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2010年2月26日 (金)

コハクチョウの北帰

 10月10日頃から姿を見せ始めた琵琶湖のコハクチョウは、琵琶湖水鳥・湿地センターの発表によれば、1月21日に実施されたカウントで、長浜市で430羽、高島市で64羽が記録されています。
 北への移動は2月中旬位から始まり、21日には約200羽、22日には約160羽、そして2月24日には湖北のコハクチョウは全て北へ帰って行ったようです。

 下は21日に撮ったものです。 写真は全てクリックで大きくなります。

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Kohakuchou100221_2    幼鳥は灰白色で、嘴はピンク色を帯びています

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 コハクチョウの後を追って (^_-) 私も大阪を離れます(仕事です)ので、1週間ほどブログを休みます。
 記事にしたい琵琶湖周辺で撮った鳥の写真も、もう少しあるのですが、帰ってからまとめることにします。

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2010年2月25日 (木)

サカツラガン

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 サカツラガンはユーラシア大陸極東部のウスリーから中国北東部で繁殖し、冬季は朝鮮半島から中国の東部や南部で越冬しますが、越冬地の開発や狩猟等により生息数は激減しています。
 日本には西日本を中心に、冬鳥として少数が渡来します。 全長は87cmで、日本で見られるガンの仲間では最も大きい種です。
 琵琶湖では1羽がコハクチョウの群に混じって行動していました。

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 サカツラガンの名前は、漢字で書くと「酒面雁」で、頭部から頸部背面が濃い褐色、頬の部分がオレンジ色を帯びていて、飲酒して紅潮したように見えるところからの名前です。 胴体の背面は灰褐色で、嘴は黒く、嘴の基部は白い色をしています。

 シナガチョウは、サカツラガンを家禽化したもので、嘴は太くて短く、額の裸出部がコブ状になっています。

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2010年2月24日 (水)

ハイイロガン

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 ハイイロガンは、ロシア、モンゴル、中国東部で繁殖し、多くは中国南部やインドで越冬します。 日本へは冬鳥として稀に単独で飛来しますが、定期的な渡来地はありません。
 琵琶湖に22年ぶりにハイイロガンが渡来し、コハクチョウの群にいるところを発見されたのが2月13日、どこかに行ってしまわないかと気にしながら、21日にめでたく会うことができました。

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 ハイイロガンは、マガンよりひとまわり大きく、全長は84cm。 名前のとおり、全身が灰色っぽい色をしていて、嘴と足はピンク。 雌雄はほぼ同色です。

Haiirogan100221_2    ハイイロガン(右)、マガン(左手前)、コハクチヨウ(左奥)

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 ヨーロッパでは、嘴が黄色で少し短い、亜種のキバシハイイロガンが見られます。 オーストリアの動物行動学者コンラート・ローレンツは、このハイイロガンの観察研究から「刷り込み」と呼ばれている現象を発見しています。
 ローレンツは、ハイイロガンの卵を人工孵化してガチョウに育てさせようとしましたが、1つの卵だけ自分の目の前で孵化させたところ、孵化した雛は暫く彼を見つめた後、彼を親だと認識したようで、彼を追いかけるようになり、どうしてもガチョウの方には行かなくなりました。
 通常、学習が成立するためには、繰り返しと一定の時間の持続が必要ですが、上記のように、鳥が親を認識する場合は、ほんの一瞬でその記憶が成立し、しかもその記憶は長期間維持されます。 ローレンツは、このような現象はまるで雛の頭の中に一瞬の出来事が印刷されたかのようだと、「刷り込み(imprinting)」と名付けました。

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2010年2月23日 (火)

