チゴユリ
岩湧山山麓の雑木林に咲いていたチゴユリです。 チゴユリは日本全国のこのような落葉樹の林床に生えるかわいい花です。
花の後には黒い実ができ、種子でも増えるのですが、次のような地下茎による無性生殖も行います。
花の後、チゴユリは地下茎を伸ばし始めます。 この地下茎には長いものと短いものとがあり、それぞれの伸びた地下茎の先端には次の年の芽ができます。 長い地下茎で新天地を求め、短い地下茎で親の生きてきた(=生きることのできる)環境に子孫を増やす狙いなのでしょう。
そして秋、親株は枯れ、地下茎も無くなってしまいます。 残るのは地下茎の先に作られた、それぞれが独立した次の年の芽だけです。
つまり、チゴユリは何年も同じ株が残る多年草ではありません。 また、種子からスタートして種子を作って枯れてしまう1年草でもありません。 このような生活史は「擬似一年草」と呼ばれています。 チゴユリも、地上の花だけを見ていては分からない、いろんな工夫をしているのですね。
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コメント
チゴユリは一華かと思っていたら、この株は花が二つ。よくあることなのですか?
ほんのり緑を帯びて俯くチゴユリの花、とても素敵な画像でチゴユリの好きなわたしはうっとりです。
チゴユリはどうやって増えるのだろうとずっと思っていたのですが、そよかぜさんのお話で疑問が解けました。
投稿: ひとえ | 2009年5月18日 (月) 20時53分
2つの花は時々見ます。3つの花を見たこともありますよ。
たくさんの落ち葉が積もった林床では、種子が地面に接するのも容易でないのかもしれませんね。
投稿: そよかぜ | 2009年5月18日 (月) 22時39分
はじめまして!ビオラと申します。
なぜ野草に引かれるのか・・
植物は(動物もでしょうが)、生き延びるための大きな戦略を秘めているからその存在は私たちを引き付けるのかもしれませんね。
投稿: ビオラ | 2009年5月19日 (火) 12時58分
チゴユリ
ちっちゃくて、とても可愛い花、
俯いているのに向き合って、覗いて撮ります
恥ずかしそうなチゴユリの雰囲気がとても良い写真ですこと・・・・・
投稿: わんちゃん | 2009年5月19日 (火) 14時42分
ビオラさん、はじめまして
はじめから禅問答もどうかと思いますが、では、なぜ野草に惹かれない人がいるのでしょう
わんちゃんへ
そよかぜ流写真の3ステップ
事実を撮る
↓
空気を撮る
↓
気持ちを撮る
難しいものです・・・
投稿: そよかぜ | 2009年5月19日 (火) 23時34分
>なぜ野草に惹かれない人がいるのでしょう?
だって雑草でしょ?
って言い返されたことがありました。
道端の可愛いお花たちを見ていたでしょうに・・・
山に行けば、しばらくそこから動けないほどの感動を与えてくれるお花たちがいるのに・
厳しい自然の中で強く逞しく生きているで野草たちにカンパイ!
投稿: わんちゃん | 2009年5月22日 (金) 00時16分
花屋さんの花も原色から淡い色に・・・
花の好みも時代と共に変化するものかもしれませんね。
投稿: そよかぜ | 2009年5月22日 (金) 07時22分