クルマバナ
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ススキの葉に作られたピラミッド状の巣、手前の巣は真横から撮りすぎて四角錐の形が分り難くなっていますが、奥の巣はその形がよく分かります。 これはカバキコマチグモの巣です。
「カバキ」は樺色~黄色という色を表し、「コマチ」は小野小町からきていて、美しいからというのですが、このあたりは名前をつけた人の感性でしょう。 ちなみに、在原業平に由来する名前をもらったナリヒラグモというクモもいます。
美しい名前だと思って油断するのは禁物、カバキコマチグモは在来種では最も強いと言われている毒をもっています。 こんな巣を見つけると中を見たくなるものですが、葉を解く場合には、咬まれないように注意が必要です。
カバキコマチグモは、ススキの葉などで、いろんな巣を作ります。 普段でも昼間は葉を巻いた住居に潜んでいて、夜に徘徊して昆虫類を捕食するのですが、他にも脱皮用などの巣を作ります。 しかし、こんなにきちんと厳重に閉じられた巣は産室です。
下は、だれかに(私ではありません)巣を解かれたカバキコマチグモが補修中。 下の方には丸い卵のうが見えます。
上の写真は、巣の作られ方の理解には役立つのですが、やはりカバキコマチグモの姿をはっきり見たい。 補修中の巣を再度壊すのはかわいそうなので、別の巣を解いて(陰の声:こっちのクモはかわいそうじゃないのか!)クモの全身を撮ったのが下の写真です。 黒く大きな顎が光っています。
以前このブログにハマキフクログモの記事を載せましたが、カバキコマチグモも同じで、メスは巣の中で卵を守り、子グモが孵ると自らの体を子グモの餌とします。
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アメリカネナシカズラがメドハギに取り付き、たくさんの花や実をつけていました。 通常は直立傾向にあるメドハギも、アメリカネナシカズラのたくさんの実の重さに耐えられないようです。
アメリカネナシカズラは葉緑体を持たない1年性の寄生植物です。 今回の“犠牲者”はメドハギでしたが、いろんな植物につきます。 種子から発芽する時は土中に根を伸ばしますが、宿主に取り付くと、「ネナシカズラ」の名前のように、根は無くなり、水分も栄養分も宿主から奪い、自身はひたすら花を咲かせ、種子生産に励みます。
分類上はヒルガオ科に属するのですが、アサガオやヒルガオなどに似ている点といえば、ツル植物であること、果実が円いこと、オシベが5本であることなどが挙げられますが、花を比較して見比べるには、あまりにも小さな花ですね。
上はアメリカネナシカズラのツボミ、花、果実と吸盤状の寄生根が揃っているところを写したものです。 特に花の様子は、似た仲間と区別するうえでも、詳しく写したかったのですが、径3mmの花、そのうえガクも花弁もオシベの花糸もメシベの花柱も白、なかなかきれいには写りません。 下は上の写真の左側をトリミングして拡大したものですが、これでもよく分からないので、スケッチを書き加えておきました。
ネナシカズラの仲間(Cuscuta属)には、花冠の内部に5個の鱗片を持っています。 アメリカネナシカズラではこの縁がふさ状に裂けた鱗片が発達して子房の表面を覆っています。 上のスケッチにも書いてありますが、これも白色ですので、なかなかうまく写真に写りません。 下の写真の左下の花では、少しは判るでしょうか。
アメリカネナシカズラが帰化していることは、1970年代に発見されました。 日本在来の似た植物としては、ネナシカズラ、マメダオシ、ハマネナシカズラなどがあります。 スナヅルも一見よく似ているのですが、こちらはクスノキ科です。
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ススキの根元に生えるナンバンギセル、葉は見当たらず、細く長い花茎の先に、大きな舟形のガクと紅紫色の花冠、なかなか美しい寄生植物です。 地下には短い茎と鱗片状に退化した葉があるのですが、もちろん光合成は行わず、ススキなどの植物から栄養分を奪って生活しています。 花の紅紫色は、薄いものから濃いものまで、かなりばらつきがあるようです。
花は斜め下を向いています。 中を覗き込むと異様に大きな黄色い柱頭が目立ちます(下の写真)。 昆虫の眼には赤い色は見えませんから、暗い色の中心部で、明るい柱頭が虫を誘っているのでしょう。 見ていると、ハナバチの仲間が花の中に入っていきました。
花の断面を作ってみました(下の写真)。 花を切るとヌルヌルします。 このヌルヌルは乾燥に耐えるためなのでしょうか?