マガン

 琵琶湖の北部では、ガンや白鳥の仲間が、どんどん北帰しはじめています。 それに今年は珍しいハイイロガンやサカツラガンが見られるということで、旅立ってしまわないか心配しながら、21日に行ってきました。
 少し琵琶湖周辺を観察した後に朝7時半ごろ湖北町水鳥公園に着くと、頭上を5羽のマガンが飛んでいきます。 ここしばらく水鳥公園にいたマガン10数羽の最後の群で北帰だろうということで、センター前の湖面は閑散としています。
 あわててハイイロガンやサカツラガンの情報を聞くと、昨日までは別の場所にいたが、白鳥がたくさん北に旅立ったので、それにつられてもういないかもしれないということ、あわてて昨日いたという場所を聞いて移動しました。
 その場所に着くと、湖面からの水蒸気と逆光のなか、湖面にそれらしきガンの姿が・・。 サカツラガンもハイイロガンも、約200羽のコハクチョウと共に、まだ旅立たずに残っていました。 サカツラガンは1羽で数羽のコハクチョウと行動を共にし、ハイイロガン1羽はマガン1羽といつもいっしょに、別のコハクチョウ数羽のグループと共に行動しているようでした。
 ハイイロガンと行動を共にしているマガン1羽の行動はどのように理解すべきなのでしょうか。 仲間のマガンが北へ帰ったというのに、ハイイロガン1羽に頼られて見捨てられずに残ってやっているのでしょうか。 それとも仲間よりもこのハイイロガンの傍がいいのでしょうか。

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 湖面にいたサカツラガン、ハイイロガン、マガン各1羽とコハクチョウたちは、10時過ぎ、次々と小グループで飛び立ち、近くの田の同じ場所に舞い降りて、餌を取りはじめました。 下は手前がマガン、奥がハイイロガンです。

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 マガンは日本には冬鳥として、本州や九州に局地的に飛来します。 マガンを漢字で書くと「真雁」で、「真」は「標準的な」の意味で、この仲間(マガン属)のなかでは、日本に飛来する個体数が多いところからでしょう。
 マガンを中心とする雁の仲間は、おでん種の「がんもどき」や和菓子の「落雁」という名前からも分かるように、昔は身近な存在でした。 しかし狩猟により生息数は激減し、最近は保護されて生息数は増加傾向にあるものの、生息地はほとんど広がっておらず、伊豆沼を中心とする宮城県北部に、日本に飛来するマガンの約9割が集中します。 琵琶湖北部に来るマガンは、ここ数年は10~30羽ほどのようです。

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 マガンは全長72cm、全身が暗褐色ですが、背面は後部につれて黒みが強くなり、羽毛の外縁の淡色が横縞状になります。 また腹面は色彩が淡く、個体によって違う黒いはっきりしない横縞模様があります。 成鳥では額から嘴にかけて白く、嘴や足はオレンジ色です。

※ 琵琶湖北部で見られるガンの仲間のうち、最も個体数の多いオオヒシクイについては、こちらで記事にしています。

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2010年2月20日 (土)

大阪城のユリカモメ

 ユリカモメの全般的なこと夏羽の様子については、以前に記事にしましたので、今回は写真を中心に・・・
 ※ 写真はクリックで拡大します。

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 多くの観光客で賑わう大阪城、昨日はヌートリアに餌を与える人がいることを書きましたが、ユリカモメに餌を与える人もいて、ユリカモメが人のすぐ近くにまで集まってくる場所があります。
 そんな場所では次々とユリカモメがこちらに向かってきますので、鳥を撮る練習に最適です。

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 白黒写真にしてみました。 どうでしょうか?

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2010年2月19日 (金)

ヌートリア

 ヌートリアの原産地は南アメリカですが、特に軍隊の防寒衣の毛皮を取るために世界各地に移入されました。 日本でも1939年にフランスからの輸入が最初で、一時はたくさん飼育されていましたが、終戦後、毛皮の需要が激減し、多くのヌートリアが野外に捨てられ、野生化しました。 野生化したヌートリアは、季節を問わずに年に2~3回出産し、その数を増やしています。
 大阪府でも、2000年頃から観察例が増えはじめ、当初は淀川本流のみでしたが、次第に支流にも広がり、現在では淀川水系とは離れた場所でも観察されるようになってきました。
 そのヌートリアが大阪城にもいました。 よく大阪城を散策する人の話によると、現在4頭がお堀で生活しているようです。

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 ヌートリアは水辺で生活しています。 後ろ足には水かきがあり、泳ぎが得意で、5分以上潜水することもできます。
 下は大阪城のお堀を泳ぐヌートリアです。 潜水も見せてくれました。 チラチラ見えるオレンジ色の大きな前歯も特徴的です。

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 ヌートリアは深い入り組んだ巣穴を作りますので、水田の畦が破壊されたり、植物食が中心ですので作物を食害したり、生態系を乱したりと、いろんな被害をもたらすということで、'05年6月には、外来生物法による特定外来生物に指定されました。
 本来は駆除しなければならない動物ですが、大阪城では餌をやる人もいて、たいへん人によく慣れていて、かわいがられているようです。

