アメリカネナシカズラ
アメリカネナシカズラがメドハギに取り付き、たくさんの花や実をつけていました。 通常は直立傾向にあるメドハギも、アメリカネナシカズラのたくさんの実の重さに耐えられないようです。
アメリカネナシカズラは葉緑体を持たない1年性の寄生植物です。 今回の“犠牲者”はメドハギでしたが、いろんな植物につきます。 種子から発芽する時は土中に根を伸ばしますが、宿主に取り付くと、「ネナシカズラ」の名前のように、根は無くなり、水分も栄養分も宿主から奪い、自身はひたすら花を咲かせ、種子生産に励みます。
分類上はヒルガオ科に属するのですが、アサガオやヒルガオなどに似ている点といえば、ツル植物であること、果実が円いこと、オシベが5本であることなどが挙げられますが、花を比較して見比べるには、あまりにも小さな花ですね。
上はアメリカネナシカズラのツボミ、花、果実と吸盤状の寄生根が揃っているところを写したものです。 特に花の様子は、似た仲間と区別するうえでも、詳しく写したかったのですが、径3mmの花、そのうえガクも花弁もオシベの花糸もメシベの花柱も白、なかなかきれいには写りません。 下は上の写真の左側をトリミングして拡大したものですが、これでもよく分からないので、スケッチを書き加えておきました。
ネナシカズラの仲間(Cuscuta属)には、花冠の内部に5個の鱗片を持っています。 アメリカネナシカズラではこの縁がふさ状に裂けた鱗片が発達して子房の表面を覆っています。 上のスケッチにも書いてありますが、これも白色ですので、なかなかうまく写真に写りません。 下の写真の左下の花では、少しは判るでしょうか。
アメリカネナシカズラが帰化していることは、1970年代に発見されました。 日本在来の似た植物としては、ネナシカズラ、マメダオシ、ハマネナシカズラなどがあります。 スナヅルも一見よく似ているのですが、こちらはクスノキ科です。
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コメント
こんにちは。
ネナシカズラは面白い植物ですね。花は小さいですが整った形をしていると思います。こちらのご説明でよく理解できました。有り難うございます。
投稿: 多摩NTの住人 | 2009年8月30日 (日) 12時09分
ナント!!
スゴイ根性・・・
でもこんなの見たこと無い。
お花はカワイイのに・・・・
と、去年のこと・・・・
あれから1年と少し、まだ、見てません。
投稿: わんちゃん | 2009年8月30日 (日) 12時54分
多摩NTの住人さん、アメリカネナシカズラも1年性ですので、来年はこの場所の近くで見ることができるという保障が全くありません。だからこそ、見つけるとうれしいのでしょうね。
わんちゃんの去年のことというのはスナヅルのこと? この記事からはまだ7ヶ月経っていないし・・・
投稿: そよかぜ | 2009年8月30日 (日) 21時43分
そよかぜさん 私の説明不足でした
スナヅルをクリックしましたら
エフさんへのアメリカネナシカヅラとネナシカヅラへ飛びまして、ふと見ましたら
↑のようなコメントを残しておりまして・・
投稿: わんちゃん | 2009年8月31日 (月) 01時21分
スミマセン
↑の訂正です。
アメリカネナシカヅラ→アメリカネナシカズラ
ネナシカヅラ→ネナシカズラ
投稿: わんちゃん | 2009年8月31日 (月) 01時25分
なるほど、エフさんのアメリカネナシカズラでしたか。
投稿: そよかぜ | 2009年8月31日 (月) 06時58分
つい最近、観察会でアメリカネナシカズラに出会って、またウチの近所の散歩道ででも出会って、お花の構造の参考に、こちらの方リンクお願いします。
投稿: わんちゃん | 2016年7月28日 (木) 11時18分
リンク了解です。
投稿: そよかぜ | 2016年7月28日 (木) 13時38分