中はいちだんと濃い紅紫色で、大きな柱頭のメシベは大きな子房に続いています。 子房の中は、写真では識別しにくいような細かい胚珠がぎっしり。 寄生植物は他の植物の栄養分を横取りし、ずるくて楽な生活をしているようですが、宿主(しゅくしゅ)に出会えないと生きていけません。 出会える確率は低いものでしょう。 ですから、たくさんの種子を作っておかねばなりません。
オシベは左右に2本ずつの計4本で、花冠筒の壁から出ています。 上の写真では、花糸が2本写っているので、2本のオシベがあることは想像できますが、何がどうなっているのか、よく分かりません。 じつは2つの葯が写真の手前と奥に重なって写っていて、どちらも既に花粉を出してしまって、花粉の出るところが茶色く痩せていて、それがくっついて判りにくくなってしまっています。 葯の形は全く違っていて、手前に写っている葯は距のような部分がありますが、奥にある葯はそのようなものは無く、手前の葯にその大部分が隠されています。 つまり、手前に写っている葯の方がかなり大きいのですが、これは花糸の太さの違いにもなっています。
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写真はワルナスビの葉の上にいるツマグロオオヨコバイです。
ツマグロオオヨコバイはあちこちでよく見るのですが、「横這い」の名前のようにすぐ横に歩いて葉や茎の裏側に回られたり、英語では「Leafhopper」と言われるように、ジャンプされてしまったりで、なかなか撮れず、やっと撮れたという感じです。
ウンカの仲間の単眼が複眼の下方にあるのに対し、ヨコバイの仲間やアワフキの仲間はセミの仲間に近く、単眼は複眼の間にあります。 ただし、セミの仲間の単眼は3個ですが、ヨコバイの仲間の単眼は2個です。 上の写真でも下の写真でも、よく見るとオレンジ色の小さな単眼が写っています。(写真をクリックして拡大して見てください)
上下どちらの写真にも、翅に沿って櫛状のトゲのはえた足が写っています。 長い後足をいったん体の前方に向け、中足の前で折り曲げて体に沿って後方にのばしているもので、アワフキの仲間が、この部分には2本のトゲしかないのに対し、ヨコバイの仲間の後足には、このようにたくさんのトゲがあります。
※ 単眼、複眼、黒斑の区別が判りにくいとのコメントをいただきましたので、下に追加しておきます。
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コブシの葉にアカスジキンカメムシの幼虫がいました。 いちばん上にいる1頭は5齢、他は4齢です。 一見大きさが少し違うだけでよく似ているようですが、背盾板の大きさと形がかなり違っています。
この成虫はこちらで記事にしていますが、2齢~3齢幼虫は黒地に赤筋、4齢~5齢は黒地に白筋、そして成虫は緑地に赤筋と、とにかく派手なカメムシです。
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シロオニタケは夏から秋に、里山のコナラ・マツの混生林やシイ・カシ林などに発生するキノコです。
シロオニタケは昨日記事にしたタマゴタケと同じテングタケ科のキノコですので、両者を比較しながら見ていくことにします。
球形の幼菌を覆っていた膜は、シロオニタケの場合はもろいもので、キノコが育ってくるにしたがって、はちきれて、尖った錘状のイボになります。
下の写真の左端の幼菌はまだほぼ球形を保っていますが、傘になる部分が成長をはじめて少し盛り上がりかけている部分では、既にイボ状になりかけています。 中央や右の幼菌では既に傘になる部分がはっきりしていて、イボ状の突起に覆われています。 でも、小首をかしげたような幼菌の姿は、なかなかかわいいものですね(下の写真)。
上に書いたように、シロオニタケの幼菌の表面を覆っていた膜は、タマゴタケのような丈夫なものではありませんので、タマゴタケで見られたような「つぼ」としては残りません。 タマゴタケの「つぼ」に相当するものが、シロオニタケではキノコの成長と共にボロボロになり、イボ状になってキノコ全体の表面に分散してしまったと理解すればいいでしょう。
傘の裏の胞子を作る部分を覆っていた内被膜が傘の成長と共に破れるのはタマゴタケもシロオニタケも同じですが、タマゴタケの場合は傘の縁から内被膜が離れるのに対し、シロオニタケの場合は、条件によってはタマゴタケのようになることもありますが、多くの場合、破れた被膜は、傘の縁にくっついて垂れ下がり(下の写真)、まもなく脱落してしまいます。 つまり、シロオニタケの場合は、タマゴタケで見られたような「つば」も、多くの場合、見ることができません。
上の写真からさらに時が経過すると、傘は広がり、水平からやや反り返るまでになります(下の写真)。 テングタケ科のキノコでは、このような傘の姿になるものがほとんどです。
傘の表面についていた錘状のイボは、雨で流れ落ちたりして少なくなっていきます。 下の写真で柄の根元付近に落ちている膜状のものは、内被膜の一部でしょう。
