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2009年11月 1日 (日)

ノゴマ

 ノゴマは日本では北海道で繁殖し、冬は東南アジアを中心に、一部が南西諸島で暮らす鳥で、大阪などでは渡りの途中に見ることができます。 写真はオスで、オスの喉には赤い斑紋があります。 メスではこの赤い部分の面積が狭いか、多くの個体では白い色をしています。

Nogoma091029_1

 大阪付近の秋の鳥の移動についての概略を書いておくと、8月中旬に夏鳥の渡りが始まり、普段は見ることのできない平地で、夏鳥の姿を見ることができます。 そして9月中旬には冬鳥のカモたちが到着し始めます。
 そんな中にあって、北海道から移動してくるためか、大阪付近でノゴマを見ることができるのは比較的遅く、10月に入ってからになります。
 春の渡りと秋の渡りを比較すると、大阪付近を通過するという点では同じはずなのに、春にはよく見られるが秋にはあまり見られない鳥も、逆に春にはあまり見られないが秋にはよく見られる鳥がいます。 例えばコマドリは前者で、ほぼ 春:秋=9:1 の割合で、春によく見られます。 ノゴマは逆で、ほぼ 春:秋=3:7 の割合で、秋によく見ることができます。 繁殖地が大阪の平地に近いコマドリと異なり、まだまだ旅をして繁殖地を確保しなければならないノゴマにとっては、春は大阪付近では焦っていて急いで通過してしまい、秋にはゆったりとした気持ちで移動しているのかもしれません。

Nogoma091029_3

 上でノゴマとコマドリを比較しましたが、ノゴマの名前は「原野に生息するコマドリ」の意味です。 ノゴマとコマドリは地表近くで生活する点でも似ていますが、雄の複雑で美しいさえずりがコマドリに似ているところからとも言われています。 ただし、渡りの途中の大阪付近でこのさえずりを聞くことはできません。
 ノゴマは草原や灌木林で生活し、餌も主に樹上ではなく地上で探します。 巣を作る場所も草の根元やくぼ地で、繁殖期にさえずっている姿を除けば、なかなか姿を見せない鳥です。 この記事の写真は大泉緑地で撮ったのですが、ここでもヒラドツツジの植え込みの中に入っていて、なかなか姿を見せてくれませんでした。

Nogoma091029_4

 

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コメント

私には飛んでる小鳥はなおさらのこと、
じっとしている小鳥でさえ、カメラで追っかけるのはなかなかなんです。
よく撮れているなぁ・・・と思います

かわいいノゴマほっと癒されます
(実物、見たことないですが)

小鳥さんたちにもいろいろと都合があるようですね・・・・

投稿: わんちゃん | 2009年11月 2日 (月) 00時24分

> 小鳥さんたちにもいろいろと都合があるようですね・・・・

その「都合」に合わせなきゃならないのが鳥撮りの辛さでもあり楽しみでもあるんでしょうね。

投稿: そよかぜ | 2009年11月 2日 (月) 06時55分

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