ケケンポナシ
ケケンポナシはクロウメモドキ科の落葉高木です。 秋に直径数ミリの果実が熟しますが、この果実の軸が膨らみ、これから秋が深まると、果実とこの膨らんだ部分がくっついたまま、落ちてきます。 膨らんだ部分は梨に似た味(?)がして、この部分を種子と一緒に動物に食べてもらうことで種子散布しようという“魂胆”なのでしょう。 ちなみに人がこの部分を食べた場合、二日酔いに効くと言われています。
ケケンポナシは「毛のあるケンポナシ」の意味で、葉の裏面や果実などに短い毛が密生しています。 なお、ケケンポナシとケンポナシは別種で、葉の様子も、毛の有無以外にも、ケケンポナシの鋸歯は浅くて不明瞭ですが、ケンポナシの鋸歯は粗いなどの違いがあります。 本州や四国では、ケケンポナシの方がケンポナシよりも多く見られます。
※ ケンポナシについては、こちらからpandaさんの記事にリンクしています。
「ケンポ」についてはいろんな説がありますが、一説には「玄圃」つまり崑崙(こんろん)山上にある仙人の住処だと言われています。 この説によれば、ケケンポナシは、「毛のある、玄圃の梨」ということになります。
葉は煎じて飲み、肝臓に良いと言われていますが、これにはおもしろい性質があるようです。 アカテツ科の Synsepalum dulcificum の果実には、すっぱいものを甘く感じさせる成分が含まれていて、ミラクルフルーツと呼ばれていますが、このケケンポナシの葉に含まれるホベニン(Hovenin)という配糖体は、舌の甘さを感じる部分に作用して、甘さを感じなくさせる性質があるとのことです。
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コメント
梨に似た味がするという、果実の軸の膨らんだ部分を、食べると二日酔いに効く?とか?
葉は煎じて飲むと、肝臓に良いと言われていますが・・・・
これからのシーズンお酒を飲む機会が増えてきますよね、
ケケンポナシ、酒飲みシーズンのビフォァ&アフターに欠かせない????
投稿: わんちゃん | 2009年10月20日 (火) 15時39分
二日酔いにどれくらい効果があるのでしょうね。
よくお酒を飲む人は庭にケンポナシを植えましょう、ですか?
でも、木はかなり大きくならないと実はつけないようです。
山村の民家の庭に植えられているのは時々見ますが・・・
投稿: そよかぜ | 2009年10月21日 (水) 00時15分