エフクレタヌキモ
エフクレタヌキモは北米産で、1991年に静岡県内の帰化が報告され、その後、マニアによってあちこちの池などに運ばれたのではないかと言われています。 神戸の池のエフクレタヌキモについては、2002年7月6日の神戸新聞に詳しく書かれています。
「エフクレ」の名前は、空中に伸びる花柄を中心として放射状に伸びる葉の柄が膨れていて、浮袋の役割をすることで花柄を支えていることに由来します。
花は黄色で、ミミカキグサやホザキノミミカキグサなどと同じタヌキモ属( Utricularia属 )ですので、基本的にはこれらと同じ左右相称の花のつくりをしているのですが、水中に浮遊するタヌキモ類の花の上下の向きはいい加減な傾向があるようで、上の写真のエフクレタヌキモの花も横を向いています。 下はその花の拡大ですが、このブログに載せたミミカキグサやホザキノミミカキグサと花の向きが同じになるように写真を90度回転させてあります。
「タヌキモ」の名前は、これらの水中に浮遊するタヌキモ類の葉が、細く細かく裂けていて、それがフサフサしたタヌキの尾のイメージにつながるところからだと言われています。
下のエフクレタヌキモの葉の写真のように、葉にはたくさんの小さな袋が付いていますが、この袋で水中の小さな生物を捕らえます。 よく見ると、この袋の葉とつながる柄の反対側に、2本の毛が生えています。 袋の中は外よりも低圧状態に保たれていて、ミジンコなどがこの毛に触れると、物理的にこの袋の蓋が開き、水と一緒に袋に吸い込まれてしまうしくみになっています。
| 固定リンク
「草1 合弁花」カテゴリの記事
- ウラジロチチコグサ(2014.06.26)
- ハルジオンとヒメジョオン(2014.05.31)
- ヤセウツボ(2014.05.22)
- フナバラソウ(2014.05.19)
- オオカワヂシャ(2014.05.05)
コメント
水中で広がっているのは根っこだと思っていたら、葉なのですね。
それにしても小さな世界がくっきり!肉眼ではとてもここまで確かめられません。
投稿: ひとえ | 2009年10月12日 (月) 22時46分
水中のものの撮影って、本当に難しいですね。やはり室内に持ち込んで、もっときっちり撮るべきでしたか・・・
投稿: そよかぜ | 2009年10月13日 (火) 23時14分
2枚目の写真で
浮き袋の役割を果たすという葉柄が6本という6という数に妙に気が入りました。
エフクレタヌキモのそれが全て6本というわけじゃないんでしょうね?
>ミジンコなどがこの毛に触れると、物理的にこの袋の蓋が開き、水と一緒に袋に吸い込まれてしまうしくみになっています
この様子って、ど~~っと吸い込まれて行くようなモンなんでしょうか?
なんせ見たことが無いんで、いろいろと想像するばっかりです。
大きさなんかも・・・・
ちっちゃいのかなぁ~~
投稿: わんちゃん | 2009年10月13日 (火) 23時21分
浮き袋の役割を果たす葉の柄の数は5~6本の場合が多いようです。
葉についている袋は、1mm前後のたいへん小さなもので、ミジンコなら1匹がようやく入れるくらいの大きさです。
投稿: そよかぜ | 2009年10月13日 (火) 23時53分