キノコの場合は、同種であっても、大きさには幅があります。 上の写真のシロオニタケは比較的大きな方で、大きさがわかるように10円玉を置いてみました。
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金剛山で、いろんな状態のタマゴタケが並んでいるところに出会いました('09.8.8.)。 たぶん菌糸はつながっているのだと思います。
これらのタマゴタケの写真を、傘が開いていく順に並べると、次のようになります。
① 保護されていた白い「つぼ」を破って、キノコが伸びてきます。 もっと幼いキノコの段階では、この白い膜でキノコ全体がすっぽり覆われて保護されていたわけです。
② 傘が大きくなりながら開くにつれ、傘の裏の胞子をつける部分を保護していた被膜(内被膜)が傘の縁から離れ、垂れ下がって「つば」となります。 下の写真では、傘の右下の部分で、まだ内被膜が傘の縁とくっついていますので、両者の関係が分かり易いでしょう。
③ 傘は広がり、水平からやや反り返るまでになります。 柄の表面を覆っていた膜も、柄が伸びるにつれて引き裂かれ、だんだら模様になっています。
下の写真のキノコは傘が裂けていますので、タマゴタケの傘の肉が白い色であることも、よく分かります。
いわゆるキノコ形をしたキノコは上のような経過で大きくなるのですが、「つぼ」や「つば」がもろく、キノコが少し大きくなるとすぐにその存在すら分らなくなるキノコの種類もたくさんあります。 「つぼ」や「つば」の様子は、キノコを見分けるときの着目点のひとつです。
タマゴタケはテングタケ科に分類されています。 テングタケ科のキノコには、「つぼ」や「つば」が残るものが多いのですが、そうでないものもあります。 明日は「つぼ」や「つば」がはっきりしないテングタケ科のキノコで比較してみたいと思います。
テングタケ科のキノコのほとんどは毒キノコです。 猛毒キノコの御三家と云われているドクツルタケ、タマゴテングタケ、シロタマゴテングタケは、全てこのテングタケ科に分類されています。 その中にあって、このタマゴタケは無毒でおいしく、食用にされるキノコです。 色や形などでは食用キノコと毒キノコには分けられませんので、注意が必要です。
9月19日から11月3日まで、大阪市立自然史博物館で、特別展「きのこのヒミツ」が催されます。 副題は「きのこで世界はまわっている」で、生態系の中でのきのこの果たす大切な役割が、わかりやすく解説されるはずです。
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金剛山で撮ったイワタバコです。 イワタバコは湿った岩などに生え、時には大きな群落を作ります。
イワタバコ科は大きなグループで、園芸植物としても多くの種が知られていますが、主に世界の熱帯から亜熱帯を中心に分布するグループで、日本には数種しかなく、そのうちでよく見かける種としてはイワタバコしかありません。 イワタバコ科の植物の多くが左右相称の花をつけ、イワタバコのような放射相称の花は少数派です。
イワタバコの多くの花は、斜め下を向いて咲いています。 花柱を取り囲む5本のオシベの葯は、根元付近が太くなっていて、そこから花柱に沿って細長く伸び、合生していて筒状になっています。 花粉は花柱側に出ますので、外見からはほとんど花粉を見ることができません。 花冠の底部には黄色い蜜標があり、虫がそこをめがけて入ってきて葯の膨らみを押すと、葯が合成して作る筒状の先端から花粉が押し出され、花粉が虫にふりかけられるしくみになっています。
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タケニグサは、なかなか存在感のある大きな多年草です。 分布は日本を含む東アジアに限られていますので、欧米では珍しさもあって、観賞用に栽培されることもあります。 大きな庭でないと、似合わないでしょうが・・・
英名は Plume poppy、「羽毛ゲシ」で、タケニグサは、ケシ科の植物です。
ケシ科の植物の花の特徴として、ガクは2または4枚で、通常は多くのオシベを持つことが挙げられます。 タケニグサの花には花弁が無いため、一見ケシの花とは印象が違います。 しかし、ガクは早落性で、下の写真でも花にはガクがついていませんが、ツボミは2枚のガクに保護されていることや、羽毛のように見えるたくさんのオシベがあることなどは、ケシ科の花の特徴を示しています。
花が終われば、扁平なメシベに由来する扁平な果実がたくさん垂れ下がることになります。
ケシ科の植物の茎を切ると、白~赤色の乳液が出ます ( クサノオウの記事を参照してください ) が、タケニグサの茎を切っても、やはり黄色い乳液が出てきます。
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昨日に続いての金剛山で撮ったシソ科です。 オシベ4本、メシベの柱頭が上下に2裂などは同じですが、マネキグサは昨日のニガクサと異なり、オシベ・メシベはすっぽりと花冠の上唇に覆われています。
