イヌガンソク
上は広がりはじめたイヌガンソクの栄養葉。 見つめていると、なんだか「ファイトー!」と言ってくれているようで、造形的におもしろいと感じて撮りました。
下はその全体の姿です。 イヌガンソクの葉には2つのタイプがあって、1つは栄養葉と呼ばれていて、光合成をして栄養分を作り出す葉、他の1つは、胞子葉と呼ばれていて、胞子をつける生殖用の葉です。 栄養葉は春になって新しい葉を広げ始めますが、胞子葉は秋に作られ、冬を越した春には黒っぽく硬くなっていて、その形のおもしろさから、「がんそく」と呼ばれて花材として用いられています。
この植物の和名はイヌガンソクで、その胞子葉を「がんそく」という名で花材に使うと、上に書きました。 たしかに胞子葉は、鳥の雁(ガン)が飛んでいるときの足の形に似ています。 では、和名の「イヌ」は?
話はややこしくなりますが、「こごみ」という名で山菜として利用されるクサソテツの別名が「ガンソク」なのです。 おいしいガンソク(=こごみ=クサソテツ)に対して、おいしくないイヌガンソクなのです。 つまり、花材のがんそくはイヌガンソクの胞子葉で、食用とするガンソクはクサソテツのことなのです。
クサソテツの胞子葉も雁の足に似ているというのですが、さて、どうでしょうか。 そのうちこのブログでも紹介したいと思います。
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コメント
この春に初めて「こごみ」の天ぷらを食しました。
ちょっと苦味があったかな??
役に立たない物の名前の先頭に「イヌ」をつけるのはやめてもらいたいと、陳情できるでしょうか? ファイト!
投稿: わんちゃん | 2009年5月28日 (木) 10時52分
介助犬や麻薬犬など、活躍しているワンちゃん(「わんちゃん」とは区別して書いています)も増えてきました。活躍するイヌがいっぱい増えるとワンだフル!
投稿: そよかぜ | 2009年5月29日 (金) 21時14分