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2009年8月11日 (火)

スズサイコ

 木津川の堤に行きたかったのは、ホソオチョウ以外にもう1つ、スズサイコの花を見たかったからです。
 スズサイコはガガイモ科カモメヅル属に分類され、平地の草原に稀に見られる植物です。 以前、自宅近くの鉢ヶ峰の田の畦に1本だけあるのを見たことがありますが、今はどうなっているのか・・・ わんちゃんに案内された木津川の堤では、あちこちで花を見ることができました。(わんちゃんの記事へはこちらから)
 スズサイコの仲間にはツル植物が多く、葉も幅の広いものが多いのですが、スズサイコは直立し、葉の幅も、たいへん細くなっています。

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   5月30日 わんちゃん撮影

 スズサイコの花は夜に開き、午前中の早い時間に閉じてしまいます。 「日本の野生植物Ⅲ」(平凡社)には「花は早朝に開き、日が当たると閉じる性質がある。」とありますが、花の開いている時間はそんなに短くはないものの、季節によって異なるのかもしれません。 8月に私が観察した時には、午前8時には、まだしっかりと咲いていて、10時前には閉じかけていました。

 花の色は、黄緑色から赤っぽいのまで、変化がありました。

Suzusaiko090806_2

Suzusaiko090806_3

 ガガイモ科の花のつくりには複雑なものが多く、スズサイコの花もまたしかりです。

Suzusaiko090806_1n

 小さなガクの上に、丈夫そうな花弁があります。 深く裂けてはいますが、合弁花です。 花が開いている時は、花弁の縁は裏へ反り返っていて、花弁が細く見えますが、花が閉じる時には、この反り返りはなくなり、内部をしっかりと保護しているように見えます。
 メシベと5本のオシベは合着しており、蕊柱(ずいちゅう)と呼ばれています。 蕊柱の頂は、平らで中央が少しへこんでいます。 この部分は柱冠と呼ばれています。 この蕊柱にぴったりとくっついて、副花冠と呼ばれるものがあります。
 蕊柱には溝があり、蜜はこの奥の空間に貯められています。 昆虫がこの蜜を吸おうと細い口を差し込んで動かしていると、この溝の縁には細かい上向きの刺があり、そのせいで、昆虫の口は次第に持ち上げられ、写真の「花粉塊の小球」と書いた部分を下から持ち上げる形になります。 表面からは見えませんが、この花粉塊の小球の左右には花粉塊がついていて、これが昆虫の口にくっついて、運ばれるというしくみになっています。 このあたりのことは、花のつくりのよく似たガガイモの記事を参考にしてください。

 花の後には、ガガイモ科特有の細長い果実(袋果)ができます。 若い果実に、ヒメジュウジナガカメムシが来ていました。
※ この記事の最初の写真にも、交尾しているヒメジュウジナガカメムシが写っています。

Himejuuji090806_1

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コメント

ちょっと変わったお花やなぁ、
とは思てたんですが、
お花のつくりは、なんと複雑なこと・・・

こんなに詳しい説明を見て感激しました。
お陰で、ぜ~んぜん気がついてなかったスズサイコの花の構造が良くわかりました。
有り難うございました。
でも理解のほどは謎??

投稿: わんちゃん | 2009年8月11日 (火) 23時28分

複雑な花のつくりも有性生殖をして子孫を残すためなのですが、どんな虫が花粉媒介をしているのか、花に来ている虫に気がついたら、また教えてください。

投稿: そよかぜ | 2009年8月12日 (水) 23時10分

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