ところで、このマネキグサという名前、「招き草」なのでしょうが、どう見たら招いているように見えるのでしょうか。 花が手招きしているように見えるというのですが、どうでしょうか。 よく見ると白い縁取りを持った美しい花ですので、この花が山へと招いてくれているのなら、喜んで参加しますが・・・。
上の写真のように、花を斜め上から見ると、上唇が招き猫の手のようにも見えます。 でも、下の写真のように少し見上げると、花全体が人の姿のようにも見えます。 ある人の意見のように、お盆の頃に咲く人の姿をした花となると、あまり招かれたくありません。
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シソ科の花は特徴がはっきりしていてすぐにシソ科と判るのですが、その後がたいへん。 種類が多くて、互いによく似ていて、しばらく会わない花に出会うと名前がすぐに出てこないことがあります。 特にこのニガクサなどは苦くもないのにこの名前ですから、名前と植物のイメージがつながりません。 もしかしたらこの「ニガクサ」という名前、観察会の指導者が名前が出てこず、苦い思いをした草だったりして・・・(冗談ですよ)。
このニガクサの仲間の花冠は上唇がないので、オシベやメシベの観察にはちょうどいいかもしれません。 花の初期には閉じていたメシベの先端が、大きく口を開くように上下に分かれ、受粉できるようになる様子などは、新しい花と古い花を見比べることによって、よく分かります。
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クサアジサイは、一目でアジサイの仲間だと分ります。 でも、花の時期は多くのアジサイの仲間に比べると、ずっと遅くなります。 今年の金剛山の中腹(標高600m付近)では、7月25日にはまだ咲いておらず、8月8日には咲いていました。 暑い山道を歩いていて、渓流沿いのクサアジサイの花を見ると、ホッとします。
クサアジサイは名前のとおり多年草で、よく似たコアジサイやヤマアジサイなどが小低木であるのとは異なります。 それに、アジサイの仲間の多くの葉が対生であるのに対し、クサアジサイの葉は互生です。
飾り花は(2~)3枚のガクが発達しています。 両性花は花弁が5枚、多くのオシベと、3花柱を持つメシベ1本からなります。
花序の色は淡紅色が中心ですが、白色に近いものから、下の写真のように濃い色の花もあります。
上の写真の両性花では、葯の取れたオシベ(虫にかじられた?)の先端に、花糸を上ってきた水が水滴を作り、周囲の景色を映していました。 下はそれを拡大してみたものです。
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スミナガシは山地で見られ、花には来ず、樹液や動物の排出物に集まるチョウです。
金剛山の登山道を歩いていると、スミナガシ(夏型)が・・・ 近づいても飛び立ちません。 よく見ると、赤い口を伸ばして、糞から汁を熱心に吸っています。 ちなみに春型は小型で、白斑が大きくなっています。
イタチなどは、自分のなわばりのサインスポットとして、石の上など目立つ所に糞でマーキングします。 その糞が前夜の雨に濡れて、ちょうどスミナガシの好みの状態だったようです。
写真を撮っていると、別の1頭が、しばらくするとまた別の1頭がと、合計3頭になりました。
とまって暫くはバタバタしていますが、落ち着くとみんな“食事”に熱心で、いくらカメラを近づけても平気で、写真は撮り放題。 でも撮った写真をPCでチェックすると、あまりにも糞がリアルすぎて・・・ ですから、ここでは暗めの写真やトリミングで糞をカットした写真しか載せていません。 もっときれいな翅の写っている写真がいっぱいあるのに・・・
スミナガシは自然光の条件下では白いちいさな斑点を散りばめた黒っぽいチョウで、よく見ると墨の濃淡で書いたような複雑な模様を持っています。 (エフさんがブログに樹液に来ているスミナガシを載せています)
でもフラッシュの光を真上近くから当てると、翅の反射率が大きいのか、自然光の条件下とは違った美しい色を見せてくれます。 下の写真の2頭は、同様の光の当て方をすると同様の色に見えるのですが、光の当たる角度の違いで、かなり違った色に見えています。
スミナガシのオスとメスの差はあまり無いと言われています。 でも観察した3頭の、フラッシュの光を真上から当てた翅の色を比較すると、明らかに2種類に分かれました。 少し大きな1頭の前翅は褐色みを帯びていますし(下の写真の左)、少し小さめの2頭の前翅は、後翅と同じく、青っぽい色になります(下の写真の右)。 たぶん前者がメスで、後者がオスなのだと思います。
昆虫の見ている色彩世界と私たち脊椎動物の見ている世界とは全く違います。 昆虫には波長の長い赤い色は見えませんが、紫外線領域の光を見ることができます。 これだけフラッシュの光を反射するということは、もしかしたら、鳥には黒っぽい目立たない色に見えることで餌になることを逃れ、スミナガシの仲間同士では、美しい色を見せ合っているのかもしれません。
