菰巻き
わらで作った菰(こも)を松などの幹に巻きつける「菰巻き」、冬の風物詩としては、なかなかいいものです。 下は大覚寺で2月7日に撮ったものです。
以前、松も冷えないように腹巻をしていると冗談で言ったところ、聞いた人が本気にして変な伝わり方をして困ったことがありました。
菰巻きは、松の害虫であるマツカレハの中齢幼虫が枯れ葉の中などで越冬する習性を利用し、菰を幹に巻きつけておき、春先に菰を燃やして中にいるマツカレハの幼虫を駆除するために、昔から行われているものです。
ところが、兵庫県立大学の新穂千賀子さんらの姫路城での調査では、菰の中にいる虫は、マツカレハなどの害虫の天敵となるクモやヤニサシガメの方が圧倒的に多く、害虫駆除の効果からすると、むしろ逆効果であると報告されています(日本応用動物昆虫学会大会講演要旨 51:54,2007.)。 この内容は、「捕まるのは益虫ばかり」と、読売新聞の2008年3月21日の記事にもなっています。
この研究以前からも菰巻きの効果については疑問視されていて、最近では菰巻きをしている所も少なくなりました。
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コメント
私もね、菰が巻かれてあるのは
寒さ対策とず~っと、思ってました。
それやったら、何で?真ん中だけなん?
とも、思ってました。
投稿: わんちゃん | 2010年2月13日 (土) 08時14分
> 何で?真ん中だけなん?
マフラーで首を暖めるだけで全身が温かくなるのと同じです、なんて言ったら叱られますね。
投稿: そよかぜ | 2010年2月13日 (土) 16時33分