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2010年2月18日 (木)

アオサギの昼寝

 この記事、じつはササゴイとして載せていたものですが、コメントで指摘をいただき、書き換えたものです。
 大阪城でササゴイのいつもよくいる場所を聞き、そこに行ってみると写真のサギがいて、首をすくめて寝ているものですから、ササゴイにしては少しおかしいな・・・とは思いつつも、冬のササゴイは今まで見たことがなく、冬にはこんなものかと、てっきりササゴイだと思い込んでしまいました。
 首をすくめているとはいえ、いつも見慣れているアオサギがササゴイに見えるのですから、思い込みとは恐ろしいものですね shock

 それにしてもこのアオサギ、とにかくよく寝ること・・・。 まったく動かず、顔を体に突っ込んだままです(下の写真)。

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 12時半に上の状態のアオサギを見つけ、暫く見ていましたが、全く動く気配がないので、他を見て回ることにし、15時45分に戻ると、同じ場所に同じ状態、日暮れ近くになると動くかと16時40分まで見ていましたが、動きませんでした。
 この間ただ一度、ハシビロガモがお堀の石垣に接するように水面採餌しながらアオサギに気付かず(?)近づき、ハッとしたように90°方向転換して石垣から離れ、また90°方向転換して石垣に並行に泳ぎだしました。 下はその時の瞬間ですが、ハシビロガモの気配を感じたのか、アオサギは少し顔を見せ、またすぐに眠りの姿勢に戻りました。 なお、下の写真は上の写真と体の向きが違うようですが、これは私が動いて違う方向から撮ったためで、アオサギは体を全く動かしていません。

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2010年2月17日 (水)

キクイタダキ

 昨日は大阪城の梅林の様子を記事にしましたが、大阪城公園に行った目的は、鳥、特にヒガラとキクイタダキを撮りたいと思ったからです。
 ヒガラは全長10cmあまりで、カラ類の中でも特に小さい方ですし、キクイタダキは体長約10cmで、オオカマキリなどに捕食されることもある(PhyllonさんのHPへ)くらいの、日本国内では最小の鳥です。
 一般的に言って、鳥は小さいほどよく動きます。 大阪城公園ではヒガラもキクイタダキも確認はできたのですが、ほんとうによく動きます。 しかもイヌマキやカシの類など常緑の木の葉の茂っている所を動くものですから、カメラのオートフォーカスでは葉にピントが合ってしまうなどで、なかなか撮れません。 活動の範囲は半径100m程度の円内を行ったり来たりする程度で、そんなに広くはないのですが、特にヒガラは午前中で活動をやめてしまうらしく、結局1枚も撮れませんでした。 で、結局写真はキクイタダキだけ・・・ それも露出もピントもぴったりというのは1枚もありませんでした。

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 キクイタダキの名前は、頭頂部に黒い色で縁取られた黄色い冠羽があるため、この黄色い部分を菊の花に見立て、頭上に菊、つまり『菊を戴く』という意味から命名されたものでしょう。 学名は Regulus regulus で、この「 Regulus 」はラテン語で「小さな王」という意味ですから、やはり頭頂部の黄色い冠羽を王冠に見立てたものかもしれません。
 下の写真も露出オーバー気味ですが、どうにか頭頂の黄色い部分とその両脇の黒い部分が写っています。

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 キクイタダキは、日本では主に北海道と本州の中部以北の針葉樹林で繁殖し、冬季には各地で観察することができ、杉林を好むとされていますが、大阪城公園では上記のように常緑の広葉樹にも来ていました。

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2010年2月16日 (火)

大阪城の梅林

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 2月14日、大阪城公園に行ってきました。 ウメは木によって、まだほとんどツボミのものから既に満開に近いものまでありました。
 大阪城の梅林は、'06年3月現在で97品種1240本で、早咲きから遅咲きまで、品種の多さでは西日本随一と言えます。
 早咲きから遅咲きまで多くの品種が植えられているということは、良く言えばカラフルで長期間楽しめますし、悪く言えば見渡すかぎりの満開は期待できません。 でも、いちばんの見頃は2月下旬から3月上旬のようです。

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2010年2月15日 (月)

