ヒヨドリバナ
ヒヨドリバナは林道の脇などの日当たりの良い場所に自生するキク科の多年草です。 和名はヒヨドリが山から里に下りてきて鳴き声が聞こえる頃から咲き始める花であるところからと言われていますが、ヒヨドリの習性も変化して年中見られる身近な鳥になってしまい、秋の花だということは、この名前からは分かりません。 とにかく、ヒヨドリバナの花期はけっこう長く、8月には咲き始め、10月いっぱいは咲いています。
花はヒゲがたくさん出ていて何がなんだか分かりにくそうですが、キク科ですので複数の小花からなる頭花(頭状花序)からなっているのですが、この頭花がたくさん集まっています。
できるだけ分かり易いようにあまりたくさんの花が咲いていない状態を撮ったのが下の写真ですが、これをよく見ると、1つの頭花、つまり総包に包まれて一つの花のように見える部分は、3~5個の筒状花からなっています。
下の写真では、ほんとうの1つの花である筒状花が5枚の花弁からできていることも確認できると思います。 そして、花から飛び出しているヒゲ状のものは、筒状花の中央から二股に分かれて出ています。 じつはこれはメシベが2裂して長く伸びているもので、キク科のメシベの柱頭は2裂するものだということは、このブログのテイショウソウ、モミジガサ、ツワブキなど、キク科の他の花を見ていただければ納得していただけるでしょう。
ヒヨドリバナは形態に変異が多いのですが、生殖方法としては無性生殖型と有性生殖型があるということです。 これらに形態的な違いがあるのか確かめようとしたのですが、今年も分からないままにヒヨドリバナの花の時期の終わりを迎えてしまいました。
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コメント
ヒヨドリバナ~ 撮ってたよな?~~
何処でやったかなぁ??
と、ぶつぶつ言いながら、探していたら
ありました。
改めて、じっくり見ました、
うんうん、ナルホド・・・です。
投稿: わんちゃん | 2009年11月 4日 (水) 15時29分
ハラビロカマキリやシロモンノメイガなど、いろんな記事の背景としてヒヨドリバナを出していたのですが、改めて記事にしてみました。
投稿: そよかぜ | 2009年11月 4日 (水) 23時01分
>いろんな記事の背景としてヒヨドリバナを出していたのですが・・・・
2007年の頃はこのお花にはまだ出合ってなかったです。
今、改めて見てきました。
ハイ 今なら分かります。
投稿: わんちゃん | 2009年11月 5日 (木) 23時38分
秋に野道でよく目立ち、虫もよく来てているのがこのヒヨドリバナとオトコエシですからね。
そういえば、オトコエシもまだ記事にしてなかった・・・
投稿: そよかぜ | 2009年11月 6日 (金) 06時51分
園芸種のフジバカマのモシャモシャの花を見ながら、これはオシベ? メシベ? と悩んでいたところでした。
グッドタイミング、ありがとうございました。
ヒヨドリバナやフジバカマも筒の中にテイショウソウと同じくメシベを取り巻くオシベがあるのですね。
投稿: 夕菅 | 2009年11月 6日 (金) 18時14分
お役に立てて良かったです。
ヒヨドリバナのオシベは、小花の花筒からそんなにたくさん飛び出してはいませんが、葯がくっついてメシベを取り囲んでいるオシベは、3枚目の写真で、花筒の中に見える茶色の部分として、確認できると思います。
投稿: そよかぜ | 2009年11月 7日 (土) 00時21分