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2009年6月 3日 (水)

ガンピ

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 ガンピは、コウゾやミツマタほど有名ではありませんが、和紙の原料です。 なぜコウゾやミツマタほどには知られていないのか、ガンピで作られた紙は質が悪いのかというと、その逆で、繊維はコウゾの1/3ほどしかなく、細いのですが、それがかえって緊縮した紙質となり、粘性もあって、光沢のある平滑で半透明の紙を漉くことができます。 ガンピから作られた鳥の子紙は、平安時代の女性たちには、かな文字を書くのに最もふさわしい紙として愛用されました。
 ではなぜそんなに知られていないのか、じつはガンピは栽培が難しいのです。 写真のガンピは、たまたま堺市南区の畑と林の境にあったものですが、太い木にはなっていません。 私の家の近くでガンピをよく見るのは、雨が降ってもすぐ流れ去ってしまうような、里山の痩せ尾根です。 ガンピはこのような痩せ地に生育する植物で、畑などでの栽培に適さず、必然的に大量には入手できないものとなります。 最澄が唐に渡る時には筑紫の斐紙(雁皮紙)を土産として持参したというほどの、貴重な紙であったわけです。

Ganpi080524_2

 ガンピは、本州では静岡県の伊豆より西、石川県の加賀市より南、それに四国や九州に分布する、暖地を好む植物です。
 花を見て分かるように、ジンチョウゲ科の植物です。 ミツマタも同様ですが、ジンチョウゲ科の植物の花弁は退化していて、筒状の花弁のように見えているのはガクです。 ガク筒の外側は多くの毛で覆われています。

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コメント

ガンピ、山の中でささやかに咲いていて好きな花です。
痩せ地に生育、言われてみればあまり豊かな土壌のところでは出会ったことがない気がします。
そよかぜさんのブログでは、日頃好きだと思っている植物とさらにお近づきになれて楽しみです。

投稿: ひとえ | 2009年6月 3日 (水) 20時16分

はぁ~~そうなんですか?
外国への手土産にもなるほどの高価なモンになるというのに、栽培ができないとは
ち~と、ザンネンじゃ・・・
と、お商売スジの方なら思わはるでしょうね


お花を拡大してミツマタと見比べてみました
たしかに良く似てますね。
毛深いのも見て取れました。
真ん中のはこれから咲くのでしょうか?

投稿: わんちゃん | 2009年6月 3日 (水) 23時35分

ひとえさんへ
花も虫も鳥もお互い関係を持っているのだから、花も虫も鳥も記事にしようと始めたブログですが、そうなると身近な所にもたくさんの種類がいて、なかなか紹介し切れません。
後から検索しやすいように、記事は1日1種を原則としていますが、まだまだ紹介したいものが残っています。
気長にお付き合いください。

わんちゃんへ
花は枝に付く複数の葉が変化したものですが、花の咲き方には大きく分けて2つのタイプがあります。
1つは伸びている枝の先端が花に変化して成長が止まり、その腋芽が伸びだし、その先端が花に変化して成長が止まり、その腋芽が・・・と続くもので、この場合は中央の花ほど古いということになります。
もう一つは、複数の芽がまとめて花に変化する場合で、この場合は、花の集団の根元の方が古くからあったわけですから、先端、つまり中心部の花の方が新しく作られた花ということになります。
ガンピなどの花は後者になります。

投稿: そよかぜ | 2009年6月 3日 (水) 23時42分

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