ムラサキシキブとコムラサキ
ムラサキシキブの実がきれいに色づいてきています。
ムラサキシキブの果実 葉の鋸歯は全体にある '09.10.18.滝畑にて撮影
ムラサキシキブの名前は「紫式部」につながり、名前も果実の色も優雅さを感じさせてくれますが、なぜこの果実が「ムラサキシキブ」なのか。 どうもたくさんの実が重なり合うようについているところから、紫色の「頻(し)き実」つまり「ムラサキシキミ」が元になっているようです。 ちなみに「頻(しき)る」は「降りしきる雨」などの「しきる」です。
下はムラサキシキブの枝先ですが、もう来年の芽が準備されています。 ムラサキシキブの芽には芽鱗が無く、芽は小さな葉そのもので、「裸芽」と呼ばれています。
ところで、園芸店で「ムラサキシキブ」として売られていて、よく庭などに植えられているのは、ほとんどの場合、ムラサキシキブではなくてコムラサキという別の植物だということは、「ムラサキシキブの花」の所でも書きました。 コムラサキは全体に小型でやさしく枝垂れますので、3m程度にまで大きくなるムラサキシキブよりは庭などに適していますが、名前は「ムラサキシキブ」の方がいい、ということなのでしょう。
コムラサキは園芸的に改良もされ、実も大きくなり、白い実のものも作られて、よく植えられています。
ムラサキシキブとコムラサキを見分けるポイントは、ムラサキシキブの葉は全体に鋸歯がありますが、コムラサキの葉の鋸歯は中央付近から先にだけあります。 また、ムラサキシキブの花序は腋生であるのに対し、コムラサキの花序は腋上生で、葉の付け根から数mm上に離れてつきます。 下に白い実のコムラサキの写真を載せておきますので、比較してみてください。
コムラサキ(白実) 花や実をつける枝は葉から数mm離れて出る
| 固定リンク
「木2 落葉樹」カテゴリの記事
- ツリバナ、ヒロハツリバナ、フウリンツリバナ(2022.11.14)
- スズランノキ(2021.11.04)
- コジキイチゴ(2014.07.06)
- ジャカランダ(2014.07.01)
- アジサイの花(2014.06.24)
コメント
ムラサキシキブの花だけを撮ってました。
葉っぱには気がつきませんでした。
ウチのコムラサキ、さっそく検証
>コムラサキの葉の鋸歯は中央付近から先にだけあります。その通り・・・・
>コムラサキ、花や実をつける枝は葉から数mm離れて出る。ハイその通り
あのう・・・
葉っぱは対生?
ちなみに我が家のコムラサキは紫色の実。
投稿: わんちゃん | 2009年10月25日 (日) 00時25分
> あのう・・・
> 葉っぱは対生?
対生です。最後の写真の葉は1枚取れていますが・・・。
> ちなみに我が家のコムラサキは紫色の実。
私も紫の方が好きなんですが、たまたま手元にあった写真が白だったもので・・・。
投稿: そよかぜ | 2009年10月25日 (日) 09時07分
こんにちは。
こに時期は、ムラサキシキブの実がとても綺麗ですね。名前の由来がよくわかりました。
投稿: 多摩NTの住人 | 2009年10月25日 (日) 09時41分
園芸的に改良されたコムラサキに比較するとムラサキシキブの実は小さいのですが、やはり自然の中に生えているムラサキシキブはいいですね。
投稿: そよかぜ | 2009年10月25日 (日) 10時15分