キツネアザミ
アザミのようだがトゲが無い。 狐に騙されたようなアザミというので、キツネアザミです。
分類学的にも、キツネアザミの学名は Hemistepta lyrata で、アザミ属(Cirsium属)とは区別されています。
下は花(頭状花序=頭花)の拡大。 頭花はたくさんの筒状花からなっていますが、小花(1つひとつの花)はアザミの仲間のようにシャキッとしていません。 総苞片の先には角のような出っぱりがあり、出外側の総苞片ほどこの出っぱりは大きくなっています。
この時期、早く咲いた花は、もう種子(正確には痩果)になっています。 アザミの仲間の冠毛は羽状に枝を分けるのですが、キツネアザミの冠毛も、アザミでないにもかかわらず、ちゃんと羽状に枝を分けています。 こんなところまで似ているんですね。
キツネアザミは、日本では本州以南の農地の周辺や農耕放棄地でよく見られますが、朝鮮・中国・インド・オーストラリアなど温帯から暖帯に広く分布していて、古代に農耕と共に日本に入ってきた史前帰化植物だと考えられています。
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コメント
>古代に農耕と共に日本に入ってきた史前帰化植物だと考えられています。
キツネアザミがそんなに古くからあるんだぁ、じゃぁアザミはもっともっと古くからあるんですね?
冠毛の写真がきれいです。
まるで、おキツネ様に騙されてるよう・・・
投稿: わんちゃん | 2009年6月 1日 (月) 21時54分
もとから日本に分布していた植物なら、人類出現以前から日本(という概念も無いでしょうが)に生えていたかも。
この記事は、そもそも冠毛がきれいだったので書いた記事なんですよ。
投稿: そよかぜ | 2009年6月 2日 (火) 06時42分