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2009年11月15日 (日)

ナベヅル

 大阪府南部の田園地帯 ( 詳しい場所は伏せておきます:コメント参照 ) にナベヅルが3羽来ています。 オスの成鳥1羽とメスの成鳥2羽のようです。 最初に発見されたのは、11月13日の夕刻でした。
 この地には'05年にも、若鳥を交えた親子とカップルの計5羽のナベヅルが来ていました。 この時は11月3日に発見され、この地で越冬するかとも思われていたのですが、ねぐらにしていた近くの池の水が抜かれたためか、12月29日にカップルが、12月30日には親子も飛び去ってしまいました。
 このうち親子3羽は、'06年にも飛来したようですが、近くの池が工事中であったためか、降下せずに和歌山県の方向に飛び去るのが目撃されているようです。
 今年の3羽は、上記の観察を続けてこられた方の話によると、外観特徴から、その時の親子の可能性が大だという事です。

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  左の2羽がメス、右端がオス(だと思います)

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  飛び立つ瞬間

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 ※ 写真は2枚目を除き、クリックで拡大できます。

 ナベヅルのような大きな体になると、目立ちますのでイヌなどに襲われる危険性もあり、ねぐらの確保がたいへんですし、餌もたくさん必要です。 でもこの3羽はこの地が気に入っているようですし、地元の方たちも再度の飛来を待ち望んでおられました。
 この3羽がこの地で越冬できるよう、優しく見守っていきたいものです。

(追記:ナベヅルのその後について)
 このナベヅルたちは、時々数日間この地を離れることはありましたが、越冬し、'10年3月11日の朝までこの地にいてくれました。 その後、11日の夕刻に山口県周南市八代(下記参照)に着き、27日に仲間と共に北帰したとのことです。

【 ナベヅルについて 】
 ナベヅルは、体長約1m、成鳥は額が黒く、目の上が赤い色をしています。 頭から首は白色で、胴体は灰黒色をしていて、名前はこの色が煤のついた鍋を思わせることに由来します。 もっとも薪で煮炊きをしない現代では鍋の底が黒くなることもありませんが・・・。
 繁殖はシベリア南東部で行い、冬は日本や朝鮮半島・中国などの決まった場所で越冬します。 日本では、鹿児島県出水市と山口県周南市が主な越冬地で、特に出水市は、世界で最も多くのナベヅルが越冬する場所で、約8割の個体が集まっていると推測されています。

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コメント

ナベヅルを見守る地元の方たちの優しい思い
ナベヅルくんたちにきっと伝わりますよね。

助走をつけて、飛び立って、飛び去っていくところ
迫力ありますねぇ~~

エッ!
一羽を追っかけての連続的写真?
それとも
三羽いっぺんに飛び立ったの?
わからへん?????


ふと、気が付きました
おでこの模様が可愛い・・・・

投稿: わんちゃん | 2009年11月15日 (日) 23時08分

3羽はいつもピッタリくっついて行動しています。
3枚目の写真で、もう1羽は一瞬早く飛び立ちましたが、写真のすぐ左にいます。
タンチョウヅルに比べて地味な鶴だといわれていますが、顔をアップで撮ると、なかなかいい顔してますね。

投稿: そよかぜ | 2009年11月16日 (月) 07時14分

特定の地名を表示されるのはあまり好ましい事ではありません。
近年、マナーの悪いカメラマンが増えてます。
ナベヅルが安全に越冬できるためにも特定の地名の公表は避けるべきではないでしょうか。

投稿: お願い | 2009年11月19日 (木) 07時37分

ご意見ありがとうございました。
「○○市の田園地帯」等の表現で地域を特定できないようにし、私なりに大丈夫だと判断した地名のみを出したつもりであったのですが、いただいたご意見ではまだ不十分だとの印象を持たれたようですので、さらに書き改めてみました。
ただナベヅルが来た事とその顛末は記録しておくべきことだと思いますし、その事を踏まえて私たちと自然との関係を考えていくべきだと思います。
このような情報をみんな隠してしまうことは、環境に無関心な人を増加させることにつながり、人と自然の関係のあり方を改善する力にも行政を動かす力にもなってこないと思います。

投稿: そよかぜ | 2009年11月20日 (金) 01時34分

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