ロウバイの種子散布

 長い間楽しませてくれたロウバイの花も、木によってはそろそろ花の終わりを迎えています。 花が終わり、これから果実を作っていこうというそんなロウバイの木に、まだ昨年の果実(ほんとうの果実ではなく偽果:下で書きます)がついています。 下は園芸的に改良されたソシンロウバイですが、ロウバイでも同じです。 ロウバイは、いったいいつ、どのような方法で種子散布をしようとしているのでしょうか。

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 ふとロウバイの根元を見ると、昨年の偽果が落ちていて、ボロボロになって、中に種子のようなもの(じつはこれがほんとうの果実で、中に1つの種子が入っています)が見えています(下の写真)。

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 このようにして種子が地面に接して発芽したとしても、これでは親株のすぐ近くに子ができるだけで、これが本来の種子散布の姿だとは思えません。 ロウバイは中国原産ですので、日本では見られないロウバイの種子散布を手伝う動物が現地にはいるのでしょうか。

 改めて偽果を見ると、おもしろい形をしています。 種子(じつは果実)を入れた袋の口が開きそうで開かない・・・ そんな偽果です。 この偽果はどのようにしてできるのでしょうか。
 下は4月5日に撮ったロウバイです。 果実のように見えるものが大きくなり始めていますが、その周囲には、花弁やオシベの取れた跡が見えます。

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 今まで果実と種子についてややこしい書き方をしてきましたが、果実の元になる子房から花弁やオシベが生じるわけは無く、花弁やオシベの取れた跡のついているものは果実ではありません。 果実のように見えて果実ではない、ですから「偽果」と言います。 この部分は複数の子房(複数の「胚珠」ではありません)を包み込んでいる「花床」と呼ばれている部分です。
 ロウバイの花では、ガクと花弁が明確に分化しておらず、花床にらせん状についていますし、オシベも上下に乱れて付いています。 このような形質は、まだ花のつくりがきちんと整理されていないことになり、古い形質だとされています。 また、花粉の表面を顕微鏡で観察すると、通常の被子植物では花粉管が延びてくる発芽孔が3本の溝状に見える(3条溝)のですが、ロウバイの発芽孔は無いか、2本しかありません(2条溝)。

 ロウバイの種子を蒔けば、よく発芽します。 にもかかわらず、自生地は限られていますし、ロウバイ属も、中国に2種あるだけです。 もしかしたらロウバイは、あれだけ丈夫なイチョウの自生地が限定されているのと同様、種子散布に協力してくれるパートナー的動物を失った遺存種的存在なのかもしれません。

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2010年2月14日 (日)

ニホンアカガエルの卵

 2月13日、堺市にある「堺自然ふれあいの森」でカエルの卵を見つけました。 時期と場所からみて、たぶんニホンアカガエルの卵だと思います。

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 ニホンアカガエルの産卵時期は1~3月といわれています。 ニホンアカガエルは冬眠から覚めて産卵し、また冬眠(春眠)します。 たぶん天敵の少ない寒い時期に産卵し、おたまじゃくしを多く生き残らせようという戦略なのでしょう。
 でも、ニホンアカガエルは減少しています。 理由のひとつに、産卵時期に水のある場所が減ったことが挙げられています。

 ニホンアカガエルの産卵は、カエルの産卵としては、かなり早い時期になります。 それでもこの卵塊を見つけると、なんだか春が近くに来たみたいで、うれしくなります。

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2010年2月13日 (土)

ホオジロのさえずり

 今日、家の近くを散策していると、ホオジロがさえずり始めていました。 まだ「源平つつじ白つ~つじ」までは程遠い節回しですが、高い所にとまった姿勢はまさしくさえずりの姿勢。

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 近くではヒバリも地上でさえずり始めていました。

 春はもうすぐそこに来ているようです。

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2010年2月12日 (金)

オカヨシガモの飛翔

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 オカヨシガモの飛翔の様子を撮ることができました。 撮った場所は、京都の嵐山・渡月橋と松尾橋の中間あたりです。

Arasiyama100207_1    嵐山を流れる桂川 後ろは愛宕山

【2月7日にこのあたりで見かけた鳥】
 オカヨシガモ、ヒドリガモ、アオサギ、コサギ、ツグミ、カワセミ、 イカル、スズメ、
 カワラヒワ、シジュウカラ

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2010年2月11日 (木)

