ウスタビガのマユ
山中の小路を歩いていると、鮮やかな緑色をしたものが・・・。 ウスタビガのマユです。 風に吹かれて落ちたのでしょうか。
ウスタビガの成虫は秋遅くから初冬の短い期間にだけみることができる蛾ですので、このマユは羽化した後でしょう。 切って中を確認することにしました。
入り口はピッタリと閉じられています。この形が自動的に入り口を閉じてしまうつくりになっているようです。
口の所からハサミを差し込み、マユの壁を切り取ると、予想通り、サナギの抜け殻が入っていました。 サナギの下方には脱ぎ捨てられた終齢幼虫の脱皮殻がくっついています。
ウスタビガの晩秋に羽化した成虫は、何も食べずに交尾と産卵を終えると死んでしまいます。 春に孵化した幼虫は夏の終わりに緑色の繭を作ります。 葉の繁っている間は緑色のマユは保護色となって見つけにくいのですが、羽化した後のマユは冬の落葉樹の林の中ではたいへん目立ちます。 そんなわけで、ウスタビガの成虫にはなかなか会えないのですが、マユはよく目にすることになるのです。
下は別の場所で3月に撮ったものです。 この頃になると、さすがに緑の鮮やかさは減少してきます。
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コメント
山で緑の繭を見つけたら、山繭で片付けていましたが、住人は一種ではないのですね。
どれぐらいの戸籍登録があるのでしょう(笑)。
投稿: ひとえ | 2010年1月28日 (木) 07時32分
緑の繭と聞いて思い出すのはヤママユとウスタビガくらいですが・・・。
ヤママユの繭は蚕の繭を大きくして色をつけたようで、ウスタビガの繭とは形がかなり違います。
投稿: そよかぜ | 2010年1月29日 (金) 02時15分
おはようございます♪
繭の中には抜け殻があったんですね
蛾の繭だとは知ってましたが思いつきませんでした
蛾が抜け出した後も自動的に入口がふさがるのが不思議ですネ
投稿: エフ | 2010年1月29日 (金) 10時55分
昔これに似た小銭入れを使っていたことがありました。
両側を押すと口が開いて、力を抜くと自然に閉じる・・・
その時のしくみは弾力のある金属でしたが、ウスタビガの繭の場合は、形そのものが復元力を持っているのでしょうね。
投稿: そよかぜ | 2010年1月29日 (金) 22時22分
>春に孵化した幼虫は夏の終わりに緑色の繭を作ります。 葉の繁っている間は緑色のマユは保護色となって見つけにくいのですが、羽化した後のマユは冬の落葉樹の林の中ではたいへん目立ちます
このあたり、よう出来てるなぁ・・・
と、思いました。
三枚目の写真は
この繭をよくご存じの上でぇ、、、、、
よう知ってはるなぁ・・・と
>昔これに似た小銭入れを使っていたことがありました
今じゃ、携帯用吸い殻入れなんかにも応用されて、使ってはるんを見たことがあります。
投稿: わんちゃん | 2010年1月31日 (日) 14時07分
> > 昔これに似た小銭入れを使っていたことがありました
> 今じゃ、携帯用吸い殻入れなんかにも応用されて、使ってはるんを見たことがあります。
そうそう、それです。ということは、上の説明で理解してもらったようですね。
投稿: そよかぜ | 2010年1月31日 (日) 18時44分
こんにちは。
私は数年前にウスビタガの繭を偶然見つけて、それ以来毎年探すようになりました。しかし最近はなかなか見つけられません。今までは小木の低い位置の枝で見つけましたが、高い位置のほうが多いのでしょうか?
投稿: 多摩NTの住人 | 2010年2月 6日 (土) 11時35分
多摩NTの住人さんも、関心は植物だけではなかったのですね。
私もそんなにたくさん見たわけではありませんが、私が見るのはいつも地上1~4mほどの所ですね。
ウスタビガの成虫の行動する高さと関係するのだと思います。
投稿: そよかぜ | 2010年2月 6日 (土) 12時39分