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2009年8月17日 (月)

スミナガシ

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 スミナガシは山地で見られ、花には来ず、樹液や動物の排出物に集まるチョウです。
 金剛山の登山道を歩いていると、スミナガシ(夏型)が・・・ 近づいても飛び立ちません。 よく見ると、赤い口を伸ばして、糞から汁を熱心に吸っています。 ちなみに春型は小型で、白斑が大きくなっています。
 イタチなどは、自分のなわばりのサインスポットとして、石の上など目立つ所に糞でマーキングします。 その糞が前夜の雨に濡れて、ちょうどスミナガシの好みの状態だったようです。
 写真を撮っていると、別の1頭が、しばらくするとまた別の1頭がと、合計3頭になりました。

Suminagasi090808_1

 とまって暫くはバタバタしていますが、落ち着くとみんな“食事”に熱心で、いくらカメラを近づけても平気で、写真は撮り放題。 でも撮った写真をPCでチェックすると、あまりにも糞がリアルすぎて・・・ ですから、ここでは暗めの写真やトリミングで糞をカットした写真しか載せていません。 もっときれいな翅の写っている写真がいっぱいあるのに・・・

 スミナガシは自然光の条件下では白いちいさな斑点を散りばめた黒っぽいチョウで、よく見ると墨の濃淡で書いたような複雑な模様を持っています。 (エフさんがブログに樹液に来ているスミナガシを載せています)
 でもフラッシュの光を真上近くから当てると、翅の反射率が大きいのか、自然光の条件下とは違った美しい色を見せてくれます。 下の写真の2頭は、同様の光の当て方をすると同様の色に見えるのですが、光の当たる角度の違いで、かなり違った色に見えています。

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 スミナガシのオスとメスの差はあまり無いと言われています。 でも観察した3頭の、フラッシュの光を真上から当てた翅の色を比較すると、明らかに2種類に分かれました。 少し大きな1頭の前翅は褐色みを帯びていますし(下の写真の左)、少し小さめの2頭の前翅は、後翅と同じく、青っぽい色になります(下の写真の右)。 たぶん前者がメスで、後者がオスなのだと思います。

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 昆虫の見ている色彩世界と私たち脊椎動物の見ている世界とは全く違います。 昆虫には波長の長い赤い色は見えませんが、紫外線領域の光を見ることができます。 これだけフラッシュの光を反射するということは、もしかしたら、鳥には黒っぽい目立たない色に見えることで餌になることを逃れ、スミナガシの仲間同士では、美しい色を見せ合っているのかもしれません。

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昆虫05 チョウ」カテゴリの記事

コメント

おはようございます♪
光を当てると青みを帯びて綺麗ですね~
人間とは違う色を見てるんですね蝶たち
目に見えている世界も一筋縄ではいきませんね
色が見える仕組みは何回学んでもハテナハテナです

投稿: エフ | 2009年8月17日 (月) 08時43分


>青っぽい翅の色がキレイ!!

とても獣糞が・・・とは思えないです。

>赤い口を伸ばして、糞から汁を熱心に吸っています。

ビックリ

エフさんの撮ってらっしゃるのも
赤い長い口が写ってましたね。

投稿: わんちゃん | 2009年8月17日 (月) 17時02分

雌雄の違いの少ないスミナガシも、スミナガシの眼で見ればオスとメスは全く違う色なのかもしれません。
青は紫外線領域に近いですから、スミナガシの眼で見れば、オスは輝いていて、私たちの眼で見て目立つ口は、スミナガシには黒く見えているのでしょう。

投稿: そよかぜ | 2009年8月17日 (月) 23時18分

夜の蝶ではないけれど、フラッシュを当てると鮮やか色が浮かび上がるあたり、まるで夜の蝶のような(笑)。
教えてもらわなければ、食材が何かわからないので平気で見られますが、ご存知だとリアル過ぎるのですね。
わたしたちとご本人さんとでは見える色が違っている・・びっくりです。

投稿: ひとえ | 2009年8月18日 (火) 09時27分

「夜の蝶」の太陽の下での姿は、などとたわいもないことを考えているうちにふと思ったのですが、なぜ太陽光が当たった場合とフラッシュの光が当たった場合とで、こんなに色が違うのか・・・
また謎がひとつ増えました。

投稿: そよかぜ | 2009年8月18日 (火) 23時08分

はい、仮説で~す(笑)。
蝶と人とでは識別できる波長が違うように、太陽光とフラッシュの光もまた波長が違うので、羽の模様の反応も違う???
あれ?
蝶は昼間にフラッシュに当たったような色彩を見てるのでしょうか?
わたしなどには計り知れない世界です。

投稿: ひとえ | 2009年8月19日 (水) 20時13分

チョウは私たちとは全く違った色を見ていますので、私たちの言葉で表現するのは無理でしょう。
人でも目にある赤い色を感じる色素に遺伝子多型が知られていますから、人によって赤の感じ方は目のレベルで異なります。それが脳でどのような処理がされているかとなると、全く判りませんから、ひとえさんと私とでも、同じ色の世界に住んでいるとは限らないのですよ。

投稿: そよかぜ | 2009年8月20日 (木) 07時34分

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