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ヒメヤブランはヤブランを小さく弱々しくしたような植物です。 もちろん別種。 でも、花のつくりはヤブランによく似ています。
下の写真、メシベと6本のオシベは互いにそっぽを向いたよう。 小さな花なりに努力して自家受粉を避けているのかもしれません。
子房の部分には溝が見えます。 これは子房の壁が薄く、中の胚珠と胚珠の隙間が凹むためです。
多くの花では、1つの子房がそのまま生長して1つの果実になっていくのですが、ヤブランの仲間では、子房の壁がすぐ破れてしまい、胚珠が外に飛び出し、むきだしの種子になっていきます。 こちらでは、ヤブランやヒメヤブランに近いジャノヒゲで、その様子を紹介しています。
(参考)ヤブランの花
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上はアカミゴケ(の仲間)です。 名前は「赤い実をつけるコケ」という意味ですが、アカミゴケはコケの仲間(蘚苔類)ではなく、地衣類です。
地衣類は、菌類(カビ・キノコの仲間)が藻類を取り込んだ状態で、つまり2種類の生物が深い共生関係になり、あたかも1種類の生物のように暮らしています。 藻類は光合成による炭水化物を菌類に与え、菌類は藻類に住処と水分などを提供します。
アカミゴケの赤い部分は、地衣が胞子を作る場所で、「子器」と呼ばれています。 この子器から飛び出した胞子が発芽すると、菌類が作った胞子ですから、菌糸になります。 これが元の地衣に戻るためには、近くにいる藻類を取り込みつつ生長しなければなりません。 もし藻類に出会えなかったら、死ぬしかないのでしょう。 ですから、多くの地衣は、無性生殖によっても繁殖を続けるしくみを持っています。
白っぽい緑のアカミゴケの体表は、細かい粉状のもので覆われています(上の写真はクリックで拡大できます)。 これを「粉芽」などと呼んでいますが、この粉は菌糸と藻が絡み合ったもので、この粉が飛び散り、新しいアカミゴケになっていきます。
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上は木津川の堤で撮ったカワラナデシコです。 イネ科の植物に覆われてしまう寸前で咲いているようです。 右の方にはカワラマツバの葉も見えます。
カワラナデシコも昨日記事にしたカワラマツバと同様、光がよく当たる環境で、適度な撹乱によって他の植物の生育が抑制されるような環境でないと、他の植物と競合して負けてしまうようです。
その撹乱とは、例えば定期的な草刈などの人為的な撹乱であったり、増水で砂礫が動いて他の植物は育ちにくい環境であったりします。 ところが、草刈をするような場所の多くは、放置気味であったり、逆に公園的に管理がされすぎたり、河原でも治水が行き届いて砂礫の移動が少なくなったりで、そのうえきれいな花ですので採られたりと、カワラナデシコの生きる環境も厳しくなってきているようです。 単にナデシコといえばこのカワラナデシコを指すように昔から親しまれてきた植物であったのですが、私も久しぶりに会った気がしました。
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木津川の堤防で見たカワラマツバです。 河原にも生育しますが、木津川の場合のように、堤防の斜面などでもよく見られます。
珍しい植物ではなかったのですが、自宅付近(大阪南部)で見ることは稀になってしまいました。 適度な撹乱に耐えることのできる植物なのでしょうが、管理されすぎたり、他の草が繁茂しすぎたりで、カワラマツバの生えるような環境は、減少してきているのかもしれません。
カワラマツバはヤエムグラと同じGalium属に分類されています。 刺の有無など、ヤエムグラと印象は違いますが、同じ属だという目で見ると、たしかによく似たところがあります。 ちなみに、Galium は gala(乳)に由来し、昔、カワラマツバをチーズを作る際の凝固に使ったことによるようです。
「松葉」の名のように、葉は細く、8~12枚が輪生しています。 花は離弁花のように見えますが、合弁花です。 花冠は多くは深く4裂し、雄しべ4本ですが、花冠が5裂、オシベ5本の花も混じっています。 花には特有のにおいがあります。
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木津川の堤に行きたかったのは、ホソオチョウ以外にもう1つ、スズサイコの花を見たかったからです。
スズサイコはガガイモ科カモメヅル属に分類され、平地の草原に稀に見られる植物です。 以前、自宅近くの鉢ヶ峰の田の畦に1本だけあるのを見たことがありますが、今はどうなっているのか・・・ わんちゃんに案内された木津川の堤では、あちこちで花を見ることができました。(わんちゃんの記事へはこちらから)
スズサイコの仲間にはツル植物が多く、葉も幅の広いものが多いのですが、スズサイコは直立し、葉の幅も、たいへん細くなっています。
5月30日 わんちゃん撮影
