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2009年12月14日 (月)

ハクウンボク(葉柄内芽)

 ハクウンボクはエゴノキ科に分類され、エゴノキと同様、花の時期には白い花をたくさん咲かせます。 和名はその様子が白雲たなびくようにみえるところからの名前です。
 いろんな木々が落葉する中、かろうじて枝先に数枚の葉をつけているハクウンボクがありました。

Hakuunboku091213_1

 このハクウンボクの冬芽を観察しようと葉の腋を拡大してみても、冬芽は見つかりません(下の写真)。

Hakuunboku091213_2

 じつはこのハクウンボクの芽は葉柄の中にあります。 大切な芽がちゃんと育つように、葉があるうちはその葉柄が保護しているようです。
 下は葉を引っ張って、中の芽が少し見えるようにしたところです。

Hakuunboku091213_3

 下は葉を完全に取り除いたところです。 ハクウンボクは枝や葉柄にたくさんの毛(星状毛)が生えていますが、芽にもたくさんの毛が生えています。

Hakuunboku091213_4

 下は自然に落葉して時間が経った芽です。 毛は完全に乾いています。よく見ると大小2つの芽(ほんとうは3つの芽)がぴったりくっついています。 春になると通常は大きな芽だけが伸びるのですが、もしも大きな芽がダメージを受けると小さな芽(これを「副芽」と呼んでいます)が伸び始めます。

Hakuunboku091213_5

 ハクウンボクは芽を葉柄で保護し、さらにはもしもの時に備えて副芽を準備しています。 なぜそこまで芽にこだわっているのか、ハクウンボクの生き方からその理由を探りたいものです。

 

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コメント

>ハクウンボクは芽を葉柄で保護し、さらにはもしもの時に備えて副芽を準備しています。 なぜそこまで芽にこだわっているのか、ハクウンボクの生き方からその理由を探りたいものです。

u~~nn
ハクウンボクがこれまで生きてきた中で筆舌に尽くしがたい苦い体験があったんでしょうね、きっと・・・・

投稿: わんちゃん | 2009年12月14日 (月) 23時36分

凄い、中に芽があって、それを知ってるなんて・・・。

昨日お寺に行ってきましたが紅葉はもう落ちちゃってました。ちょっと残念。
紅葉のお祭りは一ヶ月も前だったみたいです(ポスターを発見しました・・・)
それでも真っ赤な紅葉が少し残ってて綺麗でした~来年はもう少し早くに・・・;;

投稿: あらた。 | 2009年12月15日 (火) 17時23分

わんちゃん、あらた。さん、
ハクウンボクはたくさんの花が咲き、たくさんの種子ができるのですが、そんなにたくさんある木ではありません。木の一生で、どの時期にどんなことが起こるのか、昆虫との関係、環境の影響などなど、名前は分っていても、細かく見ていけば、どの植物についても分らないことだらけです。
自分のことだって、自分がどんな人間か、どれだけ分っているのか疑問ですから、他の生物のことが分らなくても当たり前かもしれませんが・・・。
だからこそいつも何かの発見があって付き合い続ける楽しみがあるのかもしれません。

投稿: そよかぜ | 2009年12月15日 (火) 23時56分

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