クビキリギス
写真は、秋も深まり、間もなく死に行く哀れな姿・・・ではなさそうです。
このクビキリギスは、秋に成虫になり、そのまま越冬に入り、翌春から初夏にかけて交尾や産卵などの活動を本格的に行う昆虫です。 ですから写真の個体は、生殖活動を終え、長生きしてまさしく死に行く個体である可能性も否定はできませんが、むしろ生まれたばかりの個体である可能性が高いようです。
クビキリギスの成虫の体長は6cm前後、体色は写真のような褐色と、緑の2つのタイプがあります。(体色が緑色の個体はこちらに載せています。) 頭部は著しく前傾して頂部は尖り、口の周囲が赤くなっていて、「血吸いバッタ」と呼ばれることもあります。
体色が緑か褐色かは、このクビキリギスの場合は、終齢幼虫のときの湿度で決まることが知られています。 湿度が高い環境で終齢幼虫の時代を過ごした成虫は緑色になるのですが、湿度が高い場合は周囲の植物が緑色である可能性が高く、保護色となり、また、湿度が低い場合には枯れ草の環境である可能性が高く、茶色が保護色となる可能性が高い、ということのようです。
食べ物は雑食性ですが、植物食の傾向が強いようです。 顎の力が強く、秋に実るイネ科の硬い殻に守られた種子なども食べることができます。
クビキリギスの名前は、手などに噛みつかれた時に、あわてて強く引くと、上記のように噛み付く力が強いために、首が切れてしまうことがあるところからのようです。
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コメント
とっても可愛い何かが居ると思ったらクビキリギスさんだったんですね。
実際見たこと無いし、名前しか聞いたこと無いんですけれど・・・。
こんなにまじまじ見たのは初めてです。
強く引いて首がちぎれちゃうなんて・・・
そこまでして噛みついていたいなんて・・・。
投稿: あらた。 | 2009年12月 8日 (火) 02時07分
最後まで、クビキリギリスと呼んでました
クビキリギスだったんですか
今時の環境ではたしかに体色が茶色なんだけど、一生のうちで体色が茶色から緑色に、
変わるってことはあり得るのでしょうか?
「血吸いバッタ」と言われる所以の箇所に目印を・・・・・
ちなみにジャンプ力(りょく)って?
投稿: わんちゃん | 2009年12月 8日 (火) 16時08分
あらた。さんへ
首が切れやすいのは、口が顔の後方にあって首は体の頭頂部寄りにあるという位置関係や、首の関節が細いことなども影響しているのでしょうね。
わんちゃんへ
口の赤いところに前脚がきていて隠されていますね。
写真に目印をつける代わりにもう一枚写真を追加しておきました。こちらの方が少しは口の赤い様子がよく分ると思います。
投稿: そよかぜ | 2009年12月 8日 (火) 23時51分
やっぱしね、想像していた場所とは違ってました。
ヒト以外の生き物はヒトの常識とは違ってるんですね、
どっちを常識と捉えるかは、ベツモン?
投稿: わんちゃん | 2009年12月 9日 (水) 22時20分
ということは、最初はどこを口と思っていたのでしょうか?
投稿: そよかぜ | 2009年12月11日 (金) 00時04分