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2009年11月20日 (金)

オオバコ

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 オオバコは維管束が丈夫で踏みつけに強く、人が歩くやや湿りがちの道などに見られます。 葉は根生葉のみで、地面に接して葉を広げています。 「オオバコ」は「大葉子」で、「子」は親しみを込めて付けられたものでしょう。 踏みつけが弱くいろんな植物が育つことのできる場所では、他の草に覆われて光合成が十分できずに負けてしまいます。
 私の幼少のみぎりには、舗装された道などはほとんど無く、通学路にはたくさんのオオバコが生えていて、その丈夫な花茎を根元から取り、二つ折りにして互いに引っかけあって引き合い、切れた方が負けという遊びをよくやっていました。

 そのオオバコは、今、種子散布の時期を迎えています。 種子散布の仕組みも、果実の様子も、なかなかおもしろいものです。 ただし、ルーペを用意しなければなりませんが・・・。

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 上は果実がたくさんついている花茎の一部を拡大したもので、種子はほぼ完成していて、いちばん上の果実では、もう種子が出てしまっています。 オオバコの果実では、そんな時期でも、ユニークな花の様子が理解できる程度に残っていることがよくあります。 上の写真でも、さすがにオシベは枯れてありませんが、花がほぼ原形を保ったまま、果実の薄い果皮にピッタリとくっついたようになっています。
 オオバコの花の下には1枚の包葉があります。 ガク片は4枚で、それぞれのガク片の主脈は丈夫になっていますが、そこから左右に広がる部分は膜質で、互いに重なり合い、くっつきあっています。 花弁は合弁で、花冠は先に向かうほど細くなり、先端のみ小さく4裂しています。

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 熟した果実は、外側にガクの残っている場所のすぐ上で、横に割れ(蓋果:がいか)、中には4~6個の種子が入っています。 下の写真は、ほとんどの果実が種子を放出してしまい、残った1つの果実の蓋(ふた)がまさに取れようとしている所で、4個の種子が見えています。

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 下は種子と果実の蓋です。

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 この種子を掌に受け、下を向けても、種子は落ちません。 種子はくっつきやすい性質を持っています。 と言っても、写真のようにトゲなどがあって物理的に物に引っかかるようなしくみではありません。
 オオバコは別名「車前草(しゃぜんそう)」と呼ばれています。 車といっても昔につけられた名前のこと、牛車や馬車のことですが、これらが通ろうとする前にある草、という意味です。 最初の所で人が歩く道に多いと書きましたが、これらの理由は、種子が靴や車輪にくっついて散布されるからです。
 下はオオバコの種子に水をたらしてしばらく置いたものです。 光の当て方がまずくて変な影が入ってしまいましたが、種子の周囲に透明な層ができています。 この部分には粘性があり、この粘着物質によって、オオバコの種子はいろんなものにくっつくことができるのです。 水の中に入れなくても、種子の表面が粘性を持つだけなら、ほんの少しの水分でよいようです。

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 オオバコの成熟種子、花期の全草を乾燥したものは、それぞれ車前子(しゃぜんし)、車前草(しゃぜんそう)という名の生薬で、日本薬局方に収録されていて、消炎、利尿、止瀉作用などがあります。

 

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コメント

維管束
まず、この言葉でつまづいてしまいました。

果実の仕組み?種子散布の様子?
う~~ん 苦手・・・・

うん?
拡大された部品の名前入りの写真や
詳しい説明で、なんとなく分かりかけてきました。

道端のオオバコ、ルーペで見てみようかな。

ちなみに、種子と果実の蓋って
0㍉の世界なんでしょうね。

投稿: わんちゃん | 2009年11月21日 (土) 23時27分

ぜひルーペで見てください。
小さいものを撮っているといっても、顕微鏡類は使っていませんから、ルーペを使えば観察可能です。

投稿: そよかぜ | 2009年11月22日 (日) 08時55分

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