スズサイコの花は夜に開き、午前中の早い時間に閉じてしまいます。 「日本の野生植物Ⅲ」(平凡社)には「花は早朝に開き、日が当たると閉じる性質がある。」とありますが、花の開いている時間はそんなに短くはないものの、季節によって異なるのかもしれません。 8月に私が観察した時には、午前8時には、まだしっかりと咲いていて、10時前には閉じかけていました。
花の色は、黄緑色から赤っぽいのまで、変化がありました。
ガガイモ科の花のつくりには複雑なものが多く、スズサイコの花もまたしかりです。
小さなガクの上に、丈夫そうな花弁があります。 深く裂けてはいますが、合弁花です。 花が開いている時は、花弁の縁は裏へ反り返っていて、花弁が細く見えますが、花が閉じる時には、この反り返りはなくなり、内部をしっかりと保護しているように見えます。
メシベと5本のオシベは合着しており、蕊柱(ずいちゅう)と呼ばれています。 蕊柱の頂は、平らで中央が少しへこんでいます。 この部分は柱冠と呼ばれています。 この蕊柱にぴったりとくっついて、副花冠と呼ばれるものがあります。
蕊柱には溝があり、蜜はこの奥の空間に貯められています。 昆虫がこの蜜を吸おうと細い口を差し込んで動かしていると、この溝の縁には細かい上向きの刺があり、そのせいで、昆虫の口は次第に持ち上げられ、写真の「花粉塊の小球」と書いた部分を下から持ち上げる形になります。 表面からは見えませんが、この花粉塊の小球の左右には花粉塊がついていて、これが昆虫の口にくっついて、運ばれるというしくみになっています。 このあたりのことは、花のつくりのよく似たガガイモの記事を参考にしてください。
花の後には、ガガイモ科特有の細長い果実(袋果)ができます。 若い果実に、ヒメジュウジナガカメムシが来ていました。
※ この記事の最初の写真にも、交尾しているヒメジュウジナガカメムシが写っています。
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木津川の堤でホソオチョウと一緒に飛び回っていたジャコウアゲハです。 今までジャコウアゲハはゆったりとした飛び方をすると思っていたのですが、ホソオチョウに比較すると、何とせわしない飛び方をするものか・・・
下はオス。 羽全体が黒っぽく、光沢があります。
そして、下がメス。 翅は周囲は黒いのですが、全体的には灰色です。
幼虫の食草はウマノスズクサで、成虫の体内にもウマノスズクサに含まれるアルカロイドの一種があり、これを食べた鳥は中毒を起こして苦しみ、ジャコウアゲハを捕食しなくなると言われています。 クロアゲハやオナガアゲハなどは、このジャコウアゲハに似ることで、鳥の捕食から逃れようとしているとされています。
木津川の堤ではなかなかとまってくれなかったので、以前に伊丹市昆虫館で撮ったジャコウアゲハの写真を載せておきます。 横から見ると、腹部の毒々しい赤が印象的です。
もちろん幼虫も毒を持っています。 下はわんちゃんからいただいたジャコウアゲハの幼虫の写真です。 今までいた所のウマノスズクサを食いつくし、別のウマノスズクサを求めて移動中なのでしょうか。
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ホソオチョウについての概略は昨日書きましたので、今日はオスとメスの写真を載せておきます。
下は昨日飛び回っている写真を載せたオスです。 やっととまったところを撮りました。
そして下がメスです。
オスは白っぽく、メスは黒っぽく、一見全く違う蝶のようですが、両者の翅の模様のパターンを比較すると、たいへんよく似ていることがわかります。 オスの模様の黒い部分を太く太くするとメスの模様に似てくるともいえますし、メスの模様の白い部分を太く太くするとオスの模様に似てくるとも言えます。
ところで、このメスとギフチョウとを比較すると、これまた模様のパターンがよく似ています。 下は4月に大和葛城山で撮ったギフチョウですが、比較してみてください。
進化的にはホソオチョウはギフチョウに近い蝶であり、ホソオチョウもギフチョウと同じく、やや原始的な特徴をもった蝶のグループに属するということになります。
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いつもコメントをいただく京都府南部のわんちゃんから、'08年4月に、27日に撮った蝶の名前を教えてほしいと、1枚の写真が送られてきました。 日本の蝶ではないことを伝えると、わんちゃんは橿原昆虫館に問い合わせ、アゲハチョウ科のホソオチョウだと分りました。
橿原昆虫館の回答によると、チョウマニアが朝鮮半島から生きたチョウを持ち込み(もちろん法律違反)、それを関東近郊に放したところが定着し、そこで増えたものを誰かが木津川河川敷に放したものだろうとのことでした。(詳細はこちら)
Wikipediaによると、幼虫の食草はウマノスズクサで、日本のジャコウアゲハと同じ食草であること、現在は岐阜県や栃木県などでも見られ、ホソオチョウの移入によってジャコウアゲハがいなくなった場所もあると言われるが、現在のところホソオチョウの分布はきわめて限られているため、いずれは近親交配が進んでいなくなるだろうとされていること、要注意外来生物に指定されていることなどが書かれています。
