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2010年1月 9日 (土)

葉序

 

前回の記事で、アラカシは2/5葉序であり、2/5葉序はアラカシ以外にも比較的多くの植物で見られると書きました。
 昨日の記事のような考え方をすると、左、右、左、右、・・・という2列互生は、1/2葉序と呼んでもいいことになりますし、カヤツリグサ科の多くの植物は1/3葉序です。 また、ポプラなどは3/8葉序です。
 ここで出てきた葉序の数字を並べてみますと、
   1/2  1/3  2/5  3/8
 何か気付いたでしょうか。 前2つの分数の 分子と分子、分母と分母を足したものが、次の分数になっています。 つまり、1/2の分子(1)と1/3の分子(1)を足したものが2/5の分子(2)に、1/2の分母(2)と1/3の分母(3)を足したものが2/5の分母(5)になっています。 ということは、3/8 の次に予想される分数は?
 5/13 ですね。 セイタカアワダチソウなどが5/13葉序の植物です。 その次に予想される分数は 8/21 ですね。 オオアレチノギクなどが 8/21葉序の植物です。
 この分数はどんどん続きます。 この分数は葉の位置関係、つまり芽の位置関係を示した数字でした。 花芽も芽ですし、花芽が育てば花が咲きます。 ヒマワリの小花は 55/144葉序の位置に配列します。

 フィボナッチ数列と呼ばれている数列があります。 フィボナッチはイタリアの数学者ですが、この数列というのは、初項を0、第2項を1として、隣り合う項の和が次の項の値となるような数列です。 つまりn番目の数値を A(n) で表すことにすると、 A(n+2) = A(n) + A(n+1) の関係を持つ数列で、具体的に数値で書いてみると、
  0 1 1 2 3 5 8 13 21 34 55 89 144 233 ・・・
となり、この各項の数値はフィボナッチ数と呼ばれています。
 「黄金比」はヨーロッパでは古くから最も美しい比率として親しまれ、古来より建築やデザインなどの分野で応用されてきましたが、この比はある程度大きな隣り合うフィボナッチ数の比、つまり A(n) : A(n+1) です。
 そして、葉序はフィボナッチ数の、A(n)/A(n+2) で表すことができます。 植物は数学博士なのでしょうか。

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コメント

植物と数学が交錯してるって、
散歩道の草花からいよいよ目が離せません

セイダカアワダチソウ、オオアレチノギク、ポプラ

でもぅ・・・・・

投稿: わんちゃん | 2010年1月10日 (日) 01時29分

あけましておめでとうございます♪
うーーん黄金比・・・
聞いたことあるけど理解できそうにありません
究極の美しさに支配されてるのか植物?!
きっと自然界の生き物はすべて計算されつくした形をしてるんでしょうね
そうかそうか・・・
わかってないのにわかった気分になりました
遅くなりましたが今年もよろしくお願いします

投稿: エフ | 2010年1月10日 (日) 09時59分

わんちゃん、エフさん、数学は人間が作ったり発見したりしたルール、葉序とフィボナッチ数列との関係は偶然なのか必然なのか、必然だとすればフィボナッチ数列の本質とは何なのか?
まだまだ自然界は神秘の世界です。

投稿: そよかぜ | 2010年1月10日 (日) 12時27分

自然界は神秘の世界

ほんとですね、すごく感激…です。
フィボナッチ数列は植物を調べていてときどき目にかかった言葉ですが、
こうしてお話を聞いてやっとわかりました。
あ、でも、ほんとはわかってないかも。
葉っぱの並びの法則のところだけ、わかりましたと書かなきゃですね…
ありがとうございました。

投稿: panda | 2010年1月10日 (日) 22時29分

pandaさん、よく理解していただいてありがとうございます。
法則性を理解しても、どのようなしくみでそのような法則性が生じるかは別問題ですからね。

投稿: そよかぜ | 2010年1月11日 (月) 07時56分

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