ツヤエリホコリ
昨日のニホントカゲの3枚目の写真に写っていた黒いツブツブをもう少し拡大したものが、下の写真です。 ツブツブはこの写真よりもかなり広い範囲で見られるのですが、あまり広い範囲を写すと、一つひとつのツブツブが小さくなってしまいますので・・・
じつはこのツブツブ、さらに拡大したのが下の写真ですが、粘菌(真正粘菌)の仲間の「子嚢(しのう)体」です(以下、「嚢」はひらがな書きにします)。 種類はたぶんツヤエリホコリだと思います。
横から見ると、柄があります。 光沢のあるものと無いものが見えますが、子のう壁(子のう表面の膜)に光沢があり、光沢の無いものは、この膜が破れ、これから子のう胞子を飛散させようという状態です。
粘菌(真正粘菌)についての記載はムラサキホコリの記事に書きましたので、ここでは重複を避けることにします。
ツヤエリホコリは、春~秋、特に夏の初めによく見られる粘菌です。 変形体は倒木の内部で生活をしていて、この時期に倒木の表面に出てきて子のう体を形成します。
写真のツヤエリホコリは、切られた丸太が立てかけられたままで腐った表面に子のう体を形成していました。 2枚目の写真がよく分かると思いますが、子のう体を形成している場所は、いずれも倒木の内部から這い出てきた割れ目や窪みのすぐ傍です。
ツヤエリホコリのすぐ側には下のような子のう体もありました。 こちらはコムラサキホコリの仲間でしょうか。
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コメント
ホコリ族(属)が発生するのは、
朽木で、若いみずみずしい樹には
興味は無いのでしょうか?
投稿: わんちゃん | 2009年8月 3日 (月) 23時45分
アメーバ状の変形菌が元気に生活してこそ、子のう体が形成されるわけで、みずみずしい樹には餌がありません。
投稿: そよかぜ | 2009年8月 4日 (火) 07時05分
はぁ?
みずみずしい樹には餌が無いのですか?
そうなんですか?
山の中の倒木もワケアリなんですね。
どかさない方がいいんですね?
投稿: わんちゃん | 2009年8月 4日 (火) 22時16分
腐った木を餌にして生きている生物はたくさんいます。
見方を変えれば、そのような生物が生きるために木のある成分を変化させたり分解したりすることで、木の状態が変化する、その現象を私たちは「腐った」と表現しているわけです。
粘菌の場合は、木の状態を変化させている細菌や菌類などを“食べる”ことで生長しています。
> 山の中の倒木もワケアリなんですね。どかさない方がいいんですね?
これは別問題。誰が何のために何をするかという、私たち人間の問題です。
投稿: そよかぜ | 2009年8月 5日 (水) 06時52分