが、カラスの仲間(カラス科)ではなく、カワガラス科に分類されています。

Kawagarasu100327_1

 カワガラスの繁殖期にはかなり幅があり、3月~6月が中心です。 3月に繁殖期というのは、多くの鳥に比べると、かなり早い時期になります。
 そのカワガラスの繁殖の様子を知りたくて、3月27日に北摂の2ヶ所を駆け足で回ってきました。 1ヶ所はまだ抱卵中なのかヒナを暖めているのか、巣に入ると、なかなか出てきません。
 他の1ヶ所では、もうヒナが大きく育ち、飛ぶこともでき、親から餌をもらうことと並行して自分で餌を探し始めていました。 親鳥はヒナに餌を運びながら、落ち葉を巣に運んでいました。 カワガラスはコケを集めてドーム型の巣を作り、その中心部には吟味した落ち葉を敷き詰めているようです。

Kawagarasu100327_2    餌となる水生昆虫を運ぶ親

Kawagarasu100327_3    子供

Kawagarasu100327_5    落ち葉を吟味する親鳥

Kawagarasu100327_4    「 ワーイ お母さんだ! はやく餌頂だい! 」
   でも親鳥がくわえているのは小枝・・・

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2010年4月 2日 (金)

花粉だんご

 3月26日の記事で、ミツバチの後ろ脚のプックリ丸いものは何かという質問をいただきました。

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 これは「花粉だんご」と呼ばれているものです。 虫媒花の花粉は昆虫の体にくっつきやすいように粘性があるのですが、体についた花粉を集め、少し蜜を混ぜ、この花粉どうしをくっつけてお団子にしたものです。
 ミツバチの後足には、毛が籠のようになっていて花粉だんごをくっつけやすくなっている場所があり、「花粉かご」と呼ばれています。
 花の蜜は炭水化物が中心で、主にエネルギー源になりますが、花粉はタンパク質・ビタミン・ミネラルなどが豊かで、ミツバチたちの大切な栄養源となります。
 巣に持ち帰った花粉団子は、巣の中に貯えられて、保存食となり、幼虫を育てる時にも使われます。

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