ミズトラノオ
ミズトラノオは水辺に生えるシソ科の多年生草本です。 池などの止水の水辺が改修工事などによって減少し、この美しいミズトラノオの見られる場所はたいへん少なくなってしまいました。
ミズトラノオの葉は線形で、3~4枚ずつ輪生します。 花穂は茎の先にできて、淡紅色の花を密生します。
花が密生した状態では何がなんだか分らないので、下は若い花を1つ写したものです。 4本のオシベと1本のメシベが花冠を超えて長く伸び出しています。 中ほどに長毛を密生している4本がオシベで、先端には小さな葯がついていて、花粉が出はじめています。 写真の斜め下に伸びている長毛の無いのがメシベです。 まだこの状態では、メシベに受粉能力はありません。
下はもう少したくさんの花を写したものですが、多くの花のメシベの先端が2裂しています。 ミズトラノオも他の多くのシソ科の花と同様に雄性先熟の花で、柱頭が2裂してはじめて、その内側で受粉できるようになります。
最後に1枚、少なくなったミズトラノオを惜しみ、少し芸術的に撮った写真を載せておきます。
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コメント
芸術的な写真、抒情があっていいですね~。
水辺に写った青い空・・。
それにしても植物によって、色々な子孫繁栄の方法があるのですね。
ここでうんうんと納得しても、次の日には忘れてしまう悲しさ。
投稿: ひとえ | 2009年9月23日 (水) 22時47分
> 植物によって、色々な子孫繁栄の方法があるのですね。
みんなと同じじゃ競争だけが残ります。
それぞれ個性的に生きてこそ共存できるのでしょうね。
投稿: そよかぜ | 2009年9月24日 (木) 00時03分
>池などの止水の水辺が改修工事などによって減少し、この美しいミズトラノオの見られる場所はたいへん少なくなってしまいました。
ザンネンです。
芸術的写真、歴史的貴重な一枚になるかも?
あたりは夕刻間近ですか?
投稿: わんちゃん | 2009年9月24日 (木) 16時00分
> あたりは夕刻間近ですか?
撮ったのは午後4時、夕方の気配が少しある程度です。
この写真を撮った時は、逆光の水面からの反射で、水面に映る空の色を写そうとするとミズトラノオが真っ黒に、ミズトラノオの色を出そうとすると水面が真っ白になる状況でした。
そこで、どっちつかずの写真を撮って、いろいろ補正したのですが、その過程で、水面に映る雲の赤っぽい要素が強調されています。
投稿: そよかぜ | 2009年9月25日 (金) 00時51分