マルバアオダモ
金剛山の登山道の脇で、マルバアオダモが5月の風にそよいでいました。 対生の奇数羽状複葉の間に繊細な花序が見えます。
マルバアオダモはモクセイ科トネリコ属( Fraxinus属 )に分類されています。 この仲間はたいへん種類が多く、同定が間違っていないか少し心配で、トネリコの仲間としておいた方がいいかもしれませんが・・・
ちなみに、「トネリコ」という名は外国の言葉のようにも聞こえますが、樹皮につくイボタロウムシが分泌する蝋を敷居の溝に塗って動きを良くしたことから、「戸に塗る木」が訛って「トネリコ」となったようです。
マルバアオダモの「マルバ」は、写真を見て、どこが丸い葉だ!? と思われたことでしょう。 マルバアオダモには「ホソバアオダモ」という別名もあり、矛盾しているようにも聞こえます。 じつは、マルバアオダモの幼木の葉の小葉には丸みがあるのですが、それよりも、トネリコの仲間の多くの小葉には鋸歯が目立つのですが、マルバアオダモの小葉の鋸歯はほとんど目立ちません。 マルバアオダモは小葉の縁が円いのです。
花序は新しく伸びた枝に頂生します。 マルバアオダモは雌雄異株です。 といっても、雄株は2本のオシベだけの雄花をつけますが、雌株の花は両性花をつけます。 写真のマルバアオダモは、この雌株です。
雌株の両性花を拡大したのが下の写真です。 花がたくさんついていて見分けにくいのですが、1つの花では、細長い花弁が4枚、オシベが2本、メシベの根元は赤紫色で、細長く伸びるメシベの柱頭は、さじ型をしています。
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コメント
雌雄異株とか
雄株は2本のオシベだけの雄花
雌株の花は両性花をつけます
とかは、今の私にとってまだまだ謎めいた
言葉です。
そのうち解りますやろ・・・みたいな。
拡大写真見て説明をじっくり読んでます
投稿: わんちゃん | 2009年5月 8日 (金) 11時10分
同種の木に2種類(以上)のタイプがあり、それぞれ違うタイプの花をつける(多くの場合は雌花か雄花)場合、よく雌雄異株と言っています。
両性花とは、メシベ(雌としての機能)とオシベ(雄としての機能)の両方の性の機能を持っている花です。
投稿: そよかぜ | 2009年5月 9日 (土) 06時44分
こんにちは。
いつもながらわかりやすいご説明に納得です。たいへん参考になりました。有り難うございます。
投稿: 多摩NTの住人 | 2009年5月 9日 (土) 17時50分
ご説明ありがとさんデス
いっぺんにはムリです。
謎解きは場数を踏んで頑張ります。
投稿: わんちゃん | 2009年5月10日 (日) 00時37分
多摩NTの住人さんのアオダモも花のいい時期の写真ですね。これは雄株でしょうか。
わんちゃん、それでいきましょう。趣味は辛くしちゃダメですものね。
投稿: そよかぜ | 2009年5月10日 (日) 08時16分
マルバアオダモ
山歩きしてて出合ったとき
プロ野球選手が使うバットの材になる、
と教えていただいて、ちょっと身近に感じました。
投稿: わんちゃん | 2011年5月10日 (火) 17時13分
マルバアオダモも使われているようですが、主に使われているのはアオダモです。
投稿: そよかぜ | 2011年5月11日 (水) 06時19分