要注意外来生物に指定されている注目のチョウ、しかも美しくて優雅な飛び方をするとなると、一度見てみたいものだと思いました。 でも、わんちゃんはそれ以来見かけないとのことでした。
'08年8月3日に、わんちゃんから、ホソオチョウがたくさん飛んでいるとのメールをいただきました。 でも、またすぐにいなくなったようです。
今年('09年)になって、7月10日にホソオチョウを見たというメールをいただきました。 見に行こうとしたのですが、私は土日しか動けませんし、今年は雨が多く、なかなか日程が合いません。
その間、わんちゃんは記録をつけていてくれました。 記録は個体数、時間、天候、それにジャコウアゲハの様子など、非常に詳しいデータでした。 私の時間に余裕ができれば、いろいろ解析したいと思います。 きっとおもしろい結果が出るでしょう。
とりあえず分かったことは、発生には周期があるということです。 7月10日にいることに気付いたホソオチョウの個体数は、7月13日の10頭をピークに減少しはじめ、7月21日には見られなくなりました。 わんちゃんは毎日観察してくれていたのですが、見られない日が続きました。 そして7月31日、またホソオチョウが飛び始め、8月に入っても個体数の増減はあるものの、ほぼ毎日観察できる日が続きます。 休みを待ってホソオチョウの観察に出かけました。
ホソオチョウは数頭が、草に覆われた堤防の斜面の、距離にして100mほどの範囲を、低く優雅に飛び続けていました。 この範囲から外に出ることは、まず無いようです。 ヒメジョオンなどの花も咲いているのですが、殆ど吸蜜はしていないようです。
飛び回っていて目につくのは殆どがオスです。 メスがそんなに少ないはずはないので、メスはオスほど飛び回らないのでしょう。
大きさは春型のアゲハチョウをさらに小さくしたくらい。 アゲハチョウ科のチョウとしては、かなり小さい部類に入るでしょう。
飛び回るホソオチョウのオス
ホソオチョウがこれほど優雅に飛べるのは、幼虫の食草であるウマノスズクサには毒があり、幼虫の体に蓄積した毒は成虫になっても体に残り、鳥がホソオチョウを食べると、その毒によるまずさを学習し、二度とホソオチョウを餌にしないためだと言われています。 でも、この毒はホソオチョウと同じ節足動物には効き目があるのでしょうか。 下はクモの巣にかかったホソオチョウです。 クモにとって、ホソオチョウの体にある毒はどうなのでしょうか。
幼虫の食草で競合するジャコウアゲハも飛んでいましたので、今のところはジャコウアゲハがいなくなることは無さそうです。 でも、食草のウマノスズクサはかなり探したのですが、見つかりませんでした。 ウマノスズクサはそんなにたくさんは無さそうです。 ギリギリの餌をめぐってジャコウアゲハとホソオチョウの戦いは続くのでしょう。 日本の自然を乱すホソオチョウ、優雅なホソオチョウ、気分は複雑です。
明日はホソオチョウのオスとメスの写真を紹介する予定です。
(以下、'10.8.10.追記)
その後もホソオチョウの観察を続けているわんちゃんから、ホソオチョウの幼虫とサナギの写真を送っていただきましたので、載せておきます。
今年('10年)はホソオチョウが大量に発生しているとのことです。
幼虫
サナギ
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昨日の記事で、ヒトスジシマカの幼虫と蛹(サナギ)のことを記事にしましたが、体の各部の名称が分らないので内容が理解しにくいとの指摘を受けましたので、各部の名称を載せておきます。
ついでにサナギの写真をもう一枚追加しておきます。 昨日とは反対に斜め下からの写真ですが、成虫の口器が形成されている部分だと思われる所が写っています。
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今日は、昨日記事にしたヒトスジシマカの幼虫とサナギについてです。(今日の写真はどれもクリックで拡大することはできません)
【 幼虫 】
幼虫を見ていると、クネクネと泳いで沈み、かなりの時間を水中や水底での食事に充てています。 幼虫の時代とは、どんどん食べてどんどん生長する時期ですから、当然のことなのですが、この様子は動きが盛んで、撮影は無理でした。 ちなみに、「ボウフラ」という言葉は、この棒を振るような泳ぎからだと言われています。
水中生活をしている幼虫ですが、呼吸は空気呼吸です。 時々水面に浮上してきて息をするのですが、この時は動きが止まりますので、撮影のチャンスです。
空気呼吸は、腹部の先端にある呼吸管で行います。 下の写真は幼虫を横から写したもので、呼吸管の側に4枚の鰓が見えます。 空気呼吸をしているのに鰓とは不思議ですが、これは鰓とは呼ばれているものの、実際には塩分の調節に使われていると考えられています。
【 サナギ 】
サナギは幼虫から成虫へと体のつくりを変える時。 餌はとらず、水面に浮かんでじっとしています。 でも、少しでも環境の変化を感じたら、幼虫に負けないくらいの勢いで泳いで、水中へと逃げていきます。 移動しないチョウやガのサナギのことを考えると、少し不思議な感じもしますが・・・
