アカミゴケ
上はアカミゴケ(の仲間)です。 名前は「赤い実をつけるコケ」という意味ですが、アカミゴケはコケの仲間(蘚苔類)ではなく、地衣類です。
地衣類は、菌類(カビ・キノコの仲間)が藻類を取り込んだ状態で、つまり2種類の生物が深い共生関係になり、あたかも1種類の生物のように暮らしています。 藻類は光合成による炭水化物を菌類に与え、菌類は藻類に住処と水分などを提供します。
アカミゴケの赤い部分は、地衣が胞子を作る場所で、「子器」と呼ばれています。 この子器から飛び出した胞子が発芽すると、菌類が作った胞子ですから、菌糸になります。 これが元の地衣に戻るためには、近くにいる藻類を取り込みつつ生長しなければなりません。 もし藻類に出会えなかったら、死ぬしかないのでしょう。 ですから、多くの地衣は、無性生殖によっても繁殖を続けるしくみを持っています。
白っぽい緑のアカミゴケの体表は、細かい粉状のもので覆われています(上の写真はクリックで拡大できます)。 これを「粉芽」などと呼んでいますが、この粉は菌糸と藻が絡み合ったもので、この粉が飛び散り、新しいアカミゴケになっていきます。
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コメント
お花が咲いて実が生って種が取れて・・・
というだけが植物じゃないですね。
いろんな生き方があるって解りました。
自分だけで生きていけない、
えっ!じゃぁどうするの??
これこれこうゆう生き方がおますんや~~
投稿: わんちゃん | 2009年8月15日 (土) 16時32分
地球上にはいろんな生物がいるものです。
私たちが普通に見ている植物のように光合成できないで“ご飯”を食べなきゃ生きていけない菌類が、自分の体の中の“畑”で食物を育てていると考えればどうでしょうか。
投稿: そよかぜ | 2009年8月15日 (土) 18時38分
以前どこかで出会ったような微かな記憶・・・
今度出会ったら名前で呼べそうです。
名は体を表すような名前は物覚えの悪いわたしには助かります。
でも苔ではなくて地衣類・・このあたりから難しい、です。
投稿: ひとえ | 2009年8月15日 (土) 21時32分
そんなに珍しいものではないですから、きっとどこかで出会っていると思います。
地衣類も種類が多く、ウメノキゴケの仲間はよく目にします。ツメゴケも地衣類です。
投稿: そよかぜ | 2009年8月16日 (日) 00時11分
最近のこと、このアカミゴケに出会いまして、
さっそくblogにと・・・
「名前は「赤い実をつけるコケ」という意味ですが、アカミゴケはコケの仲間(蘚苔類)ではなく、地衣類です。」
「菌類と藻類の共生体です。」
↑この部分、記事に引用させていただきました
ヨロシクです。
投稿: わんちゃん | 2012年8月20日 (月) 09時24分
了解しました。
投稿: そよかぜ | 2012年8月20日 (月) 23時34分