菰巻き

 わらで作った菰(こも)を松などの幹に巻きつける「菰巻き」、冬の風物詩として、なかなかいいものです。 下は大覚寺で2月7日に撮ったものです。

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 以前、松も冷えないように腹巻をしていると冗談で言ったところ、聞いた人が本気にして変な伝わり方をして困ったことがありました。
 菰巻きは、松の害虫であるマツカレハの中齢幼虫が枯れ葉の中などで越冬する習性を利用し、菰を幹に巻きつけておき、春先に菰を燃やして中にいるマツカレハの幼虫を駆除するために、昔から行われているものです。
 ところが、兵庫県立大学の新穂千賀子さんらの姫路城での調査では、菰の中にいる虫は、マツカレハなどの害虫の天敵となるクモやヤニサシガメの方が圧倒的に多く、害虫駆除の効果からすると、むしろ逆効果であると報告されています(日本応用動物昆虫学会大会講演要旨 51:54,2007.)。 この内容は、「捕まるのは益虫ばかり」と、読売新聞の2008年3月21日の記事にもなっています。
 この研究以前からも菰巻きの効果については疑問視されていて、最近では菰巻きをしている所も少なくなりました。

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2010年2月 9日 (火)

セツブンソウ

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 昨年も記事にしたばかりのセツブンソウですが、やはりこの時期、春を待つ心がそうさせるのでしょうか、この花を見ると載せたくなります。

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 花弁のように見える白いものはガクで、先端が黄色い蜜腺になっているのが花弁、オシベの葯は青く、花粉は白い色をしています。

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 '10年2月7日、京都府立植物園での撮影です。

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2010年2月 7日 (日)

ハイイロチュウヒ

 

チュウヒよりほんの少し小さくて、チュウヒと同じようにヨシ原や草原で生活するワシタカ類に、ハイイロチュウヒがいます。 低空で飛んだり、地上を徘徊しながら獲物を探します。
 名前からするとチュウヒとは亜種の関係かとも思いますが、ハイイロチュウヒは Circus cyaneus で、チュウヒは C.spilonotus 、別種です。
 繁殖地は北アメリカ大陸北部やユーラシア大陸北部で、日本には冬鳥として飛来しますが、局地的で、個体数も多くありません。
 名前のとおり灰色なのはオスで、メスは褐色で(下の写真)、チュウヒと似た生活をしていますので、注意が必要です。 ただ、昨日のチュウヒの写真と比べていただければ、違いは理解していただけるでしょう。
 ハイイロチュウヒの上尾筒は白く、オスは背面全体が白っぽいのであまり目立ちませんが、メスの飛翔時にはよく目立ちます(下の写真)。 チュウヒにはこの上尾筒の白帯は無いか、あっても狭い帯状です。 また、ハイイロチュウヒのメスの羽の下面の風切には明瞭な黒い横縞(タカ斑)があります(下の2枚目)が、チュウヒの風切は黒っぽく、タカ斑は不明瞭です。

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 1月30日、ハイイロチュウヒは夕方に飛ぶと聞いて、「西の湖」の観察ポイントには3時半に着きました。 昨日記事にしたチュウヒの写真を撮り、午後4時20分、ハイイロチュウヒのメスも近くを飛んでくれました。 それが上の写真です。 ところがオスは低い所をチラッと飛んだだけで、なかなか姿を現してくれません。
 日も沈み、薄暗くなった17時10分頃、やっとオスが飛びました。 と、なんと3羽も! 群でねぐらに入る時に大騒ぎする鳥はいろいろいますが、ハイイロチュウヒの場合もこれに似たことを行っているのでしょうか、交互に急降下を繰り返したりします。 これにハイイロチュウヒのメスも加わり、チュウヒも威嚇を受けてヨシ原から追い出されたように舞い、乱舞は17時30分頃まで続きました。

Chuuhaichuum100130_1    ハイイロチュウヒのオス(上)とチュウヒ(下)

Haichuum3f1_100130_1    ハイイロチュウヒのオス3とメス(右下)1

Chuuhaichuumf100130_1    上からチュウヒ、ハイイロチュウヒのオス、ハイイロチュウヒのメス

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2010年2月 6日 (土)