下は水面に浮かんでいる様子を写したものですが、幼虫の時に呼吸に使っていた腹部の先端は下を向いていますし、呼吸管らしい構造も見当たりません。
サナギは呼吸をどのようにしているのでしょうか。 上の写真をよく見ると、頭部と胸部の境がよく分かりませんが、胸部から細い管が水の外に突き出しているように見えます。
下はその部分がよく分かるように撮ったものですが、胸部から2本の呼吸管が伸びています。 この呼吸管を鬼の角に見立てて、このような蚊のサナギは「オニボウフラ」と呼ばれています。
呼吸を肺につながる口でしている私たちにとっては、外の空気の世界との出入り口であるところが移動するということ、つまり口が別の場所に簡単に移動するということは考えにくいのですが、蚊の幼虫とサナギでは、簡単にその場所を、腹部の先端から胸部に変えています。 これは昆虫の呼吸器官が、肺のようなものではなくて、体中を走っている「気管」という細い管で、その管と空気の世界との接点をどこかに設定するだけでよいわけですから、このように簡単に変えられるのでしょう。
ちなみに、昆虫は成虫になっても口で呼吸はしていません。 ガス交換は気門を通して行っています。(詳しくは「クマゼミの抜け殻の白い糸の正体は?」でどうぞ)
サナギは時間が経つにつれて、次第に黒くなってきます。 そして背中が割れて、そこから成虫が出てきて、昨日の話につながっていきます。
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庭においてある睡蓮鉢、その中にたくさんのボウフラが発生していました。 観察していると、時々羽化も見ることができます。
羽化してきた成虫を見ると、ヒトスジシマカでした。 ヒトスジシマカは、一般にヤブカとも呼ばれる、最も普通に見られる吸血性の蚊の一種で、デング熱などの感染症を媒介する衛生害虫です。
羽化は次のようにして起こります。 まず、水中のサナギの背が割れ、そこから、脚をピタッと体にくっつけ、棒状になった体が、空中に斜め前方にスーッと出てきます。 そしてすぐに脚を広げ始めます。 ここまで数秒、棒状になった体が伸びてくるのを見て、カメラの露出などを調整しているうちに、もう脚を広げ始めています(下の写真)。
そして脚を広げ終わると、水面に“軟着陸”します(下の写真)。 水の表面張力で浮いていることができるようです。
上から撮ると、ヒトスジシマカの名前の由来になっている、頭部から胸部にかけての1本の白い筋と、腹部や脚や口吻などの白い横縞がよく分かります。
このヒトスジシマカの幼虫とサナギの様子は、明日の記事にします。
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昨日のニホントカゲの3枚目の写真に写っていた黒いツブツブをもう少し拡大したものが、下の写真です。 ツブツブはこの写真よりもかなり広い範囲で見られるのですが、あまり広い範囲を写すと、一つひとつのツブツブが小さくなってしまいますので・・・
じつはこのツブツブ、さらに拡大したのが下の写真ですが、粘菌(真正粘菌)の仲間の「子嚢(しのう)体」です(以下、「嚢」はひらがな書きにします)。 種類はたぶんツヤエリホコリだと思います。
横から見ると、柄があります。 光沢のあるものと無いものが見えますが、子のう壁(子のう表面の膜)に光沢があり、光沢の無いものは、この膜が破れ、これから子のう胞子を飛散させようという状態です。
粘菌(真正粘菌)についての記載はムラサキホコリの記事に書きましたので、ここでは重複を避けることにします。
ツヤエリホコリは、春~秋、特に夏の初めによく見られる粘菌です。 変形体は倒木の内部で生活をしていて、この時期に倒木の表面に出てきて子のう体を形成します。
写真のツヤエリホコリは、切られた丸太が立てかけられたままで腐った表面に子のう体を形成していました。 2枚目の写真がよく分かると思いますが、子のう体を形成している場所は、いずれも倒木の内部から這い出てきた割れ目や窪みのすぐ傍です。
ツヤエリホコリのすぐ側には下のような子のう体もありました。 こちらはコムラサキホコリの仲間でしょうか。
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金剛山で見かけたニホントカゲです。
じつはこのトカゲ、昨日記事にしたコチャダイゴケの幼菌の表面を舐めていたのですが、私の姿に驚いて逃げ、でも、コチャダイゴケがあきらめきれず、また出てきたところです(下の写真)。 コチャダイゴケの表面に、何かニホントカゲの栄養になるようなものがあるのでしょうか?
ニホントカゲは、私の家の近くでもよく見かけるトカゲです。 ニホンカナヘビよりも、うろこが細かいので、なめらかな感じがします。
ところで、3枚目の写真の左端に黒いツブツブの集団が写っているのに気付きましたか?
これについては、明日のお楽しみに・・・
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