オギノツメ
オギノツメの学名 Hygrophila salicifolia の属名は「湿地を好む」という意味です。 今回の写真のオギノツメも、いつも水のある溝に生えていました。
オギノツメは、水に浸かったままでも生きていくことができますので、学名をそのままカタカナ書きし、「ハイグロフィラ サリチフォリア」という名前で、水草としてアクアリウムなどにも利用されています。 それほど水を好む植物です。 あまり人気のある水草ではありませんが・・・
そんな植物ですが、自生地は少なくなり、あちこちで絶滅危惧種に指定されています。 分布は静岡以西なのですが、人口密度の高い私の家の近所の田のように、隅々まで丁寧な除草が行われるような場所では、オギノツメのような植物が生えていることは期待できませんし、いつでも水がたまっているような場所は平らな場所、宅地などにどんどん開発されてしまっています。
オギノツメは、茎は30~50cmほどにまで伸び、長さ5~10cmほどの葉を対生させるゴマノハグサ科の多年草です。 8~10月には、その葉腋に長さ1cmあまりの小さな花を複数咲かせます。
ゴマノハグサ科の花も2唇形で、シソ科などの花に似ていますが、ゴマノハグサ科の果実は中に多数の種子を入れています。 上に書いたように、あちこちで絶滅危惧種に指定されているオギノツメですが、種子生産はちゃんと行われているようで、たくさんの果実ができていました。
オギノツメの名前の由来は分りませんが、湿地の植物ですから、オギ(荻)と混生して、この果実の集まった様子が、何かの動物の指の爪状に見える、ということかもしれませんね。
エフさんのブログなどによると、オギノツメはタテハモドキの幼虫の食草ということで、このチョウもとても撮りたいチョウですが、大阪府の近くでウロウロしているかぎりは無理なようです。
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コメント
こんばんは♪
花の後は見たことありませんでしたが本当に爪のような果実ですね
思い出してみるとタテハモドキはたくさん見かけましたが
オギノツメは数本見ただけです
数が合わない・・・
もう少し広い目で観察をしなくてはいけませんね
投稿: エフ | 2009年10月12日 (月) 23時06分
エフさんの所でもオギノツメは数本ですか・・・
写真の場所は本数はたくさんありましたが、小さな面積です。
よほど植物に関心のある人がいないと、珍しい植物があるとも知られないまま滅んでいくのでしょうか・・・
投稿: そよかぜ | 2009年10月13日 (火) 23時19分
見たことが無いので、
この花に似ているのがあったよなぁ・・・
>その葉腋に長さ1cmあまりの小さな花を複数咲かせます。
メハジキ、でも、葉っぱのつきかたとか様子が全然違うし住んでるところが全然違いますね。
>自生地は少なくなり、あちこちで絶滅危惧種に指定されています。
見ないうちに無くなってしまわないで・・・
ダイジョウブ?
投稿: わんちゃん | 2009年10月14日 (水) 00時11分
オギノツメはゴマノハグサ科で、メハジキはシソ科、写真では雰囲気は少し似ていますが、果実の様子は全く違います。
1枚の葉はオギノツメの方がずっと長いですし、メハジキの葉のように3裂することもありません。
写真のオギノツメは比較的幅のある溝に生えていて、溝の両脇の畦はきちんと草刈りがされるのでオギノツメに覆いかぶさる植物はいないし、溝にはいつも水があり、溝はたぶん所有者がはっきりしない場所で、そのため除草はあまりされないという、オギノツメにとっては理想的な場所でした。
こんな場所はどんどん減ってしまうのでしょうね。
投稿: そよかぜ | 2009年10月14日 (水) 00時30分