チュウヒ

 下は滋賀県安土町にある「西の湖」の蘆原の上を飛ぶチュウヒです。 1月30日の撮影です。

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 チュウヒは、オスは全長48cm、メスは58cmほどのワシタカ類です。 体色は地域や個体による変異が大きいようです。
 繁殖はかつては北海道や本州北部に限られていて、現在では中部地方、近畿地方や中国地方でも繁殖が確認されていますが、主な繁殖地は北アメリカ大陸北部やユーラシア大陸北部で、日本で見られるチュウヒの多くは越冬のために飛来してきた個体です。 とは言っても、そんなにたくさん見ることのできる鳥ではありません。
 「チュウヒ」の名前は「宙飛」が由来とされていますが、実際は蘆原や草原を低空で器用に飛び回り、そこに潜む小動物や小鳥、昆虫などを餌にしています。 このような生態はノスリ(野擦)というワシタカ類の方がふさわしいようですが、いつの時代にか、チュウヒとノスリは誤って名前が入れ替わってしまったと考えられます。 とにかく、日本では蘆原などの減少により、あまり見ることのできない鳥になってしまいました。

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 NHK「ダーウィンが来た!」で'10年1月24日(日)、チュウヒが取り上げられました。 NHKによると、50年近い歴史を持つNHKの自然番組で、日本で繁殖する中で唯一扱った事のなかった猛きん類がチュウヒだったそうです。 理由は個体数が少ないからで、NHKによると、50つがい前後ということです。 ところが、そのチュウヒの巣が去年、秋田県の大潟村の農地の間にある広いヨシ原で一挙22も発見されたので、その生態について「ダーウィンが来た!」で取り上げた、というわけです。

 かっては壮大なヨシ原が分布していた琵琶湖も、内湖の干拓や湖辺の開発等により、ヨシ原は大幅に減少しました。 しかし、ヨシ原は様々な生命を育み、水質の浄化にもたいへん有効です。 琵琶湖でもヨシ群落の再生運動があちこちで起こっています。 チュウヒなどが元気で暮らせる環境が広がることを期待しています。

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※ チュウヒの英名はハリアー (harrier)です。 このハリアーという名前は、猟犬、トヨタの自動車、戦闘機などの名前として使われています。

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2010年2月 5日 (金)

オオワシ

 オオワシは日本にいる最大の猛禽類で、体の長さはオスで88cm、メスでは102cmもあり、翼を広げると2.2~2.5mにもなります。 ロシア東部で繁殖し、冬は朝鮮半島、北海道や本州北部に渡来します。 海岸や河川、湖沼などを生活の場所としており、特に北海道の東海岸に多く、知床半島の羅臼には年によっては千羽以上が越冬するようで、流氷上のオオワシの写真がよく紹介されたりしています。 しかし、北海道以外ではあまり見られず、1970年には国の天然記念物に、1993年には種の保存法施行に伴い、国内希少野生動植物種に指定されています。
 そんなオオワシの1羽が、琵琶湖の湖北に12年連続で来ています。 推定年齢15歳以上で、かなりの年齢ですので、来年も来てくれる保障はありません。

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 1月30日、そのオオワシに会いに行ってきました。 運よく比較的見易い山本山の中腹にいたのですが、とまったままで飛んでくれません。 飛ぶ前には糞をして体を軽くするというので、糞をした瞬間(下の写真)には飛翔姿を撮れると期待したのですが、向きを変えただけでした。 後で得た情報では、私があきらめた約1時間後に、オオバンを捕って戻ってきたということです。

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2010年2月 4日 (木)

コハクチョウ

 コハクチョウはユーラシア大陸や北アメリカ大陸のツンドラ地帯で繁殖し、日本へは冬鳥として北海道や本州に渡来します。
 滋賀県湖北町のコハクチョウは1970年代になって飛来し始め、最初は数羽~数十羽だったのですが、次第に数を増やし、2000年代に入ってからは毎年最も多い日には300~900羽を記録しています(こちら)。 私が行った1月30日の朝にも、362羽のコハクチョウがカウントされ、オオハクチョウも4羽いたらしいのですが、コハクチョウは朝に採食場に行き、夕方にねぐらに戻ります。 この日も朝早くから水田に餌取りに行き、私が着いた11時半には3羽がいただけで(下の写真は、そのうちの2羽)、この3羽も間もなく水田に食事に向かったようです。
 コハクチョウを湖で見るなら、朝か夕に限るようです。

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※ オオヒシクイの最後の写真にも、1羽のコハクチョウが写っています。

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2010年2月 3日 (水)

ガンとカモの形態的な違い

 コメントで、ガンとカモとはどう違うのかという質問をいただきました。
 分類学的にはガンもカモも同じガンカモ科に分類されていますので、本質的にはよく似た仲間だと言えます。 しかし昔からガンとカモは区別されてきたということは、見た目で区別できるということです。
 いちばんの違いは大きさです。 もちろん大きい方がガンです。 でも、大きさだけの違いなら同じ名前で呼ばれることはたくさんあります。 例えばドーベルマンとミニチュアピンシャーは同じ「イヌ」です。
 視覚的に違いを感じるのは、ガンは年間を通してオスとメスがほとんど同じなのに対して、多くのカモでは、非繁殖期にはオスもメスのような姿ですが、繁殖期にはオスとメスが違う姿になることでしょう。 多くのカモでは日本で越冬している間に繁殖期の姿になって北へ帰って行きますので、よけいに印象的です。
 このことを少し見方を変え、換羽の回数という点で言えば、カモは非繁殖期の姿から繁殖期の姿へ、そして繁殖期から非繁殖期の姿へと1年に2回換羽するのに対し、ガンでは換羽は年1回、古いすり減った羽と新しい羽とを交換するだけです。
 ただし、季節変化の少ない南方系のカモは年中同じ姿をしていてオスとメスの違いもほとんどありません。 日本に1年中いるカルガモも、この年中ほとんど変化の無いカモです。

Karugamo080126_1   カルガモ(奥で寝ているのはコガモ)

 もう1つ、ガンとカモの違いを挙げておくと、少し専門的になりますが、足の甲に相当する部分を「ふ蹠」と言いますが、この部分がガンでは網目状ですし、カモではうろこ状です。

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2010年2月 2日 (火)

カワアイサ

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 川にいたらカワアイサ、海にいたらウミアイサ・・・とは限りませんが、以前記事にしたウミアイサとよく似たカワアイサです。 上はメス、下はオスですが、なかなか近くには来てくれませんので、大トリミングです。
 メス、オス共にウミアイサによく似ていますが、メスは喉の白斑がはっきりしていること、オスは胸と脇が白いことなどで、ウミアイサと区別できます。

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 カワアイサは主に動物食で、潜水して魚類を捕食します。 つかまえた魚を逃がしにくいように、クチバシの先は鋭く曲がっているのですが、この大トリミングの写真で分かっていただけるかどうか・・・。

 カワアイサは、北日本を中心に、九州以北に冬鳥として渡来します。 北海道では少数が留鳥として繁殖しています。 北日本では主に海水域、西日本では主に淡水域に生息する傾向があります。
 カワアイサの渡来数は決して少ない方では無いようです。 しかし、皇居のお堀には人から餌をもらうカワアイサがいるようですが、一般的には警戒心が強く、なかなか身近で見ることができないカモです。 琵琶湖のカワアイサも近くで見ることは無理なようでした。

ミコアイサも何度か記事にしましたが、「アイサ」とは秋に早く渡ってくる鴨、つまり「秋早(あきさ)鴨」からとも、晩秋つまり秋が去る頃に渡来する鴨、つまり「秋去り鴨」とからとも言われています。

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2010年2月 1日 (月)

オオヒシクイ

 1月30日に琵琶湖に行って来ました(詳しくは「そよかぜ日記」で)。 これから暫くはそこで見た鳥を順番に記事にしていくことにします。

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 オオヒシクイはガンの仲間です。 カモの仲間に比べるとさすがに大きい! でも、攻撃性は弱く、たいへん警戒心の強い鳥です。
 繁殖はユーラシア大陸北部で行い、日本へは越冬地として、樺太や千島列島を通って北海道へ、そして本州へと渡ってくるのですが、警戒心の強さからか、越冬地は、新潟県の福島潟(ふくしまがた)、宮城県の伊豆沼(いずぬま)、石川県の片野の鴨池(かもいけ)など、どんどん限られた場所になってきています。 琵琶湖の北部はオオヒシクイの南限の越冬地にあたります。
 採食は主に薄明薄暮時に行い、夜も休むだけではなく餌も食べているようですが、よく分かっていません。 昼間は岸から離れた場所で過ごします。 私が見た時も、殆どの個体は顔を胴体に乗せて寝ていましたが、写真は起きているわずかな個体を撮ったものです。

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 オオヒシクイはヒシクイの亜種になります。 「ヒシクイ」の名前は、ヒシの果実を食べるところからで、食性は植物食です。

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